※引用:三井不動産
予定従業員数は1,300名の大型技術センター
空気圧制御機器メーカーのSMCと三井不動産は、柏の葉スマートシティに、SMCのグローバルフラッグシップとなる研究開発拠点を、2025年秋に開設すると発表した。
SMCの正式名称は「SMC株式会社」。主に工場などで使用される空気圧制御機器を製造するメーカーだ。
同社の製造する空気圧制御機器は国内シェア63%・世界シェア39%を占めており、この分野では世界トップクラスのメーカーとなっている。
2023年3月時点におけるSMCの連結従業員数は約23,000人、同期の連結売上高は8,247億円・連結純利益は2,246億円。従業員数と売上規模からみて、日本有数の大企業といって差し支えないだろう。
なお、同社の株は2023年7月時点で日経平均株価の構成銘柄にも選ばれている。
柏の葉に建設される新技術センターは、最新の研究開発設備を備え、世界各国に点在するSMC技術センターの中核をなす拠点になるという。
新技術センターの建物規模としては、5階建ての建物が3棟建設され、敷地面積は42,749㎡。これは東京ドーム1個分より少し狭い程度の広さだ。
建築面積は29,407㎡。一企業の研究施設としてはかなり大規模な建物になると言えるだろう。
※引用:三井不動産
着目すべきポイントは予定されている従業員数だ。三井不動産のプレスリリースによると、SMCの新技術センターにおける予定従業員数は1,300名とされている。
世界的トップメーカーの研究員といえば、不動産投資の目線で見ると、その属性はかなり良いだろう。
そんな研究員が1,300人集まってくるとなれば、周辺での賃貸需要喚起に期待したいところだ。
なお、拠点の建設以外にも、産学連携に関わるサポートや柏の葉における新産業創出などに貢献するべく、三井不動産が関りを持っていくことになる。
また、建物の設計施工は鹿島建設が担い、着工予定は2023年12月、完成予定は2025年8月となっている。
柏の葉キャンパス駅の周辺には東京大学のキャンパスも
ここで注目したいのは、柏の葉キャンパス駅の周辺にある大学キャンパスや研究施設などだ。
※引用:三井不動産
SMC新技術センター建設のプレスリリースには地図が掲載されているが、周辺には東京大学のキャンパスが2つと千葉大学の研究センターなどが建っていることがわかる。
さらに北西には三井リンクラボという研究施設も建っており、これは三井不動産がシリーズ化している建物で、製薬・医療関連の研究者による利用を意図して設計されたものだ。
つまり、柏の葉キャンパス駅の周辺には、SMCの新技術センター以外にも、研究者がたくさん集まる環境が整っている。
駅前には三井不動産グループが運営するショッピングセンターのららぽーとが建っており、三井不動産は柏の葉キャンパス駅周辺での都市開発にかなり注力していると言えるだろう。
つくばエクスプレス沿線では、隣にある流山おおたかの森駅周辺でも都市開発が進んでおり、柏の葉キャンパス駅の周辺とともに都市開発の盛り上がりを見せている。
高属性入居者の入居を狙いたいのであれば、周辺エリアには要注目だ。
取材・文:
(はたそうへい)