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つくば市に隣接する茨城県常総市で大規模な産業用地の創出構想が進行中。先進産業の誘致に期待

都市計画・再開発(地域情報)/横浜・川崎・千葉・埼玉/首都圏 ニュース

2025/01/06 配信

道の駅 常総
常総市内にある「道の駅 常総」

大生郷工業団地周辺地区基本構想について

茨城県の常総市(じょうそうし)は、大生郷工業団地(おおうごうこうぎょうだんち)を中心とした産業用地の創出を目指す基本構想を策定した。

対象となるエリアは、圏央道が横断する市の西~北西部に位置する約180ヘクタールの区域。

常総市の位置図
常総市の位置図。茨城県内でも千葉・埼玉寄りの場所に位置している。

※引用:常総市

基本構想における開発の核は、3つの産業団地開発候補地区となっている。

第一に、大生郷工業団地北部地区(約33.8ヘクタール)では、国内回帰が進む製造業の受け皿として3~5ヘクタール規模の産業用地を整備する計画だ。

この地区では特に、地域の産業振興を牽引する「アンカー企業」の誘致を重視している。

第二に、圏央道スマートIC周辺地区(約33.4ヘクタール)では、1~3ヘクタール規模の区画を中心に、物流効率化に対応した次世代型の物流施設整備を想定している。

圏央道スマートIC周辺地区のゾーニング図
圏央道スマートIC周辺地区のゾーニング図。高速道路沿線エリアであることを活かした土地活用がされる見通しだ。

※引用:常総市

民間施設直結型スマートICの整備も検討されており、広域物流の拠点形成を目指す。

第三に、大生郷工業団地東部地区(約7.6ヘクタール)は、上記2地区の開発効果を見極めながら、新たな産業立地需要に対応する受け皿として段階的な整備を進める方針だ。

これら3地区の開発は短期(2024~2030年)、中期(2031~2040年)、長期(2041~2050年)に分けて段階的に進められる。

短期では大生郷工業団地北部地区の開発に着手し、2030年までに面的整備を終える計画だ。

同時に圏央道スマートIC周辺地区の事業化も進め、2030年代中盤までの企業誘致を目指している。

なお市では、この開発が単なる産業用地の供給にとどまらず、防災拠点の整備や地域生活機能の充実、観光・交流機能の創出なども含めた総合的な地域開発として進めていく方針を示している。

経産省も将来の開発対象エリアとして注目

経済産業省は、茨城県の圏央道沿線地域における新たな産業集積を目指す「第2期茨城県圏央道沿線地域基本計画」を推進している。

この計画は土浦市、古河市、龍ケ崎市など13市町村を対象としており、常総市の大生郷工業団地も重要な拠点の一つとして位置づけられている。

第2期茨城県圏央道沿線地域基本計画 対象位置図
第2期茨城県圏央道沿線地域基本計画の対象位置図。赤い点がついている箇所が「重点促進地域」と位置付けられている。

※引用:経済産業省

同計画では、圏央道沿線地域の強みとして以下の5点を挙げている。

①科学技術の集結する筑波研究学園都市の存在
②大消費地である首都圏に位置する多彩な製品提供力
③成田国際空港や茨城空港との近接性
④圏央道による広域アクセス性
⑤豊かな自然環境

特に常総市の大生郷工業団地周辺は、これらの優位性を活かした産業立地の受け皿として期待されている。

具体的には、大生郷工業団地が生産用機械器具、食料品、化学工業などの多様な製造業の集積地となっていることから、サプライチェーンの強化・多様化を目指す企業の立地ニーズに対応できる地域として評価されている。

常総市内・圏央道沿いの光景
常総市内を通る圏央道沿いの光景。工業地帯らしくクレーンがたくさん見えている。

また同計画では、大生郷工業団地周辺について、圏央道の利便性を活かした物流拠点としての機能強化も想定されている。

計画では、これらの産業集積を支援するため、IoTやAIを活用した生産性革新の推進や、産学官連携による人材育成などの施策も盛り込まれている。

常総市は2024年12月から、大生郷工業団地周辺地区における産業用地開発に向けて、地権者への意向調査を開始した。

常総市は、地権者の土地利用転換に対する考えや、今後の土地活用についての意向を確認することで、事業化に向けた具体的な検討を進める方針だ。

市は調査結果を踏まえ、地域住民の意向に配慮しながら、持続可能な産業用地開発の方向性を定めていく考えだ。この調査結果を基に2030年を目途とした面的整備の実現を目指している。

市は「産業用地の創出を目指しているが、地域との共生は不可欠」として、地権者の意向を丁寧に確認しながら計画を具体化していく姿勢を示している。

学術都市として発展するつくば市も近いエリアであるだけに、先進産業の誘致が進む可能性もあるだろう。

常総市は特に知名度のある街ではないが、熊本にある菊陽町のように、先進産業の進出で有名になる見込みもゼロとは言い切れない。

構想が形になるのはまだしばらく先の話だが、今後の推移に期待したいところだ。

取材・文:秦創平(はたそうへい)

秦創平

■ 主な経歴

フリーランスライター。
不動産業界歴約12年を経て2019年からフリーランスのwebライターとして活動を開始。営業マン時代にはセミナー講師の経験も多数あり。
国内・海外を問わず不動産投資に関する記事が専門で、現在では毎月数十本単位の記事を執筆中。特にデータを用いた市場分析が得意で、海外マーケットに関するリサーチ記事の執筆も多数請け負っている。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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