都内で住まいを買うのは価格上昇もあり、夫婦共働きでないと大変という声がある一方、インフレを見据えて不動産投資を検討する若者も増加傾向にあるという。
自宅購入の一案として賃貸併用住宅を購入するという選択肢
住まいの確保と不動産投資。この2つを両方手に入れられる方法として、収益併用住宅を購入するということを検討しても良いだろう。
実際に東京都下で賃貸併用住宅を購入し、都心へ通勤している高橋久夫さん(仮名)にお話をうかがった。

高橋さんは賃貸併用住宅を購入して、もう1年が経過しようとしている。不動産業者から物件を紹介されたとき、こんな物件もあるんだ!と、道が開けたように感じたことを、満足そうに振り返ってくれた。
高橋さんが購入した物件は、東京都下だが都心まで出やすく電車で約30分ほどの立地であり、通勤にも便利な場所である。駐車場や広い庭もあり、駅からも徒歩10分以内なので、便利な生活が送れるだろう。
具体的に、どのような物件を購入したのだろうか。

「価格は約5500万円、1階が自宅で3LDKです。約70㎡ですので、ゆったりと生活できています。2階部分に、4世帯の1Rアパートが付いていまして、こちらの面積も合計約70㎡です。ちょうど建物面積の半分が自宅で、もう半分がアパート、ということになります」
住宅ローンを使って購入する方法もあるか
賃貸併用住宅を購入する際には、住宅ローンが使える。しかし、自宅面積が物件の半分以上あることが前提となるため、そのような物件を探すことが必要になる。例えば2DK×4世帯のアパートを、自分が一部屋使うからと言っても、購入する際には住宅ローンの対象とはならない。
高橋さんの場合、住宅ローンに関して地元の信用金庫や地銀も積極的に取り組みたい姿勢だったが、結局某都市銀行にお願いすることになったとのこと。金利が一番安い提示だったので、これが都市銀行の住宅ローンを選ぶ決め手になったと語ってくれた。
高橋さんの年収で、ローンは問題なく組めたのだろうか。
「はい、年収は額面で約600万円台ですが、5000万円の35年ローンを組むことができました。残りの500万円が自己資金ですね」
返済は大変なのだろうか。
「いえ、2階のアパート部分が稼いでくれますので、固定資産税などは別として、実質タダで住めている状況です」
2階の収支もうかがってみよう。

「2階のアパートは、1部屋大体4万円前半から5万円程度です。大体は満室稼働していまして、毎月18万円程度入金されます。住宅ローンを支払っても、お釣りが残る状況です」
実際に購入してからの生活は?
しかし2階にアパート部分があると1階で暮らす際に、生活音が気にならないのだろうか。
聞くとほとんど気にならない、入居者さんも1階が大家さんと知っているし、日本人の学生さんが大半なので綺麗に使っていただけているという現状で、とくに入退去時のトラブルはないそうだ。
管理はどのようにしているのだろうか。
高橋さんは大手の賃貸仲介会社に客付けだけお願いしてをお願いしており、何か不具合があればリフォーム業者の紹介もしてくれるので、管理会社を入れなくても問題なく運営はできているようだ。
家賃の督促や退去の清掃・リフォームについては、どのような対応をしているのだろうか。
「退去後の清掃を自分でやることもありますし、賃貸会社から紹介された業者さんにお任せすることもあります、とても清潔に使われた方が退去した場合は、自分で清掃してリフォームなしで、そのまま賃貸募集をお願いしています」
賃貸併用住宅を購入して、実際にお住まいになった感想はどうなのか改めてうかがうと
「買って良かった。この一言に尽きます。今まで私は高い家賃を払っていましたし、住まいを買って住宅ローンをずっと背負うのも大変な話だと思っていたのですが、このようなやり方もあると知って本当に良かったですし、買ってからさらにその良さを実感しているところです」

「やはり、アパート部分の収入が入りますから実質タダで住めるのは精神的に楽ですし、給与はそのまま残ります。住宅ローンは、アパートローンよりも有利ですしね」
サラリーマンが賃貸併用住宅に住むデメリットはないのか
そうなると賃貸併用住宅は、メリットしかないように思えてくる。しかしデメリットも当然ある。例えば、アパートのお客さんと同じ建物に住むわけだから、やはり気を遣うこともあるだろう。修繕に関しても、アパート経営の目線で取り組む必要性も出てくる可能性がある。ただ単純に持ち家を持つのと違い、アパート経営をしているという意識に自分を変える必要があると思われる。

他にデメリットはあるのだろうか。
「アパート部分が埋まらないリスクや、管理会社を入れない場合は、アパートのお客さんからの細々としたクレーム処理も、自分でやらないといけません。しかしそのようなデメリットを把握して、処理する方法を自分なりに見つけられるならば、大きなメリットを受けられるのが賃貸併用住宅といえるのかもしれませんね」
賃貸併用住宅は、中古では数が少ないものの一定数がオーナーチェンジで、時折市場に出てくる。
立地にこだわりがある場合は土地から探して、自分で新築を計画するならば賃貸併用住宅経営に関しては、比較的取り組みやすいと言える。
住宅ローンで自宅に住みながら、そのローンを返してくれるアパートが付いている物件は、デメリットもあるが、うまくそれに対応できるのならば、非常に魅力が大きいだろう。
自宅と投資用不動産をこれから買いたい方は、不動産投資におけるひとつの手法として、物件探しをする際に検討しても良さそうだ。
執筆:(ほったあつひろ)







