多摩エリア最大級の乗車人員数を誇るターミナル駅立川駅周辺で開発が相次いでいる。2015年以降、その中心となっているのが多摩モノレール立飛駅。同駅周辺のこれまで、これからの変化をチェックしていこう。
何もなかった立飛駅周辺が8年で大変貌
多摩モノレール立飛駅はJR立川駅と乗り継ぎ可能な同立川北駅から2駅目。駅からは立川駅周辺や官庁エリアなども望め、立川駅からはさほど離れていない場所であることが分かる。
2015年以前には立川市の中心部に約98万平方メートル㎡もの土地を保有する立飛ホールディングスという会社があっただけの立飛駅周辺だが、動き始めて以降は急ピッチで建物が増えている。
最初に誕生したのはららぽーと立川立飛。1階には公園広場があり、道を挟んではフットサルコート、シネマコンプレックスがあるなど、多彩な施設が揃っており、いつもファミリーの姿がある。
ついで作られたのが人工の砂浜と、バーベキュースペースがあり、ビーチスポーツも楽しめる「タチヒビーチ」、3,000人程度の収容能力のある「アリーナ立川立飛」で2017年。
その翌年、2018年には「Fuji赤とんぼ保育園」、「ドーム立川立飛」、2021年には本格的なクラフトビールを製造する立飛麦酒醸造所(立飛ブルワリー)が作られている。ここまででも大型施設がどんどん増えているわけだが、今後もさらに施設は増える。
2023年、2024年にもスポーツ施設が誕生
現在、多摩モノレール沿い、タチヒビーチやFuji赤とんぼ保育園に隣接した土地ではすでに建物の建設が始まっているのが、関東最大級といわれるスケートパーク「ムラサキパーク立川立飛」。
2023年3月に発表された計画では屋内外スケートパークに、大型ムラサキスポーツ店舗を併設する施設になるとのこと。スケートボードを楽しむ人にはもちろん、競技会場としても高いクオリティーを備えた施設になるという。完成予定は2023年7月ともうすぐだ。
もうひとつ、スポーツ施設が計画されている。それがフィギュアスケーターの浅田真央氏の名まえを冠した「MAO RINK PROJECT」。スケートリンクである。
予定地はららぽーとと道を1本挟んだ向かい側で、近くには前述の立飛ブルワリーがある。2023年5月時点ではまだ更地だったが、2024年秋には完成という予定だ。
このスケートリング予定地の向かいではロビンの空クリニックという産婦人科+小児科のクリニックが工事中で、2023年8月にオープン予定。ここまで上げた施設とは毛色が違うものの、地元の人にとってうれしい施設であることは共通する。
2015年からわずか8年ほどで立て続けに大型施設が誕生、人が集まる場所となっている立飛駅周辺だが、その背後には前述の立川の大地主、立飛ホールディングスの地元に資する施設を作ろうという強い意志がある。
立川が目的地となる施設も
地元に喜ばれる施設はイコール地元の価値を上げる施設でもある。その代表格ともいえるのが2020年に立川駅北側、多摩モノレール沿いに誕生したGREEN SPRINGS(グリーンスプリングス)だろう。
これは建物中央にビオトープもある緑の空間、長さ120メートルmものカスケード(階段状の滝)など、これまでの商業施設には見られないような自然が取り入れられた複合施設で、入っている施設はオフィス、店舗、飲食店、ホテルに2500席の大規模ホールなど。
さまざまなメディアでも取り上げられており、わざわざこの施設を目的に都内その他から広く人が集まるようになっており、これによって立川の認知度が一気に上がったといっても過言ではない。こうした施設を作れるだけの資力はもちろん、地域への意識がある企業があること自体が立川のポテンシャルを上げているともいえる。
元々JR中央線、同青梅線、南武線の3路線が乗り入れ、そこに交差するような形で多摩都市モノレールが走っている立川駅周辺は多摩エリアの交通の中心地。駅北口には大規模商業施設や商店街、南口にも商店街のほかは飲食店が多数集まっており、都下有数の賑わいを見せている。
加えて前述のグリーンスプリングスと多摩モノレールを挟んだ反対側には1994年に都市再生機構(当時の住宅・都市整備公団)によって作られたオフィスゾーン・ファーレ立川もあり、さらには広大な昭和記念公園も。
駅の周辺に多数の、多様な施設が集まっている地域といえるわけで、そこにこの8年間でさらに新しい施設が加わってきたのである。立飛駅も含め、周囲を見るとまだまだ利用できそうな土地はある。将来的には多摩モノレールの延伸という話題もある。この地域全体が今後も変化することは間違いといっても良いのではなかろうか。