再開発組合の設立認可まで進行中
東京都心における繁華街の1つ、池袋の線路沿いで再開発が進行中だ。対象地域は、池袋駅の東口を出て徒歩6分のところにある東池袋1丁目地区。
※引用:豊島区
ちょうど線路と首都高が交差しており、駐車場・雑居ビル・マンションなどが建っている場所だ。
駅前通りに面したエリアと比較すると、目立った商業施設や体験施設などがなく、寂しいエリアという印象を受ける。
外見から古くなっているとわかる建物も多い上に、建物の壁面や外に設置されている電気設備などには、落書きされているところも多い。
はっきり言ってしまうと、現状はあまり雰囲気の良くない場所と言えるだろう。
一方で、駅の出口からは徒歩6分と近い上に、目前にある池袋六ツ又陸橋の交差点では、明治通り・春日通り・音羽通りといった都内の幹線道路が交差している。
明治通りは港区の南麻布から渋谷・池袋を経由した後、北区の王子から南千住などを通り過ぎ、南方の新木場付近まで続いている道路だ。
一方で、春日通りは東京スカイツリー付近から池袋までをつなぐ道路で、そのまま北西へと続く川越街道につながっている。
東池袋1丁目再開発の対象地は、交通の便が良く、特に車での移動に便利な場所と言えるだろう。
当該再開発を担うデベロッパーは住友不動産で、住友不動産が発表したプレスリリースによると、同社は地権者および事業協力者として再開発組合に参画するという。なお、再開発組合は2022年7月に設立認可済だ。
開発方針として「池袋の特徴であるアート・カルチャーの発信拠点、国際性豊かなにぎわいのある拠点形成を図る」とされている。
豊島区が公表している事業計画書では、再開発建物の全貌が掲載されており、地下3階・地上33階建ての建物ができるようだ。
※引用:住友不動産
1階には池袋駅周辺を周回している電気バスの「イケバス」が停車する運行拠点が設けられる。対象地の交通利便性を活かした計画と言えるだろう。
※引用:住友不動産
その他フロアの用途としては、地下1階はイベントホール、地上3階と5階が文化体験施設、8階から32階までがオフィスになる。なお、それ以外のフロアは設備室等となっている。
また、再開発建物の建設と併せて、池袋駅から対象敷地までつながっている道路を再整備することも計画されており、約500mの「みどりのプロムナード」がつくられる。
※引用:住友不動産
現状は、古くなった雑居ビルや公衆トイレなどが建ち並んでいるので、再整備されれば駅から対象地に至るまでの印象がかなり変わるだろう。東池袋のイメージアップに期待したいところだ。
北池袋における都市整備の発端となるか
池袋駅の周辺は、東口・西口ともに駅の正面は都市開発・整備が進んでいるが、駅の北側については特に古い建物が多く、雰囲気がかなり違う。
再開発対象地から線路を挟んだ反対側も同じような状況であり、首都高の橋脚などが劣化していることも相まって、一部では通るのをためらうようなエリアもある。
古くなった都市機能更新の波が北池袋にも広がっていくか、今後の展開には要注目だ。
取材・文:
(はたそうへい)