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シェアハウス騒動に見る「ニッチ投資」を狙うときに肝に銘じてほしいこと

岡元公夫さん_画像 第104話

前回の続きです。

今回は、最近大家さん業界のみならず、テレビのニュース番組でも取り上げられているシェアハウスのサブリース賃料不払い問題を題材に、初心者がニッチ投資を狙う時の注意点について解説します。

私は、大家として某大手ハウスメーカーのサブリース物件を引き継いだことがあります。引き継いだ後に、そのハウスメーカーはサブリース賃料の引き下げを申し入れしてきました。それに対し、私は自分からサブリース契約を解約しました。

築10年程度の物件だったので、契約解除後、退去があるごとに室内のクロスや床材の工夫+アルファの空室対策で家賃を1割以上アップすることができました。さらに、原状回復費などを削減できた結果、サブリース契約解除により賃貸収支が悪くなるとごろか良くなりました

サブリースというスキーム自体は使いようで、それ自体が悪いというものではありません。

今話題になっているシェアハウスのサブリース賃料不払い問題は、「 かぼちゃの馬車 」を運営してるスマートデイズのほかにも、複数のトラブルが起きており、一社だけの問題ではありません。

なぜ、近頃のシェアハウスのサブリース賃料不払いが大きな問題になってしまったか、要点をまとめると、以下の3点になります。

1)土地・建物を相場より高い価格で投資家に売却している。
2)近隣の同スペックのシェアハウスと比較して高い想定賃料でサブリースしている。
3)当該物件取得に際し、通常はフルローン・オーバーローンで借入れできないはずなのに、一部の銀行が融資してしまっている。

ひとつずつ解説します。

■ 買値が高すぎるとクローズできない

1)のシェアハウス開発・運営会社が、「 土地・建物を相場より高い価格で投資家に売却している 」についてですが、シェアハウスに限らず、民泊や他の不動産を活用したビジネスモデルでも同じです。

このような、「 利回り 」で売る物件は、初期は利益が出ていても、法制度やマーケットの変化により、そのうち儲からなくなることは、よくあります。

妥当な相場で土地・建物を取得していれば、大損しない価格で売却できて、その案件をクローズすることが可能なのですが、高値で購入していると、それができなくなります。

■ ひとつの付加価値に頼りすぎていないか

2)の「 近隣の同スペックのシェアハウスと比較して、高い想定賃料でサブリースしている 」についてですが、「 かぼちゃの馬車 」のシェアハウスは個室が7u程度で、共用リビングがない物件が多いようです。

大手のシェアハウス入居者募集ポータルサイトの中には、「 入居者同士が十分に交流を育む余地のある屋内の共用設備/スペースが提供されていること 」を掲載基準としているところもあるため、募集が容易ではありません。

「 かぼちゃの馬車 」のシェアハウスの場合、一部の個室をつぶして共用スペースを作る等しないと、サブリース解除後の新入居者募集もままならないということです。シェアハウスとしては、汎用性に欠けているのです。

また、「 かぼちゃの馬車 」は、地方から上京する女性を住まわせ、人材派遣会社に紹介し、その紹介料もサブリース賃料の原資にすることで、同スペックの近隣のシェアハウスよりサブリース賃料を高くできるビジネスモデルとして、投資家に説明されていました。

表面的には理解できるビジネスモデルです。一瞬、実現性が高いようにも勘違いするかもしれません。しかし、事業を検討するにあたっては、どれだけ継続性があるか推し量らなければなりません。

20年以上賃料が下がらないサブリース契約で、サブリースする会社の経営基盤や社会的信用が盤石なら、まだ検討の余地はありますが、今回は違います。

シェアハウスに何らかの付加価値を付けて、近隣相場より高い賃料でサブリースしている場合は、「 その付加価値がなくなった時に、不動産賃貸経営が成り立つか 」を前提に投資したほうが良いでしょう。

■ 金融機関も商売である

3)の融資についてです。当該物件単体としては、担保価値が低く、想定レントロールも相場と乖離しています。普通の銀行の最近の審査基準では、フルローン・オーバーローンでは到底融資できないはずなのに、一部の特定の金融機関が融資を行っています。

私は三井住友銀行で長年融資業務を担当し、お金の貸し手として融資の可否を審査していました。誤解を恐れずにいえば、銀行は民間の営利企業です。ラフに言えば金貸しです。

融資対象物件単体のキャッシュフローで貸した金が回収できなくても、また担保が不足していても、それ以外のサラリーマンとしての給与を合わせれば返済できたり、他に担保物件があったり資産背景がみられれば、お金を貸すことは多々あります。

ビジネスモデルがしっかりしていて、経営者が信用・信頼できれば、無担保で融資することもあります。

今回のシェアハウスのケースですが、数件程度なら調査不足・審査不十分で融資が通ることもあるでしょう。しかし、今回は一企業に対して特定の銀行が、数百件に及ぶ融資を実行してきました。

もしかしたら、その特定の銀行は、最悪そのビジネスモデルが破綻したとしても、借り手を追い込んで勤務先の給料から融資を回収できると考えているのかもしれません。

また、他の銀行より高い金利で融資しているため、ある程度の貸し倒れは、引き当ての想定範囲内と考えているのかもしれません。

■ 他人任せで儲かる話はほぼ怪しい

最後に肝に銘じてもらいたいことをお伝えします。自己資金をほとんど使わず、他人任せにして儲かる話は、ほぼ怪しいと考えてください。

本当に楽して儲かる話なら、わざわざお金をかけて広告を打ったり、セミナーで集客したりしません。自ら銀行からお金を借りて、自ら経営して儲けるでしょう。

不動産投資は、金融商品を買う投資などとは全く別物です。不動産投資をすることは、不動産賃貸業の経営者になることです。

「 30年間借り上げだと説明を受けたから 」「 銀行がお金を貸してくれたから 」と言い訳しても、一般消費者でしたら同情を引きますが、経営者としたらどうでしょう?

不動産投資をする者は、投資家ではなく経営者としての自覚と覚悟をもって不動産賃貸経営にあたらなければならないのです。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 岡元公夫さん

岡元さん

岡元公夫さんのブログ

年はアラフォー。
亡き父と2代続けての元メガバンカー。
銀行員時代は、東証一部上場の大手不動産会社から 個人の大家さんまで、融資主体に幅広く担当。 実家は祖父の代からの小規模ながらの大家さん。

■ 経歴

□2004年
実家の跡を継ぎ、東京城北エリアでマンション・アパート・戸建を取得開始。

□2008年2月
不動産賃貸業の修行の為、不動産開発・運営会社に転職し、プロパティマネジメントの責任者となる。

□2009年10月
不動産収入が年間6千万円ほどになり、デッドクロスもクリアできる目途がついたことから、サラリーマンを卒業。

□2011年
東京エステートバンク株式会社(東京房屋®)を設立。国内・台湾・中国の投資家・会社経営者の方にコンサルティングを行っている。

■ 所有物件

□築35年RCマンション
 1LDK×4戸、2K×8戸

□築20年RCマンション
 1R×10戸

□築13年鉄骨マンション
 2LDK×6戸、2DK×6戸

□築5年木造アパート
 1R×5戸、2DK×2戸

□登記上築52年(実態は新築同様)
 木造戸建 2LDK×1戸

□区分所有マンション 2LDK×1戸
  合計 45戸

□駐車場12台
 バイクガレージ26台

H22/9に築古戸建1戸取得
H23/9に築古戸建1戸取得
現在、料理中

■ 保有資格

・宅地建物取引主任者
・ファイナンシャルプランナー
・その他生損保等金融関連諸々

■ 税理士試験科目合格
 (簿・財・相・固)


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