雨漏りと並んで代表的な中古物件購入時のリスクの一つが「 シロアリ 」です。築古のアパートや戸建てを検討中にシロアリの被害を見つけて、購入を断念したことがある人も多いかもしれません。
私の場合は、シロアリの被害があるというだけで、物件の購入を辞めるということはありません。
基本的には、「 シロアリ被害があることを価格交渉の材料にして低価格で物件を取得し、問題部分の修繕と予防措置を低価格で行うことで利回りをアップする 」という考え方で対応します。
1、物件購入前にシロアリ被害の有無を確認する
私は物件購入時に建物を見学する場合は必ず、「 シロアリ被害はないか? 」という視点で室内を確認するようにしています。
・床に近い部分の柱などにシロアリの被害がないか?
・シロアリ予防駆除の施工痕がないか?
見分け方ですが、シロアリそのものがいなくても、シロアリが活動している場所には、蟻道( ぎどう )という茶色っぽい蟻の通り道があるので素人でも見ただけですぐにわかります。
別の方法としては、室内に露出している柱などの木部を指先でノックするように叩いていくと、シロアリ被害がある箇所は、中身がスカスカになっていて返ってくる音が明らかに違いますから、表面的にはわからない内部の被害をチェックすることができます。
また、その家が過去にシロアリによる被害を受けていた場合、床面に近い部分だけを新しい木材にやり換えている場合があります。過去にシロアリにやられて一部分だけ木材が新しくなっている場合、現在は問題がなくても、またシロアリ被害が発生する確率が高いと考えた方が無難です。
2、物件購入前にシロアリ被害の修繕費用を確認する
私は初回の建物見学の際に、シロアリ被害らしきものを発見した場合は、案内してくださった売買仲介さんへ次のようにお願いするようにしています。
「 前向きに検討したいので、後日改めて室内を見学させてもらえますか? 次回はリフォームの見積りのため、知り合いのリフォーム会社さんにも同行してもらいたいのですが構いませんか? 」
ほとんどの場合、断られることはないはずです。次に、大工さんに「 シロアリ被害の可能性があります 」と伝えて、現場で床下や天井裏など素人がチェックできない部分も見てもらい、大まかな修繕金額を算出してもらいます。
被害の程度にもよりますが、大工さんへ直接依頼すれば、我々が想像するよりも低価格で修繕できることがほとんどです。
私が過去に購入した5世帯のアパートにも、中程度のシロアリ被害( 構造材以外のほとんどの部位に被害が発生 )がありましたが、大工さんへお願いして、1世帯あたり15万円程度、1棟合わせて75万円程度でシロアリの被害にあった部分の木材を全て交換してもらうことができました。
このアパートはシロアリ被害があることもあって、2K×5世帯で150万円という低価格で購入できたため、75万円のコストをシロアリ被害の修繕にかけたとしても充分に「 回る物件 」に仕上げることができました。
☆補足情報
以下の写真は、前に見に行った物件にあった柱部分の「 蟻道 」です。
この物件は無償譲渡のお話しがありましたが、シロアリ被害の修繕に多額のコストがかかるという見積もりが出たため、利回りが合わず、無償譲渡をお引受することをお断りしました。
~ 次回に続く ~