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8%から10%へ消費税増税で大打撃! 大家さんにできる5つの対策

渡邊浩滋さん_画像 第47話

今年、税制で大きく変わるのは消費税。10月から、いよいよ消費税率8%から10%に変わる予定です。住宅の家賃には消費税がかかりません。では、消費税の増税は大家さんには関係ない?

いえいえ。大家さんこそ消費税に大きくかかわるのです。

1.大家さんの消費税増税の影響

受け取る家賃には消費税がかかっていなくても、支払う管理手数料、リフォーム費用、振込手数料にも消費税はかかっているのです。
大家さんの場合と一般事業者の場合で比較してみると・・・



大家さんの場合、消費税増税前と増税後で利益( 所得 )が減っています。これは、家賃収入は非課税で変わらないにもかかわらず、修繕費などの経費に係る消費税が増税になったことによるものです。

一般事業者は違います。消費税増税前も後も利益( 所得 )は変わらないのです。なぜならば、消費税は消費者が払うものだから。影響を受けるのは消費者です。もちろん消費税を売上に転嫁されることが大前提にはなりますが。

住宅用の家賃が非課税であるがゆえに、大家さんが増税の影響を受けてしまうのです。消費税を売上に転嫁する機会を与えられていないのです。

本来であれば、消費税増税を機に、家賃収入を値上げするべきなのでしょう。しかし、値上げなんてしたら、「 便乗値上げだ! 」なんてクレームが来てしまうことも考えられます( 便乗値上げではないのですが・・・ )。

消費税を支払うためとはいえ、その分の家賃を徴収なんてしたら、入居者さんに出ていかれてしまうのでは…、と考えて値上げに躊躇してしまう方が大半ではないでしょうか。

このように、消費税増税分の負担を転嫁できない大家さんにとって、消費税率のアップは大打撃になりうるのです。

2.消費税増税に向けての対策

では、大家さんは消費税増税に向けてどのような対策を取ればよいのでしょうか?

(1)消費税の対象となる賃料は必ず値上げする

駐車場や貸店舗・貸事務所がある場合には、消費税の課税対象になります。10月1日から増税の対象になりますので、駐車場代や賃料に増税した消費税分を上乗せして徴収するようにしましょう。

注意してもらいたいのは、いつから増税分を上乗せするかのタイミングです。

例えば、賃貸借契約書に「 当月分の賃貸料の支払期日を前月末日までとする 」と記載している場合、2019年10月分の家賃は、2019年9月中に受け取ることになります。

9月に受け取ったとしても、10月分の家賃のため、原則10%の税率が適用されることになります。9月前に増税のアナウンスをしておかないとならないのです。

(2)安易に家賃の値下げをしないこと

住宅用の家賃の場合、消費税が転嫁できないため、これまでと同じ家賃を維持することは、利益が少なくなるのと同じです。しかし、なかなか家賃を値上げするのは難しいのが現状です。

そういった意味で、値上げはしなくても、せめて値下げをしない( 現状維持 )努力は大事になってきます。空室期間が長く続くと、家賃を下げたくなりますが、設備をバリューアップするなど、別の方法を考えましょう。

(3)修繕するべきものがある場合には、消費税増税前に行うこと

リフォームや大規模修繕は、金額も大きくなります。その金額分、消費税の負担も大きくなってきます。修繕の予定がある場合には、2019年9月までにしておくことで、消費税増税分の負担を減らすことが可能になります。

修繕などの請負契約の場合、工事完了の引き渡し時点の税率が適用されるのが原則です。大規模修繕は、着工から竣工まで、長期間を要する場合があります。

2019年9月以前に請負業者に依頼しても、完了が10月を過ぎると10%が適用されてしまいます。このような場合でも、経過措置によって8%が適用できる場合があります。

2019年3月31日までに契約した工事( 製造を含む )の請負に係る契約に基づき、2019年10月1日以後に資産の譲渡等を行う場合、その資産の譲渡等は旧税率( 8% )を適用することになっています。

少なくとも請負契約は2019年3月31日までに行うと安心です。

(4)少額減価償却資産の購入は税込金額を意識すること

青色申告者であれば、一つの取得価額が30万円未満の減価償却資産については、少額減価償却資産として、購入して事業の用に供した年に全額必要経費にすることができます( 総額300万円まで。2020年3月31日までの適用期間 )。

税込みで30万円を超えるが、税抜きにすると30万円未満となる場合には、消費税の経理方法によって異なります。

税込み経理なら、税込みで30万円未満になるものが対象。経理が税抜き経理なら、税抜きで30万円未満になるものが対象になります。

ただし、消費税の免税事業者は、税込経理しか認められていません。大家さんの場合、免税事業者であることが多いため、税込30万円未満である必要があります。

消費税増税前と後では対象金額が異なりますので気をつけましょう。

・消費税8%の場合 税抜き金額277,777円以下が対象
・消費税10%の場合 税抜き金額272,727円以下が対象

(5)消費税の課税事業者が不動産の売却を考えているのであれば、建物代金の消費税を上げるか、増税前までに売却すること

住宅用のアパートであっても、建物の売却代金は、消費税の課税取引に該当します。アパートなどの売却の場合、土地建物一括の売買金額を決めることが多いです。

例えば、土地建物合計の売買代金が1億円の場合、消費税増税前でも後でも1億円という金額が変わらないことが多いです。

建物金額に消費税がかかるため、消費税の課税事業者が、このような売却をすると、消費税を多く納めて、手取りが少なくなることがあります。

建物代金の消費税分を考えて、売買代金に増税分を上乗せするか、売買金額を変えずに増税前に売却するかの対応をされるとよいと思います。

消費税を支払う段階になって気づいても、間に合わないことも多くあります。消費税増税が大家さんに影響があることを認識し、事前の対策を打っていくことで、可能な限り負担を少なくしていきましょう。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 渡邊浩滋(わたなべこうじ)さん

渡辺税理士

税理士・司法書士・大家
渡邊浩滋総合事務所代表

サイト「大家さんの知恵袋」

■ 経歴

大学在学中に司法書士試験に合格

大学卒業後総合商社に入社。法務部にて契約管理、担保管理、債権回収などを担当

商社を退職後、税理士試験に合格
その頃、実家のアパート経営(5棟、全86室)が危機的状況であることが発覚。 経営を立て直すために自ら経営を引き継ぎ、危機的状況から脱出する

資産税専門の税理士法人に勤務した後、2011年12月、独立開業

税理士の視点と大家の視点からアパート経営を支援するために活動し、税理士・司法書士のワンストップサービスを提供している

2011年、「行動する大家さんの会」を設立

2013年、「一般社団法人 大家さんの道しるべ」代表理事就任

資格専門学校の講師、賃貸住宅フェアでの講演、セミナー講師等、幅広い分野で活躍中

2017年からは日本全国の大家さんを救うべく、フランチャイズ展開を開始。
同じ志を持つ税理士を求めている。

■ 主な著書


大家さん税理士による 大家さんのための節税の教科書(ぱる出版)


大家さんのための超簡単!青色申告(クリエイティブ ワークステーション)


「税理士」不要時代(経営者新書)


税理士大家さん流 キャッシュが激増する無敵の経営 (ぱる出版)

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