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大家の知らないマイナンバーの使い方、使われ方【その1】

渡邊浩滋さん_画像 第6話

1.マイナンバーって何?

最近、新聞や雑誌などでも話題になっているマイナンバー制度。平成27年10月より住民票の住所に通知カードが送付され、平成28年から運用が開始されます。

間近にせまったマイナンバー。みなさんはマイナンバーがどんなものかご存知でしょうか? 大家さんにとってどのような影響があるのでしょうか? 今回は、マイナンバー制度とは何か? どんな目的で作られるものか解説していきます。

(1)マイナンバーとは?

日本国内の全住民一人一人に12桁の番号を通知し、社会保障、税、災害対策などの分野で効率的に情報を管理し、活用されるものです。

今までは、税務署や社会保険事務所など行政ごとに、個人情報が管理されていましたが、これをマイナンバーという一つの番号で管理をすることを目的としています。

(2)なぜマイナンバー制度を作ったの?

住民基本台帳ネットワークシステム( 住基ネット )が構築されてから10年余り。そんなに期間が経っていないうちになぜマイナンバーという制度を新たに作る必要があったのでしょうか?

それには3つの理由があります。

@ 年金記録問題

2007年、社会保険庁の年金の記録の管理がずさんなことから、持ち主が不明な年金が5,000万件あることが発覚しました。その後の調査などで持ち主が判明したものもありますが、2014年時点で、2,000万件が行方不明のままになっています。

その原因のひとつは、年金記録を紙で行っていたこと。すでにボロボロになってしまった紙では、記録の内容が解読できなくなってしまっています。管理するにはデータで、かつ、一生変わらない番号での管理をする必要があるのです。

住基ネットは、市町村ごとで管理するため、住所が変わると、番号が変わってしまいます。それでは、年金の管理ができないのです。ちなみに、マイナンバー制度を最初に提案したのは、年金問題に切り込んだ、民主党です。

A 生活保護の不正受給問題

生活保護とは、生活が困窮する方に対して、最低限の生活が送れるようにするための支給制度です。要件にあてはまらないと支給が受けられないのは当然ですが、収入や貯蓄がないと偽装して不正受給する方が後を絶ちません。

その原因のひとつに、生活保護の要件の審査にあります。収入があるのか、貯蓄があるのかを調べるにあたって、調査に限界があるのです。不正受給をさせないためにも、その人の収入や資産が役所間で共有、調査できるような仕組みが必要になります。

B 震災時の身元確認

震災時に、被災者に支援金を給付しようとしても身元確認手段がなく、金融機関の作業に支障が生じてしまいました。マインバーを通じて本人確認ができればスムーズに災害支援ができることになります。

このような経緯から、マイナンバーは、当面は「 社会保障 」、「 税 」、「 災害 」の分野のみに利用が限定されています。

2、マイナンバーのメリット・デメリット

(1)メリット

最大のメリットは、税金の負担を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止することで、本当に困っている方にきめ細かな支援を行えるようになるということです。

具体的には、確定申告書、源泉徴収票、支払調書などにマイナンバーを記すことで、所得の漏れがないように突合できるようになります。

正しく税金の申告をされている方にとっては、公正・公平な社会が実現できることになるのでしょう。また、目に見えるメリットとしては、役所に対する各種手続きが簡素化されることもあげられます。

具体的には、新たに用いられる以下のような仕組みを使い、様々な手続を省略できるようになります。

@ 番号通知カード

平成28年1月から希望者に無料で個人番号カードが交付されます( 住基カードの発行は原則有料 )。このカードは、本人確認書類として利用できます。また、住民票の写し、印鑑登録証明書のコンビニ交付サービスが利用可能になります。

A マイナポータル

平成29年1月から利用が予定されている個人のポータルサイトのようなもので、行政機関がマイナンバーをどのように利用したかを確認できます。

引っ越しがあった場合に、電気、ガス、水道の連絡などが、ワンストップで行えること、納税などの決裁をキャッシュレスで電子的に行うサービスが予定されています。

B 添付書類の省略

確定申告などに添付する源泉徴収票や住民票を省略したり、医療費控除を受けるための医療費の領収書を不要にすることが可能になる予定です。

(2)デメリット

一番のデメリットは、マイナンバーの管理の問題です。個人情報がつまったマインバーが、安全に管理されるのかどうかということです。

大小問わず、一般の企業や事業主が、従業員や取引先のマイナンバーを取り扱うことになります。当然、情報漏えいの危険があります。重い罰則規定が設けられていますが、果たしてそれだけで防げるのでしょうか。

他人の個人情報を手にすることで、簡単に「 なりすまし 」ができることになります。番号管理をしているアメリカや韓国では、番号流失による「 なりすまし 」による事件が多発しています。

企業や事業主にとっても、情報管理を徹底しなければならず、その事務負担が非常に重くなっています。

他には、個人の情報や財産を国に管理されることの感情の問題があります。不正防止のためとは言え、不正を働くのではないかという目で監視されるのは、嫌な気分になります。

そもそも、性悪説に立った仕組みが国民に受け入れられるのでしょうか・・・。次回に続きます。


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プロフィール

■ 渡邊浩滋(わたなべこうじ)さん

渡辺税理士

税理士・司法書士・大家
渡邊浩滋総合事務所代表

サイト「大家さんの知恵袋」

■ 経歴

大学在学中に司法書士試験に合格

大学卒業後総合商社に入社。法務部にて契約管理、担保管理、債権回収などを担当

商社を退職後、税理士試験に合格
その頃、実家のアパート経営(5棟、全86室)が危機的状況であることが発覚。 経営を立て直すために自ら経営を引き継ぎ、危機的状況から脱出する

資産税専門の税理士法人に勤務した後、2011年12月、独立開業

税理士の視点と大家の視点からアパート経営を支援するために活動し、税理士・司法書士のワンストップサービスを提供している

2011年、「行動する大家さんの会」を設立

2013年、「一般社団法人 大家さんの道しるべ」代表理事就任

資格専門学校の講師、賃貸住宅フェアでの講演、セミナー講師等、幅広い分野で活躍中

2017年からは日本全国の大家さんを救うべく、フランチャイズ展開を開始。
同じ志を持つ税理士を求めている。

■ 主な著書


大家さん税理士による 大家さんのための節税の教科書(ぱる出版)


大家さんのための超簡単!青色申告(クリエイティブ ワークステーション)


「税理士」不要時代(経営者新書)

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