好アクセスが魅力の人気エリア、
JR西宮駅南西地区を大刷新へ
東急不動産、卸売事業者などの地元地権者で結成した「JR西宮駅南西地区市街地再開発組合」は、兵庫県西宮市のJR西宮駅南西側にある西宮市卸売市場の再開発に着手している。
西宮市といえば、阪神タイガースの本拠地である阪神甲子園球場や、日本最大級の商業施設である阪急西宮ガーデンズなどがあり、関西圏の住みたいまちのランキングでも常に上位に名を連ねるまちだ。
今回の再開発エリアであるJR 西宮駅南西地区は、居住地として評判が良い西宮市の中心。JR大阪駅まで快速で約12分、JR三ノ宮駅まで快速で約15分と、関西の二大ターミナル駅へのアクセスも良好な利便性の高いエリアだ。
市場、商業施設、タワマン…
総事業費は200億円超え
JR 西宮駅南西地区の大半は西宮市卸売市場が占めているが、開設から70年以上が経ち、施設全体が老朽化。建物の不燃化・耐震化への対応が十分ではなく、市場の再整備が火急の課題となっていた。
一時は卸売市場の臨海部への移転計画が検討されたものの、卸売事業者が何度も反対し頓挫。最終的には現地に市場を残すプランで落ち着いた。
およそ1.5haの敷地は、卸売市場と駐車場で構成する「A街区」(卸売市場地区)、商業施設を建設する「B街区」(沿道施設地区)、タワーマンションを中心とする「C街区」(複合施設地区)に三分割。総事業費約216億円とされる大規模開発が行われる予定だ。
市場の解体工事は2021年11月から
全街区の竣工は2027年春予定
リニューアル後の卸売市場は民営化され、大きな屋根の下に取引場が広がる構造へと生まれ変わる。“西宮の台所”として食の流通拠点としての機能を果たすとともに、市場が休場する日曜日を中心にファーマーズマーケットなどのイベントを企画していくという。
また、新たに建設されるタワーマンションの低層階と国道2号線に面した敷地に、計2,000㎡の低層商業施設が建設される。タワーマンションは今のところ地上35階建て、総戸数350戸になる模様。阪神間で久々に登場する超高層マンションとあって、高いニーズが見込めそうだ。
卸売市場の解体工事は2021年11月から開始。まずは2022年6月に卸売市場地区の「A街区」から着工し、2023年8月下旬に竣工予定。それから「B街区」、「C街区」の工事を着手していき、全街区が竣工を迎えるのは2027年4月予定となっている。
人口増・経済効果に期待大
可能性広がる駅前プロジェクト
阪急西宮ガーデンズとの直結でにぎわう阪急西宮北口駅周辺と比べると、暮らしやすく好立地でありながらややインパクトに欠けるJR西宮駅周辺。西宮市卸売市場の再整備をはじめとするこのプロジェクトは、地域をアピールすることにおいても絶好のチャンスとなる。
全国から良質な農産物が集まるという強みを活かしたイベントや、マンション・商業施設の建設に伴う人口の増加や購買の促進などにより、新たな経済効果・経済循環が生まれ、地域一帯のにぎわいもさらに増していくはずだ。
規模感や立地、未来構想などを踏まえると、まだまだ伸びしろがある、今後が楽しみなエリアと言えるだろう。
健美家編集部