開発事業に選定されたのは
オリックス不動産中心のコンソーシアム
2022年8月下旬、神戸市が公募していた「神戸市役所本庁舎2号館再整備事業」の開発事業者が選定された。
選定されたのは、オリックス不動産株式会社を代表企業とする共同事業グループ。構成企業としては、阪急阪神不動産株式会社、関電不動産開発株式会社、大和ハウス工業株式会社、芙蓉総合リース株式会社、株式会社竹中工務店、安田不動産株式会社が名を連ねている。
この事業は、建築から60年以上が経ち、老朽化が進んでいる神戸市役所本庁舎2号館について、民間事業者の優れたノウハウを活用し、建て替えを行うというもの。
新庁舎としての機能を再整備するだけでなく、神戸のターミナル駅である「三宮」駅とウォーターフロントエリアの中間地点としてにぎわいを生み出し、国内外からの集客・交流をより促進させる民間機能を備えた施設も整えるという。
市庁舎や市民利用空間のほか、
商業施設やオフィス、高級ホテルも一体に
オリックス不動産を中心とする共同事業グループの開発コンセプトは、「Connect Pier KOBE」。
港町神戸のふ頭(Pier)が海に向かって延びていくように、都心のにぎわいや回遊を周辺に拡張しながら、世界、社会、地域とのつながり(Connect)を生み出し、「神戸の未来をけん引する交流・創造拠点づくり」に取り組んでいくという意味が込められている。
この事業の最大の特徴は、官民連携の大型複合施設であるということだ。
行政機能としては、地下1階~地上5階に市庁舎を配置するほか、1階には市民利用空間も設ける予定。フラワーロードに面した屋内型吹き抜けの開放的な交流空間として活用され、様々なイベントなども開催されるはずだ。
民間機能としては、地下1階~地上2階に商業施設、6~14階にオフィス、8階の一部と16~24階にラグジュアリーホテルを計画中。今のところ入居する商業施設やテナント、企業やホテルは未定だが、いずれにしても認知度が高いインターナショナルなブランドを誘致することが予想される。
神戸都心の再整備計画の一つとして
2029年の開業を目指す
今後のスケジュールとしては、2022年12月頃に事業契約を締結し、2022年~2024年に基本設計や実施設計を進めていく予定。着工は2025年、竣工は2028年、開業は2029年の見通しとなっている。
2015年の三宮周辺の再整備基本構想、2018年の神戸三宮「えきまち空間」基本計画を基に、神戸市は民間と連携しつつ、にぎわいや観光、生活や交通などを軸とした神戸都心の再整備計画を進行中。2029年にはJR三ノ宮駅新駅ビル開発計画の実現を目指すなど、神戸のまちは新たに生まれ変わりつつある。
そうした再開発の一環として計画されている「神戸市役所本庁舎2号館再整備事業」。神戸の未来をけん引する再開発の一つとして、引き続き注視していきたいところだ。
健美家編集部