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沖縄の新たな集客スポットになるか、マリンタウンMICEエリア形成に向けた取り組みの経過は

都市計画・再開発(地域情報)/福岡/九州・沖縄 ニュース

2025/08/19 配信

沖縄マリンタウンMICEエリアの完成イメージ図
沖縄マリンタウンMICEエリアの完成イメージ図。2018年に作成されたものなので、今後変更となることもありそうだ。

※引用:沖縄県

エリア形成の目的

沖縄県本島の南部に位置する与那原町で「マリンタウンMICEエリア」の形成に向けた検討が進んでいる。

与那原町は那覇市の東に位置しており、中城湾(なかぐすくわん)に面したエリアだ。

沖縄マリンタウン・MICEエリアの位置図
赤い網掛けのかかっている場所が計画の対象エリアだ。

※引用:沖縄県

当該取り組みはアフターコロナの時期に始まったため、当時は経済活性化のきっかけ作りなども目的の1つとして掲げられていたが、2025年時点では状況が変わってきている。

現状考えられる主な目的は3つある。1つ目は、観光業に依存する経済構造から脱却することだ。

MICE施設を設けて様々な産業・企業を呼び込むことにより、ビジネス・交流型経済への転換を図る狙いがある。経済の底上げとともに、雇用喚起も促す考えだ。

那覇空港の様子
那覇空港の様子。那覇空港の乗降客数は2024年度に2,164万7,325人となり、過去最高を更新した。増えたのは主に国内線の乗降客数であり、国際線の乗降客数はピーク時の約8割にとどまっているという。

2つ目の目的は、東アジア圏と本州とを結ぶ、アジアにおけるMICEハブとしての地位を確立することだ。

3つ目の目的は、人材育成や産業創出の機会を通じて、地元への長期的な利益還元を図ることとされている。

サウンディング調査・パブコメ募集の結果

2025年夏時点における検討経過としては、調査検討にまつわる業務のパートナー企業が選定されているほか、民間企業に対するサウンディング調査と、地元住民からのパブコメ募集までが実施されたところだ。

民間企業に対するサウンディング調査では、一例として以下のような意見が寄せられている。

  • MICE施設とホテルの組み合わせだけでは、催事の開催有無によって訪問者数のバラつきがあるため、日常的な賑わいを作りにくい。
  • イベント閑散期に加えて夜間も人が集まらないエリアになってしまうため、大きな複合施設を一つ作るよりは、テーマごとにエリア分散を図り、訪問者が回遊できる街づくりを進めることが望ましい。
  • 地元住民と観光客の双方が利用できる施設とするため、エリアを楽しむための飲食施設が重要。

当初は大きな複合型MICE施設を作ることが想定されていたが、サウンディング調査の結果、広域的なエリアを対象として、日常的に人が集まるエリアを作っていくことが望ましいとされている。

沖縄マリンタウンMICEエリア整備計画
計画が持ち上がった当初に想定されていたゾーン配置図。H3とラベリングされているエリアがビジネスゾーンとなっているが、あまり広くはない。また、集客系の施設については、公園内にある売店エリアのようなイメージになっている。

※引用:沖縄県

例えば東京都内でも、高輪ゲートウェイや日本橋など複数のエリアで大型のMICE施設を作る動きはあるが、いずれも商業施設などがセットになっており、日常的に人が集まるような仕掛けができていると言える。

デベロッパーなど民間事業者の目線で見ると、集客力が限定的になるMICE施設単独でのまちづくりは難しいということだろう。

つづいて、パブコメ募集の際には、一例として以下のような意見が集まっている。

  • 那覇空港や那覇市内中心部からの動線として、モノレールの延伸が必要。
  • モノレールの延伸と合わせて駅ビルの開発を図るべき。
  • 将来的に施設拡張も可能な設計とすることが望ましい。

空港や那覇市中心部からのアクセスについては、LRTの敷設についても意見が出ている。

那覇市は2024年にLRTの整備計画素案を公表しており、MICEエリアの整備が実現の追い風となる可能性もあるだろう。

なお、2025年時点では与那原町にはモノレールが通っていないため、駅ビルなどはないが、アクセスの確保に伴い駅ビルの開発もするべきではという意見も出ているところだ。

サウンディング調査もパブコメも、限定的なエリアの開発ではなく、付随する都市開発を促すような意見が出ているように見える。

最終的な全体像が見えてくるのはまだ先となりそうだが、規模の大きな開発になる可能性もあり、今後の展開が待たれるところだ。

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取材・文:秦創平(はたそうへい)

秦創平

■ 主な経歴

フリーランスライター。
不動産業界歴約12年を経て2019年からフリーランスのwebライターとして活動を開始。営業マン時代にはセミナー講師の経験も多数あり。
国内・海外を問わず不動産投資に関する記事が専門で、現在では毎月数十本単位の記事を執筆中。特にデータを用いた市場分析が得意で、海外マーケットに関するリサーチ記事の執筆も多数請け負っている。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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