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移住先として人気の新潟県・三条市で進む地場産業活性化の取り組み。将来性は?

都市計画・再開発(地域情報)/金沢/北信越 ニュース

2023/11/30 配信

燕三条地場産業

新潟県・三条市は、金属加工業の集積地として国内外に知られる。

近年、「燕三条ブランド」として地場産業の活性化の取り組みが進んでおり、地場産業を次世代へ引き継ぐための移住支援も手厚い。移住サイトの人気ランキングで全国上位にも食い込む人気をみせており、地方都市の中では将来的にも期待できる地域といえる。

三条市の移住人気の背景と、地場産業活性化の取り組みについてまとめた。

■ 移住サイト人気ランキング上位に食い込む新潟県三条市の魅力

出典:【移住定住支援サイト】三条で暮らす。三条市公式HP
出典:【移住定住支援サイト】三条で暮らす。三条市公式HP

新潟県三条市は、近年、移住人気の高い地方都市である。移住サイト「SMOUT」2023年度上半期人気ランキングでは、10位にランクインした。2021年度には1位になっている。

この移住人気ランキングは、移住スカウトサービスの登録ユーザーが、興味を示したプロジェクトをランキングしたものだ。移住希望者の興味をひくような魅力あるプロジェクトをどれだけ策定し、発信しているかという自治体の姿勢が問われる。上位に食い込んでいるということは、自治体が移住者を受け入れることに力を入れている証拠といえる。

だが、じっさいに移住者が興味をひくような土壌が三条市にはある。それは、三条市がかねてからモノづくりなどの地場産業が発達した商業都市という側面を持っているということだ。

地方で働くというと、観光業や農業という分野に限定されがちであり、収入源を確保しなければならない若い世代にとって、障害になってしまう。しかし、こうしたモノづくりの仕事やその周辺産業に従事しながら、自然環境豊かな地方に住むことができるというのが、他の地方都市にはない三条市の魅力だろう。

■ 三条市の地場産業の現況と活性化の取り組み

燕三条ブランド
燕三条ブランド

三条市には、地場産業である金属加工業を中心に、卸売業、サービス業、医業、金融業などさまざまな求人があり、2023年7月の有効求人倍率は、1.64倍であるという。

その中心である金属加工業は、江戸時代初期にルーツがある。現代では金属洋食器が著名であるが、三条地域の和釘鍛冶に始まり、銅器やキセルなどの金属加工にまで手を広げ、燕地域では洋食器にまで応用するようになった。現在は、国内金属洋食器のシェア90%を誇る。

近年は、燕市と協力して「燕三条ブランド」の確立に取り組んでいる。2009年に、「燕三条」ブランドを立ち上げ、翌年には、三条市と燕市、新潟県、地元の商工会議所が出資して、公益財団法人・燕三条地場産業振興センターを開設した。ブランドの確立・発信のみならず、「燕三条ブランド」の金属加工業に関係する情報や技術を集積しており、地場産業の多面的な支援をおこなっている。

特許の取得支援や新技術の開発支援、受注マッチング、海外展開支援まで、あらゆるサポートをおこなう。至れり尽くせりで、地場産業向けの総合経営コンサルティング会社のようなきめ細やかさだ。

2013年からは、「燕三条 工場の祭典」を毎年開催し、「燕三条ブランド」を次世代へつなぐ取り組みも本格化している。このイベントは、燕三条地域の名だたる工場が、開催期間中、一斉に工場を開放し、訪れた方々に工場でのものづくりを体感してもらうというものだ。

まさに、現場で生きた体験をしてもらうことで、モノづくりの仕事そのものを知り、金属加工業に若者を呼び込もうという趣旨である。

JREローカルハブ燕三条
JREローカルハブ燕三条

そして、今年2月には、JR燕三条駅に「JRELocalHub燕三条」が開業した。上越新幹線と在来線2線が乗り入れ交通利便性の高い燕三条駅に「燕三条ブランド」の情報や発信機能を集約させることで、地場産業と国内外企業とのマッチング拠点としたい考えだ。

この取り組みには、JR東日本が参画しており、9月には東京駅で「JRELocalHub燕三条」の出張イベントも開催されている。「燕三条ブランド」を次世代に引き継ぎ、さらに国内外へと展開する地場産業に支えられた三条市の将来は明るいのではないだろうか。

取材・文:佐藤永一郎(さとうえいいちろう)

佐藤永一郎

FP不動産投資よろず相談所

■ 主な経歴

筑波大学大学院修了。新潟大学大学院博士後期課程在籍。2級FP技能士。会計事務所で約10年、中小企業、不動産オーナーの節税コンサルティングや融資サポートなどに携わる。スタートアップのCFO、監査役などを経て、築古戸建ての不動産投資家として独立。不動産投資のコンサルオフィス「FP不動産投資よろず相談所(https://fprealestateoffice.jp/)」を運営している。不動産投資や税金をテーマとした執筆活動もおこなう。大学院にて所得税制を研究中。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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