
※引用:イオンモール
イオンモールの新規店舗は
2023年春に開店予定
イオンモール株式会社は、2022年1月28日に神奈川県平塚市のツインシティ大神地区にて「(仮称)平塚プロジェクト」を進めており、2023年春の開業を目指すと発表した。
敷地面積はかなり大きく約13.1ヘクタールで、駐車場も約3,300台分を予定しているとのこと。
規模的には平塚・茅ヶ崎を中心とした湘南エリア及び北の厚木・海老名あたりからの集客も見込めそうだ。
計画地を中心とすると、5km圏内に平塚市・茅ヶ崎市の他に海老名市が入っており、10km圏内には厚木市・伊勢原市・藤沢市などが入っている。
約3,300台という駐車場の台数は、これらの市からの集客を意識したものと言えるだろう。
イオンモールの他にも
三井不動産などを誘致
この新店舗は、神奈川県や平塚市が土地区画整理事業として進めている「ツインシティ大神」の敷地内に建てられる。

※引用:平塚市
ツインシティとは、相模川を挟んで大神地区と倉見地区の土地区画整理事業を進めるという計画であり、大神地区はJR平塚駅及び東海道新幹線の北側に位置するエリアだ。
大神の北側は厚木市に接しており、エリア内のほとんどは元々田畑だった。
大神の方では約68.8ヘクタールの敷地を主に商業・産業・住宅用に造成し、企業誘致を図ることで都市の活性化につなげる計画だ。

産業用地の利用者は既に決まっており、三井不動産・大和ハウス工業・日本GLP(物流会社)・信濃運輸が選出されている。工事は2015年から始まっており、2029年度に完了する予定だ。
なお、大神地区の計画人口は、就業人口が約6,000人・居住人口が約3,300人となっている。就業人口は特に多く、大神周辺での雇用及び賃貸需要を喚起することが期待できるだろう。
そのほか開発計画の中で目を引くのは、大神地区と倉見地区との間に新たな橋をかけることだ。
東海道新幹線の線路を挟んで南北に2本の橋があるが、2つの橋は南北に4km弱離れており、どちらも1車線しかない。
周辺は車での移動に少々不便なエリアであり、周辺エリアの住民にとって橋の新設は歓迎すべき事態だろう。
倉見地区では東海道新幹線の
新駅誘致が進行中
一方、倉見地区の方では土地区画整理事業は新駅の誘致に紐づいており、具体的な工事などの動きはまだ出ていない。
倉見地区で計画されている新駅の誘致は2つあり、1つ目は東海道新幹線の新駅誘致・2つ目は相鉄いずみ野線の延伸だ。

※引用:神奈川県
東海道新幹線の新横浜〜小田原間は約51.2kmであり、これは東海道線新幹線の中でも2番目に長い駅間距離となっている。
倉見地区はその中間に位置していることから、東海道新幹線の新駅を設けることで、湘南エリアの住民がより新幹線にアクセスしやすくなるというのが新駅誘致のコンセプトだ。
新駅誘致が実現すれば、現存するJR相模線倉見駅との接続が可能となる見込み。相模線は茅ヶ崎から橋本までをつなぐ路線だ。
JRとの協議は既に進んでおり、JRはリニア新幹線の完成によって東海道新幹線のダイヤに余裕ができれば実現の可能性が高まると回答している。
現在計画されている土地区画整理事業の内容は、新幹線の新駅を中心として商業エリアや交通網を整備するというものなので、リニア新幹線の完成見込みに左右されるとも言えるだろう。
2つ目の新駅誘致計画は、現在湘南台駅が終点となっている相鉄いずみ野線の延伸だ。

※引用:神奈川県
こちらは湘南台駅の西側に2つの駅を新たに設けるとともに、路線を倉見駅まで延伸するというもの。
しかし、神奈川県のホームページを見ると、2012年に検討会が開かれて以降、その後の具体的な動きがない。
一方で、国土交通省に設置されている交通政策審議会では、2030年を目標年次とする「地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクト」に、相鉄いずみ野線の延伸を選出している。
解決すべき課題は残っているとされているが、今後の進展に期待したい。
倉見地区の方は具体的な目途が立っておらず、今後の動きは流動的だが、大神地区の方は既に完成が見えている。平塚周辺における今後の変化に要注目だ。
取材・文:
(はたそうへい)