再開発目覚ましい横浜中心エリアで新施設が続々誕生
横浜市は神奈川県の県庁所在地であり、人口約377万人のまち。東側は海に面し、港湾、工業、物流施設が集積する、京浜工業地帯の一角として知られている。一方、「みなとみらい21」や中華街・山下公園、元町、横浜駅周辺など観光エリアが多く、年間2500万人以上が訪れる観光都市でもある。
市の中心駅は西区にある横浜駅。JR4路線、私鉄4路線、市営地下鉄1路線が乗入れる大規模ターミナル駅で、その周辺には大規模商用施設やオフィスビルが建ち並ぶ。
ここ数年は再開発事業も積極的に進められており、2019年12月には横浜駅西口の中欧自由通路と同口地下街「相鉄ジョイナス」を結ぶ新通路が開通し、快適な移動空間が完成。2020年には複合商業施設「JR横浜タワー」が完成し、2023年には中央西口駅前広場の整備が完了した。
駅北側の鶴屋町地区でも2020年に「JR横浜鶴屋町ビル」が誕生し、港側のみなとみらい21エリアではオフィスや商業、ホテルなどがいくつも開発され、ここ数年でエリアの景観は大きく変わった。
今年春にも、新たな施設がいくつも完成を迎える。そのひとつが、JR横浜タワーとJR横浜鶴屋町ビルの間に建ち、ペデストリアンデッキで横浜駅と直結する「THE YOKOHAMA FRONT(ザ ヨコハマ フロント)」だ。
低層階には飲食店や多言語に対応する診療体制を有するクリニックモールなど、中層階以上にはホテル型の宿泊施設(部屋数221室、うちサービスアパートメント52室)や総戸数459戸のレジデンス、最上部にはホール、ラウンジ、オフィス、飲食機能からなるグローバルスカイコモンズを配置した。3月に竣工予定で、グローバル企業の誘致につながる職住近接の環境を提供するのが狙いだ。
横浜駅とみなとみらい駅の間となる、新高島駅の近くで同じく3月に竣工予定なのが「横浜シンフォステージ(YOKOHAMA SYMPOSTAGE)」だ。
同施設はウエストタワー(高さ約158m、地上30階・地下1階)、イーストタワー(高さ約90m地上16階・地下1階)の2棟構成で、ともに低層階には駐車場や店舗が入り中層階は全体共用スペースやオフィス、前者の高層階にはホテルが入居する。
また、低層部には事業に参画するヤマハのブランド発信拠点も整備。各種イベントや屋外ワークスペースなどの利用を想定したコモンスペースもあり、にぎわいの創出にひと役買いそうだ。BCP対策として高性能制振装置を採用し、帰宅困難者の一時待機スペースといった災害機能も兼ね備える。みなとみらい21地区の新たな集客スポットとして、注目を集めるだろう。
新開業するアリーナではこけら落とし公演も
2024年4月に開業予定なのが、横浜文化体育館の再整備事業として建築が進められてきた「横浜BUNTAI(ぶんたい)」だ。最寄り駅はJRや横浜市営地下鉄が乗り入れる関内駅や伊勢崎長者町駅となる。
同施設は地上3階で面積2536.3㎡、観客席数約5000席のメインアリーナを備え、バレーボール2面、バスケットボール2面、卓球20面、バドミントン14面などを用意することが可能。体育館も併設する。4月6日・7日にはこけら落とし公演として横浜出身のアーティストである、ゆずの公演が控えている。隣接地には7階建て116室のホテルも新規開業する予定だ。
今春だけでも、これだけの施設が新たに開業する横浜中心エリア。今後も横浜市役所旧庁舎跡地、同街区に隣接する「関内駅湊町地区第一種市街地再開発事業」など、みなとみらい21地区に隣接する北仲地区でも大規模複合施設2棟の建設が始まっている。さらなる発展が期待でき、近隣は言うまでもなく、沿線の住宅環境にも大きな影響を与えるに違いない。
健美家編集部(協力:
(おしょうだにしげはる))