2024年3月の
完成を目指す
三菱地所は東京のベイエリアとなる晴海で新たな複合施設の開発を進めている。
開発エリアは、晴海エリアでも一際目を引くオフィスビルとなっている、晴海トリトンスクエアに隣接する晴海三丁目だ。
晴海トリトンスクエアから見ると、道路を挟んで反対側の地区となる。
※引用:三菱地所
また、東京オリンピックの選手村となっていたHARUMI FLAGから見ると、北東側ということになる。
建設地は晴海通りという大通りに面しており、晴海通りは勝どき・築地エリア及び豊洲・有明方面に通じている。東京の内陸側から見てもアクセスが良い。
晴海そのものに電車は通っていないが、建設地は都営大江戸線の勝どき駅から徒歩6分のエリアだ。
新たに建設される建物はオフィス棟とホテル棟の2棟に分かれており、オフィス棟は地下2階・地上20階でホテル棟は地上12階建ての予定。
延床面積はオフィス棟が44,000㎡で、ホテル棟が8,000㎡となっている。
なお、建物用途としてはオフィス・ホテルのほかにも商業施設が入っており、スーパーマーケットなどが入ると予測される。
晴海トリトンスクエアが33階建てなので、比較すると新たな施設の建物規模は見劣りするが、晴海地区に建っている他のオフィスビルはそれほど規模が大きくない。
今回の建物が完成すれば、晴海エリアでは晴海トリトンスクエアと並ぶシンボリックな複合施設になるだろう。
大林組のウェブサイトによると、晴海トリトンスクエアだけで就業人口は約2万人とのこと。
※参照:大林組
リモートワークが広がっている現在では、トリトンスクエアの就業人口も減っている可能性はあるが、新たな複合施設が完成すれば、さらに何千人かの就業人口が増えることも予測される。
開発中建物の工期は2021年6月からで、2024年3月に竣工する予定。
HARUMI FLAGの分譲と
重なって人が大きく増える見通し
三菱地所は現在開発中のエリアで、2019年にCLT PARK HARUMIという施設を作っていた。
CLT PARK HARUMIのパビリオン棟外観。隈研吾建築都市設計事務所がデザイン監修に入っており、奇抜なデザインとなっていた。
※引用:三菱地所
これは岡山県真庭市のCLTという木材を利用して作った、デジタルスキルの学習施設と教育・エンターテインメントの機能を併せ持つ施設だ。
この施設は国産木材のアピールも兼ねており、2020年10月には解体され、解体後は産地の岡山県真庭市の蒜山高原(ひるぜんこうげん)に移築された。
そのほか、東京オリンピックの選手村として活用された建物が高層マンションとして分譲されている。
三井不動産のウェブサイトによると、居住用のマンションとして2023年秋に竣工する予定であり、入居予定は2024年3月下旬となっている。
前段で紹介した複合施設の完成予定も同時期であり、晴海エリアでは2024年3月以降に大きく人が増えることになりそうだ。
どの話題を取っても、晴海は最近話題性の大きいエリアであると言える。
なお、タワーマンションのイメージも強い晴海は東京の不動産バブルを象徴するエリアの1つだ。
バブルが弾ければ不動産価格が下落する可能性もある一方で、新たな複合施設の開発や元選手村の分譲など、エリアのブランド構築につながりそうな動きは多い。
価格が決して安くないので人を選ぶエリアではあるが、ブランド性重視でキャピタルゲインも狙いたい人は、晴海の物件を選択肢に入れてみるのも良いのではないだろうか。
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取材・文:
(はたそうへい)