東京駅に直結、地下にはバスターミナル
首都高速利用で羽田空港にも約15分
2023年3月10日、三井不動産株式会社が八重洲二丁目北地区市街地再開発組合の一員として開発を推進してきた「東京ミッドタウン八重洲」がグランドオープン。
22年に先行オープンした地下の「バスターミナル東京八重洲」に加えて、1階から3階の商業ゾーンやビジネス交流施設「イノベーションフィールド八重洲」などがオープンした。40階から最上階45階の6フロアを占める日本初進出の「ブルガリ ホテル 東京」は4月4日に開業予定だ。
JR・東京メトロ丸の内線東京駅とは地下直結というアクセス。施設内のバスターミナルからは地方に、また地下駐車場からは八重洲地下街経由で首都高速八重洲線にダイレクトアクセスし、羽田空港までは車で約15分という、まさに日本のみならず世界の玄関口にもなる立地なのだ。
グランドオープンにあたっての記者会見で、三井不動産株式会社代表取締役社長菰田正信氏は「六本木・日比谷に続く東京ミッドタウンブランド3施設目として今までに類をみないミクストユース型施設になった」と述べ、オフィス・商業・ホテル・バスターミナル・小学校・ビジネス交流施設・エネルギーセンター・こども園など、その多彩な構成をアピールした。

世界に発信する日本・東京を意識
広大なパブリックスペースも
施設コンセプトは「ジャパン・プレゼンテーション・フィールド 〜日本の夢が集う街。世界の夢に育つ街〜」。世界中・日本中から人や情報、モノ・コトが集まり、交わり、新しい価値を生み出し、世界に向けて発信していく街づくりを目指す。
1階は「ジャパンラグジュアリー」をテーマにしたフロア。国内外で評価されている西陣織の老舗「HOSOO TOKYO」が東京初出店。新しいメイドインジャパンを提案する2階には、東京のスポーツチーム・団体による新ブランド「TOKYO UNITE」が初出店するなど全57店舗のうち初出店6店舗、東京初出店は11店舗など、注目を集める店舗も多く、日本発や東京・八重洲にこだわったコンセプトの店も目立った。3階には、普段づかいできるカジュルレストランからハレの日のための上質レストランまで多彩な飲食店が集まった。



ユニークなのは、2階にできた約820uのオープンなパブリックスペース「ヤエスパブリック」。小規模店舗の立ち飲みスポット「ALLSTANDS 」、待ち時間やちょっとしたすきま時間に楽しめる物販・休憩エリア「イチジテイシ」、八重洲の裏路地をイメージしたアンダーグランウンドな「八重洲のロジウラ」と、まるで個性豊かな街が形成されているかのよう。


人とリアルに会う価値と生み出す施設と
「行きたくなるオフィス」
4階と5階の「八重洲イノベーションフィールド」は、三井不動産と東京大学との連携による共同研究して生み出された人の交流によって創出を生み出すエリア。ビジネス交流ラウンジ、社会人の人材育成の場、イノベーションのためのテンポラリーオフィスやカンファレンススペースなどで構成される。

この「八重洲イノベーションフィールド」は、東京ミッドタウン八重洲の7〜38階はオフィスフロアに入る企業に、ポストコロナ時代の新しい働き方をを支援する意味合いもある。こうしたリアルな場の価値創造やテナント企業専用のフィットネスジムやラウンジの整備などで社内外の良質なコミュニケーションを生む「行きたくなるオフィス」を創り上げている。
DX推進によるメタバース会議室やロボットの活用、非接触サービスなど最先端技術も駆使されているオフィスは満床であるという。
八重洲1丁目東地区に2丁目中地区
東京駅東側エリアの一体的発展
東京ミッドタウン八重洲の開業記者会見では、菰田社長が2025年に竣工する八重洲1丁目東地区プロジェクトや2028年以降に竣工予定の八重洲2丁目中地区プロジェクトなど東京駅東側の未来図についても触れ、サービスアパートメントやインターナショナルスクールなどさらなるミクストユース化による行きたくなる街への一体的発展を目指すと述べた。
さらに首都高速の地下化で水辺空間を生み出されると、日本橋の街の魅力も比較的に伸びるとし、廃止が決まっている東京高速道路(KK線)のプロムナード構想や臨海部とつながる地下鉄新線構想などの将来像についても触れた。
東京ミッドタウン八重洲という東京駅前の複合施設のグランドオープンというだけでなく、これは東京のゲートウェイ「八重洲・日本橋エリア」再開発のまだまだ序章であるという三井不動産の強いメッセージが感じられた。
執筆:
(おのあむすでんみちこ)