
約52,000uの敷地を開発
西東京のJR八王子駅南口で、新たな複合機能施設の開発計画が進んでいる。
計画の対象となっているのは、駅から徒歩10分の場所にある医療刑務所跡地だ。

※引用:八王子市
もともと建っていた医療刑務所は明治時代に建てられたもので、2018年に東京都昭島市の国際法務総合センター内へ移転した。移転後の名称は東日本成人矯正医療センター。
敷地は9つの区画に分かれており、HとIの両区画については、公共公益的な施設の誘導に向けて具体案を検討するという。
現在では、AからGまでの敷地について具体的な建物の用途と整備業者などが決まっている状況だ。
なお、現在では既に一部建物の解体が完了しており、更地になっている。


A〜Gの敷地に関する用途としては、2023年時点で以下のものが挙がっている。
- 公園
- 歴史郷土ミュージアム
- 憩いライブラリ(図書館)
- 交流スペース
上記の複合施設として、約7,500uが活用される見通しだ。交流スペースにはカフェや学生用の自習スペースに加え、イベント用のフリースペースを設ける案などがある。
八王子市とその周辺には大学のキャンパスが多い。また、昨年は市内の八王子城址などが大河ドラマの舞台となるなど、八王子市は学園都市や歴史の舞台などのイメージがある都市だ。
歴史郷土ミュージアムや図書館などの用途には、上記のような市のイメージも垣間見える。
八王子駅近辺で商業施設やオフィスビルなどが集中しているのは主に北口だ。

南口周辺は主に住宅街であり、駅前通りであるとちの木通り沿いにはいくつか飲食店などもあるものの、商店街というほどの賑わいもない。

その理由は駅前のエリアが第一種住居地域に指定されているためだ。なお、医療刑務所跡地の周辺も住居専用地域となっている(2023年4月現在)。
商業施設などができればわかりやすく街の賑わいも増すと思われるが、現時点で八王子市は南口側に新たな大型商業施設などを作ることは考えていない。
2026年に開館予定
2023年3月には、八王子市は八王子ミライテラスパートナーズ株式会社とPFI事業契約を締結した。
八王子ミライテラスパートナーズは複数の企業などで構成されており、その内訳は大和リース(ダイワグループで土地活用や商業施設の開発などを担う)・熊谷組(ゼネコン)・ハリマビステム(主にBM業務を担う)など。
公開されている施設概要は、メイン棟が地上2階・地下1階建てでそのほかにレストラン棟なども設けられるというもの。
画像の利用は制限されているが、八王子市のホームページには、施設の完成イメージ図も掲載されている。
また、八王子市が3月にYouTubeで公開した映像では、2026年10月に施設開館予定となっている。
施設の建設予定地が既に更地となっているだけあって、完成予定はそう遠い未来の話ではない。
YouTubeで公開されている映像では、緑地や広場などのスペースが多いように見える。また、訪問者に家族連れが多く描かれているのも印象的だ。
八王子駅の南口周辺が、ファミリー層にとって暮らしやすいエリアとして今後脚光を浴びる可能性もあるだろう。ファミリー向けの賃貸を狙って物件を探してみるのも1つのアイディアだ。
取材・文:
(はたそうへい)