
東北学院大学のキャンパス統合により
売却されることとなった「多賀城キャンパス」
大学キャンパスの移転や撤退により、賃貸経営が苦戦を強いられるエリアも少なくない。宮城県のほぼ中央に位置するJR仙石線「多賀城駅」周辺もその1つである。
「仙台駅」までの所要時間は約20分。整備された「多賀城駅」駅舎には飲食店もあり、周辺には多賀城市立図書館や多賀城市役所が。また車で10分ほど行った場所には海の玄関口である仙台港フェリーターミナルもある。
かつてこの「多賀城駅」には、敷地面積約11万4000uの東北学院大学「多賀城キャンパス」があり、駅周辺は多くの学生で賑わっていた。
しかし、東北学院大学は都市型の総合大学を目指して、「土樋キャンパス」、「多賀城キャンパス」と「泉キャンパス」の3つのキャンパスのうち、「多賀城キャンパス」と「泉キャンパス」の大学機能を「土樋(つちとい)・五橋キャンパス」に移転・集約することを決定。
「泉キャンパス」については、2023年度以降も体育施設として体育館・総合運動場を中心に利用することとし、「多賀城キャンパス」は売却することになっていた。
2023年4月からは「土樋キャンパス」と「五橋キャンパス」を一つのキャンパスとして運営し、ここに学生約1万1000人を集結させている。
「五橋キャンパス」はJR「仙台駅」から徒歩約15分、地下鉄南北線「五橋駅(東北学院大学前)」直結。
「土樋キャンパス」はJR「仙台駅」から徒歩約20分、地下鉄南北線「五橋駅(東北学院大学前)」・「愛宕橋駅」から徒歩約5分。
いずれも仙台市中心部に位置するキャンパスとあって、通学する学生にとっては便利になったといえるだろう。



空白となっていた東北学院大学跡地の売却先が
「ミサワホーム」と「東北ミサワホーム」に決定
この夏、しばらく空白となっていたこの「多賀城キャンパス」跡地の今後について、新たな動きがあった。
東北学院大学を運営する学校法人が、大手住宅メーカーの「ミサワホーム」・子会社の「東北ミサワホーム」と、「多賀城キャンパス」跡地の売買契約を結んだと発表したのだ。
「多賀城キャンパス」跡地の入札には複数の企業から応募があったが、その中でミサワホームが優先交渉権を得て交渉を重ね、7月4日に契約締結に至ったという。
東北学院大学によると、ミサワホーム提案の事業計画が多賀城市のまちづくりに寄与できるものと判断し、売却を決めたとのこと。
今の段階では、土地の引き渡しや着工の時期については未定となっている。
ミサワホームはここに、戸建て住宅や分譲マンション、スーパー。レストランなどの商業施設、保育や医療、スポーツ施設などを複合的に配置。「多世代に魅力的な地域拠点」として整備する構想を立てているという。
この複合施設の登場で「多賀城駅」周辺に再び活気が戻るのか、これから徐々に見えてくるであろう、再開発の内容に期待したい。
健美家編集部(協力:
(さいとうかずみ))