• 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集
  • 収益物件 売却査定

8,554アクセス

家賃設定の3ステップ。新築は高く貸せるように造り、中古は安く貸せるように買う。

極東船長さん_画像 第31話

■ 安くても満室保証をつけるか、自力で埋めるか

新築には色々なジレンマがあります。今回はその一つ家賃設定のジレンマについて書いてみます。

オイラも初めての新築RCの計画時には、新しく付き合い始めた管理会社のF常務( 当時の役職 )に家賃査定してもらい、それを元に事業計画を組みました。

間取りや仕様にはF氏もアドバイザーとして参画してもらい、彼の提言をかなりの部分で実現しました。( F氏もオイラのドリームチームのメンバーと勝手に思っています )。

その上で家賃査定をお願いしたのですが、管理会社の役員という立場もあって、彼は保守的な金額を提案してきました。これは立場上、当然のことでした。

当時は資金的に十分な余裕がなかった頃でした。そして、この新築RCは9月末の竣工予定で、満室までに相当の時間がかかることが想定されました。そこで、オイラはF氏の管理会社へ管理を任せる条件として、「 満室家賃保証をつけられないか 」と打診をしました。

すると、「 できないことはないが、その場合は家賃をさらに保守的に査定せざるを得ない。家賃保証を付けない方が、トータルでオーナーの実入りは良くなる 」という当然の答えが返ってきました。

当時のオイラは、金融機関に対する交渉力も弱く、元本猶予は希望の半年ではなく、3カ月間に押し戻されましたが、9月末の竣工から3カ月後の12月末までには、元利返済分くらいにあたる15戸中半分程度の入居は見込めるだろうと想定できました。

そのため、満室家賃保証はつけず、その代わりに、ある程度の空室リスクを取って、少し高めの家賃で募集をすることにしました。

■ オーナーの思いと賃貸現場の査定額のギャップ

家賃査定においては、現場を長年経験してきた賃貸管理や賃貸営業のプロほど図面上の部屋の形や向きなどで保守的に見積もりがちです。

しかし、実際には竣工後に現場で一部屋一部屋を確認した上での査定でなければ、部屋の正確な価値を把握することはできません。

例えば、北向きは南向きよりも安い家賃で当然と考える訳ですが、仮に南側は隣接する建物があり、北側は目の前に公園が広がっていたら、北向きでもそちらの家賃の方が高くても良いはずです。

しかし、まだ間取り図面しかない状態では、そのような保守的な家賃査定になるのは仕方がない話となります。

そのような理由から、オーナーの物件に対する思い入れの熱い気持ちと、賃貸現場の査定額にはギャップが生じてしまいがちです。しかし、その思い入れが伝わらないからと文句を言っても、仕方がないのです。

■ 新築をあえて安く貸し出すという戦術

少し話は変わりますが、新築時は一番価値があるのだから高く家賃を頂きたいとする家賃設定の仕方は、近年新築してきた札幌市中心部でのオイラの一つの考え方です。

一方、逆に新築でも安めの家賃で設定し、長期での入居を念頭にしてプランをしている企画会社さんもあります。これは新築時でも新築プレミアム家賃設定をせずに、築5年程度の近隣平均と同じ程度の家賃設定をして募集する方法です。

プレミアム家賃にすれば新築時に10%で回るものを、あえて利回り9%で募集するのですから、競争力があり、即満室になりやすく、かつ5年経過後の退去時には、退去前と同じ家賃で募集できます。

何より経過年数による住み替えが少なくすみますので、10年スパンで考えた時にはトータルリフォーム代金をかなり抑えることができます。

このように、10年スパンで考えた場合の真の利回り( 10年間の総収入―10年間の総経費÷総投資額 )が良いのは、安めの家賃設定のほうかもしれません。

しかし、それも画一的にどちらが正解という物ではなく、あくまで狙う入居者層の違いや建築するエリアと間取り仕様で変えるべきものでしょう。

■ 現在の家賃設定が売却金額にも影響する

さらには、5年後、10年後、15年後の売却時にはどちらが高く売れるのかという事も絡んでくるため、話は簡単ではありません。

5年で売却するならプレミアム家賃で募集した物件の方が高く売却できるかもしれませんし、10年後ではどちらも同じくらいで、15年後には安めの設定の物件の方が高く売れるかもしれません。( 安めの家賃設定の物件は新築時から15年も住んでくれているかもしれません )。

それらをすべて計算の上で、投資戦略を練れる凄腕投資家もいると思いますが、オイラは難しくは考えないで自分で建てた新築は価値を保てるように入れ替え時にはリフォーム費用をかなり投下します。

一方、中古で購入した築古物件は、適度な格安リフォームで安く貸しても収支が合うようしています。

建物は出来上り時に一番価値があり、その後は価値が減価していくのですから、やはり竣工時には一番高い家賃をいただく。逆に、中古は近隣で家賃を一番安く募集しても事業収支が合うものをうまく購入する。

つまり、 新築は高く貸せるように造り込みをし、中古は安く貸せるように安く買うのが利益を出すための肝ということです。

ただし、立地が超絶良い場所、例えば都内の一等地の南青山とか広尾、代官山などの地名が付くなら、築古でもお金をかけてリノベーションをするに値する築古物件も存在していると思います。

■100点満点中80点取れれば成功

結論をいうと、オイラが新築を計画する際の家賃設定は、

@保守的な査定で事業計画を練り、
Aそれからストレスをかけても収支が合うかを自分の尺度を持って確認し、
B最後に自分の物件への思いを乗せてチャレンジ的に家賃を上げて募集をして事業収支を上げる


というステップで、家賃を決めるようにしています。最初はやはり、保守的に計画しましょう。

この新築物件もそうでしたが、新築する際に自分の理想が100あるとして、100点すべて満足できるものを投資としては造ることは至難の業です。

むしろ120点を盛り込みがちですが、それだと投資としては収支が合わない事業になってしまいます。( 趣味なら別ですが )。

理想の100点満点中で80点取れれば、それは賃貸業としては成功だといっていいと思います。そして100点の中から不要な順に20点を選択し捨てていき、どの形で80点にまとめるのが良いのかを判断するのが新築を考える投資家の本来の仕事のように思います。

その際には捨てる20点を選ぶジレンマがあるでしょうが、投資である以上、それは数字と統計から判断すべきものであり、棟数をこなすうちにジレンマも少なくなってくるはずです。

健美家サイト会員登録で最新コラムやニュースをチェック!

健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 極東船長さん(きょくとうせんちょう)

極東船長さん

船長のブログ
極東船長の子供たちに伝えたいこと徒然

北海道の東の町在住
10棟300室の大家

■ 経歴

□1958年、北海道生まれ

高校卒業後、家業である漁業を継ぎ乗船、24歳から船長になる

□1993年(35才)
船の転覆を機に陸の仕事に就く。
収入が激減し、投資の勉強を開始。

□1995年(37才)
1棟目、札幌市内の中古APを購入(1DK×8戸、築5年)⇒売却

□1998年(40才)
2棟目、札幌市内の中古APを購入(1K×14戸、築10年)⇒売却

□2004年(46才)
3棟目、新築APを札幌市内に建てる(1DK×15戸、土地から取得して新築)⇒売却

□2005年(47才)
4棟目、苫小牧市内の中古APを購入(1DK×10戸、築7年)⇒売却

□2005年(47才)
5棟目、苫小牧市内の中古APを購入(1K2戸×2DK×4戸、築10年)⇒売却

□2006年(48才)
6棟目、札幌市内に新築APを建てる(1LDK×8室、新築)

□2007年(49才)
7棟目、道東某市内に中古APを購入(1DK×12室、築3年)

□2007年(49才)
8棟目、道東某市内に中古APを購入(1DK×20室、築4年)

他にも都内区分、中国区分、苫小牧の中古AP等、様々な物件の売買を続けながら、徐々に規模を拡大。

□2009〜2017年(51〜59才)
札幌市中央区にRCマンション11棟を新築(うち3棟売却済)

□2018年(60才)
所有物件は個人と法人合わせて20棟450室

家賃年収は4億強、諸経費控除後の税引き前CFは1億強、税引き後CFで8千万円

※物件は常に売買しているため、タイミングによって変わります。

ページの
トップへ