どもども、
みなさま、こんにちは。
DIY大家のソーリムウーハーです!
先日やっと、法人決算と確定申告が終わりました。
結果を見ると昨年は、アパートの退去リフォーム3部屋と、戸建と店舗を1戸ずつDIY再生させていました。
サラリーマンをやりながらにしては、なかなかのボリュームです。
限られた時間の中で効率よくリフォームするためには、電動工具が欠かせません。
優秀な工具を揃えるのも、パフォーマンスの良い投資のひとつです(と言い訳しながら、単に新しい工具が欲しいだけですw)。
本日はその中で、ボクがいちばんよく使う『マルチツール』という電動工具を紹介します。
前回の記事で紹介した『ゴキブリ部屋』で、壁を造り直したときにも活躍しました。
『壁を造るDIY』は、技術的には難しくないのですが、初心者向きではありません。
これは、日常で使うハサミやカッターでは切れない『木材』を扱うからです。
逆に言うと『木』や『金属』の加工ができれば、一気にDIYレベルが上がり、リフォームの幅も広がります。
とはいえ、人体よりも固い『木材』を切断する工具を扱うのは、安全面での不安もあります。
そこで『安全に木を切る』という、不可能と思える要望を実現した道具。
それがマルチツールです。
■なぜ丸ノコを使わないのか?
じつはボク、丸ノコを持ってないんです。
リフォームはなんでもできるDIY大家ですが、丸ノコは使ったことすらありません。
DIYを始めたばかりの頃、ボクの悩みは和室をどうやって洋室化するかでした。
木材と合板を使って洋室の床を造るのですが、どうしても木を切断する道具が必要です。
多くのプロが使うように、ボクも『丸ノコ』の購入を検討しました。
しかし導入に踏み切らなかったのは、知り合いの大工に止められたからです。
彼は、仲間の大工が丸ノコで事故を起こした時の話をしてくれました。
とある日の夕方、1日の作業が終わって皆が片付けに入る中、1人だけ「あともう少し」と丸ノコで木材を切断しはじめます。
時間に追われて作業をする中で、ふと油断したのでしょう。
軍手が丸ノコの刃に巻き込まれて、その方はあっという間に指を4本失ってしまったそうです。
丸ノコは『これを付けていれば大丈夫』といった決定的な安全具がなく、使い方に気を付けるしかありません。
集中力が切れた時の『油断』が、そのまま事故の原因になります。
その大工さんからも「使わずに済むなら、使わない方がいい」と言われ、ボク自身も「使わない」と判断しました。
ちなみに建築現場の事故は、厚生労働省が災害事故事例集としてまとめて公開しています。
『職場のあんぜんサイト』
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_FND.aspx
『丸ノコ事故事例』
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx
過去には、自分の脚を切ってしまい失血死する事故も起きています。
ぜひいろんな事例を見て、どんな作業や道具が危険なのかを確認してください。
■マルチツールとは
丸ノコを使わないと決めてから、『安全に木を切る道具』を探しました。
そこで見つけたのが、マルチツールです。
カタチは電動マッサージ機のような本体に、平たいギザギザの刃がくっついています。
パッと見では、何かを削る道具のようにも見えます。
スイッチオンすると『平たいギザギザ』が左右に細かくブイーンと振動するので、それを木材や金属に押し付ければ『切断』できます。
さらに刃を替えることで、ほかの作業もできます。
サンドペーパーを付ければ『研磨』
スクレーパーを付ければ『剥離』
その名の通り、これ1台で
『ノコギリ』
『サンダー』
『スクレーパー』
の3役をこなすマルチなツールです(丸いグリグリを取り付ければマッサージ機にもなりそうですが、まだ発売されていないようですw)。
ちなみにボクが使っているのは、BOSCHの最上級モデル、GMF50-36です。
刃の交換がレバー1つの操作でできて、どの種類の刃でも使えるのが魅力です。
ボクは5年前から、木と金属の切断はほとんどこの道具だけでやっています。
■マルチツールの安全性
マルチツールの最大の特徴は、圧倒的に『安全』であること。
アタリマエですが、電動の切断工具は動作中の刃に触れると大ケガします。
範馬勇次郎を見れば、誰もが「危険」と感じるように、動作中の切断工具は『触ったら危険』と判ります。
丸ノコなら指が飛ぶし、レシプロソーやジグソーでも皮膚や肉が裂けます。
でもマルチツールは保護グローブをしていれば、動作中の刃に誤って触れても切れることはありません。
しっかり固定された物しか、切れないようにできているからです。
もちろん説明書には、手や顔を刃に近づけないように注意書きはあります。
でも実際にこの工具でケガをした事例は、今のところ聞いたことがありません。
超安全な、電動切断工具と言っても良いと思います(ただし切断した破片や粉が飛んでくることがあるので、作業中は必ず保護ゴーグルを着けましょう)。
ではこれから『マルチツール』で実際にできるようになるDIYリフォームを解説します。
■マルチツールでできるリフォーム
マルチツールがあると、木材や金属が切れるので、DIY作業の幅が一気に広がります。
・和室の洋室化
和室の畳を撤去して洋室の床に改造するとき、マルチツールを使えば下地の根太と合板の切断加工をカンタンにできます。
CF仕上げなら、材料費は2.5万円程度です。
外注で7〜8万円と考えると、1回DIYするだけで最上級のマルチツールを買えます。
・キッチンパネル施工
マルチツールに金属ブレードを付けて、キッチンパネルの切断・加工ができます。
特に換気扇やコンセント部の穴あけは、最も得意な工具と言えます。
切断さえできれば、両面テープとボンドで貼り付けるだけです。
ステンレス板貼りの古臭い台所周りを、キッチンパネル張りにすれば、見違えるほどキレイになります。
・トイレの設置
マルチツールは、塩ビの排水管・アジャスターの切断加工ができます。
塩ビ管の加工ができると、『便器』の交換ができるんです!
初めてでも大丈夫!説明書も付いてます。
難易度でいえば、ガンプラよりもカンタンです。
・フローリング施工
和室を洋室化するとき、どうせ床を張り替えるならフローリングにしちゃいましょう。
ツヤツヤの鏡面仕上げにすると、照明が反射してメッチャ見栄えヨシです!
板を真っ直ぐ思い通り切るには練習が必要ですが、幅広の刃を斜めに入れて切るのがコツです。
・砂壁を大壁にする
和室の床をフローリングにすると、壁も完璧に洋室化したくなります。
人間の欲というのは、キリがありません。
マルチツールで切断した木材で砂壁に下地を造り、石膏ボードをビス打ちします。
ただし、これで家賃が上がるかどうかは、わかりません。
大して上がらないかもしれない・・・。
でも見栄えは良いので、自己満足感は得られます!
砂壁を大壁に、畳をフローリングにした部屋。切断はすべてマルチツールで作業。
主なリフォームはこんな感じですが、はっきり言って何でもできます。
切断速度は速いとは言えませんが、他の工具よりも安全で手軽に扱える分、作業効率がよくなります。
■取り付けてから部材の加工ができる
丸ノコやジグソーは、部材を取付前にカットします。
でもマルチツールは取り付けた後にカットして、サイズ調整ができます。
たとえば・・・
床板を打ちつけた後に、はみ出た分だけ数ミリ削る。
下水管を、床の高さに合わせてカットする。
これは丸ノコやジグソーのような工具では、マネできません。
飛び出た釘の切断や、コンセントプレートの穴あけも得意です。
さらに固定されたものしか切れないので、壁に穴をあけるとき奥にぶら下がる電気コードやアンテナ線をまちがって切断するような事故も起きません。
これを発明した人は、ホント天才です。
ボロ物件のリフォームは、切ったり足したりの繰り返しです。
それをすごくカンタンにできるのが、マルチツールです。
■切断以外にも使える、マルチな機能
マルチツールは、スクレーパー機能も便利です。
古い壁紙やクッションフロアがカッチカチに固まって、なかなか剥がせない時。
マルチツールならペラペラと剥がせます。
もう指紋が無くなって心が折れそうなほど、CF剥がしを頑張らなくてもいいんです!
サンディングパッドにサンドペーパーを付ければ、ミニデルタサンダーにもなります。
クロスの下地パテのならし程度なら、わざわざ専用のサンダーを用意しなくても、マルチツールだけで十分です。
■マルチツールの弱点
マルチツールの弱点は、替刃(ブレード)の値段が高いことです。
ボクが使っているBOSCHの純正品は、1,000〜4,000円くらい。
お財布には、ややキビシイです。
刃を長持ちさせるコツは、金属と木工をキチンと使い分けることです。
木工用で金属を切ると、あっという間に刃こぼれします。
木材の奥に埋まってる釘を、気づかず切ってしまったら最悪です。
一瞬で2,000円の刃が欠けて、残念な気持ちになります。
あとブレードも短いので、太い木の切断には不向きです。
大引のような『太い木材』や『木の枝』を切るときは、レシプロソーのような別の工具に任せます。
ジグソー・レシプロソー・トリマーと、木を切るための工具はいくつか所有していますが、どれか1つしか使えないなら、迷わずマルチツールを選びます。
これ1台で、合板・木材・釘・金属パイプ・石膏ボードと、ほとんどの切断に対応ができます。
極端に言うと、電動工具はインパクトドライバーとマルチツールさえあれば大抵のことは何とかできます。
自分で木材加工ができると、高利回りのボロ物件DIYにもチャレンジすることだってできます。
マルチツールは、DIY大家に自信と勇気を与えてくれる工具なのかもしれません。
また次回お会いしましょう。
ではでは。
「安全DIY宣言」のマークは、危険を回避しながらでも本格的なDIYリフォームをすることができることを多くの人に知っていただきたくて作成しました。
権利のない自作の完全フリー素材です。
ご賛同いただける方は、ぜひご利用・拡散をお願いいたします。
安全DIY宣言
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・高所での作業はしません
・安全具なしで作業しません