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安否確認のためでも、入居者の部屋に合鍵で入るのは絶対NG!では、どうやって確認したらいいの?

賃貸経営/トラブル ニュース

2019/10/10 配信

■あなただったらどうする
入居して3年で一度も家賃が遅れた事がない60代後半男性の入居者が家賃を滞納した。
何度か現地に行きドアチャイムを鳴らしたり、電話をしても本人と連絡が取れない。
ドアに挟んだメモもそのままで、カーテンが締め切られている。
更に身よりもなく無職で生活保護を受給している。

そんな入居者がいたとしたら、独り身のため中で倒れていないか心配になるだろう。
また最悪室内で孤独死・・ こんな事も想像してしまう。

こんな時に最悪の事を心配して手元の合鍵で入室して安否確認をしたくなると思うが、それはNGだ。
鍵

■合鍵で勝手に入室は厳禁

昭和のふた昔前なら、「倒れていると思って室内確認した」という事もあったかもしれない。
また大家が親切心で「洗濯物が雨で濡れてしまうので取り込んでおいた」という心あたたまる話もあるが、基本的には合鍵で部屋に入る事は絶対にNGである。
そんな事をしようものなら「住居侵入罪」として警察に通報されてしまう。

また入居者が長期滞納していたとしても、勝手に部屋に入ることは「自力救済の禁止」で認められないのだ。
「自力救済」とは何らかの権利を侵害された者が、司法手続によらず実力をもって権利回復をはたすことをいう。

法治国家である以上、紛争の解決は裁判所の関与の下に行われるべきであり、私人が実力行使によりこれを行うことは原則として禁じられている事を「自力救済の禁止」という。

だから滞納しているからと言ってオーナーや管理会社が強制的に入居者の家財を外に出したり、入居者が部屋の中に入れないように鍵を交換することは不法行為となってしまう。
こうなると、入居者から損害賠償請求される事もあるのだ。

話は戻って安否確認で入室したとしても、その時に入居者と鉢合わせしてしまうと「不法侵入だ!訴えてやる!」と言われるかもしれないし、要らぬトラブルに巻き込まれてしまうかもしれない。
ではどのように安否確認をするのが正解なのか。

■安否確認の入室は警察と同行で入室

どうしても緊急性のある安否確認で入室しなければならない時は、警察に連絡して一緒に入室をするべきだ。
警察官

警察官がいれば「違法で無い」わけではないが、安否確認した時の大半は部屋に誰もいない事が多いので、後で「何で部屋に勝手に入ったんだ」と言われた時に、警察官がこちらの側の雰囲気になるのと「部屋にあった物が無くなった」等の難癖を付けられるのを予防できる。

そして万が一の時には、遺体の第一発見者になる事を避ける事ができる。
第一発見者になると、事件性が無くても必ず事情聴取をされるし、精神的にもショックを受けるので、必ず警察官に一番先に入室してもらう事が重要だ。

また安否確認で警察に連絡しても「だいたい1時間後に行きます」とか言われてしまうので、緊急性があるケースは、「今すぐに来て下さい」と言ってすぐに来てもらうようにしたい。

■居留守を使っている入居者もいる

警察官が来たらいろいろ事情を聞かれるので、どうして部屋を開ける必要があるのかを説明する。

また警察官から鍵を開けるように言われても直ぐには開けないで、再度部屋のインターホンを何度も鳴らし、ドアポストがあればそこから大声で入室を伝える。

「◯◯さ~ん 大家の◯◯ですがいらっしゃいますか? 安否確認で鍵開けま~す」とこんな感じ入室を伝えよう。

ここで居留守を使っている人は、大事になった事を感じ「鍵を開けま~す」の言葉に反応して自分からドアを開けるケースがあるのだ。

だから「開けますよ~」と言ってから少し様子を見たほうが良い。
それでも反応がなければ鍵を開けて、そこで警察官に位置を変わってもらい入室となる。
警察官が中に入り安否確認を行うのでそれまでは待っているのがよい。

安否確認は人命にも関わり、物件が「事故物件」になるかもしれない緊急性が高い内容だが、勝手に自分一人で鍵を開けて入室するという事は絶対にしないでいただきたい。

執筆:J-REC教育委員 原田哲也

【プロフィール】
2010年より、一般財団法人日本不動産コミュニティー(J-REC)の北海道支部を立上げ、不動産実務検定の普及に尽くし、多くの卒業生を輩出。2018年よりJ-RECのテキスト編集、改定などを担当する教育委員に就く。
また自身が主宰する北海道大家塾は既に50回の開催を数え、参加人数も述べ3000人を超える。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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