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更新料の支払い、入居者は拒否できるか?拒否された時、大家が取る対策とは。

賃貸経営/法律 ニュース

2019/07/14 配信

1 はじめに
建物の大家さんの中には、賃借人から更新後の更新料の支払いを拒まれている方も多いのではないだろうか。

更新の時期になると更新後の賃貸借契約を再度締結し、賃借人は所定の更新料を支払うことが通常である。

しかし、賃借人の中には、大家の要求にも拘わらず更新契約を締結しないまま、更新料の請求にも応じない方もいる。インターネット上などでは、「更新料を支払わなくても良い方法」として「合意で更新をせず、法定更新に持ち込めば、その後の更新料を支払わなくてよくなる」という方法を紹介されている方もいる。

今回は、このようなケースに対応するため、更新料支払い義務についての法律関係と対応策について述べたいと思う。

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2 法定更新後の期間
民法では、建物の賃貸借契約が法定更新された場合、期間の定めのない契約となるとされている。

更新料の支払いを拒絶される方々は、法定更新後は期間の定めのない契約となるので「更新」という概念がなくなったということを根拠に更新料の支払いを拒むことが多い。

それでは、実際の裁判例ではどのように判断されているだろうか。以下、2つの裁判例を挙げて検討する。

(1 )更新料請求が認められなかったケース
東京地方裁判所平成30年1月30日判決(平成28年(ワ)36695号)では、更新料が発生する「更新」に法定更新もが含まれる趣旨であったとは解しがたいとして、法定更新後の更新料の発生を認めなかった。

(2 )更新料支払が認められたケース
これに対し、東京地方裁判所平成29年11月15日判決(平成29年(ワ)6667号)では、「更新を拒絶する旨の意思が当事者から示されなかった以上、契約は自動更新条項により自動更新されたものと解される」として、2年毎の自動更新の際に更新料が発生すると判断した。

3 争いを避けるためには
更新料をめぐる争いを防ぐため、賃貸借契約書には法定更新の場合であっても更新料が発生する旨を明記しておく必要がある。契約書上、更新契約書を締結しないままの自動更新であっても更新料が2年毎に発生することが明確に規定されていれば、解釈をめぐる争いはなくなり、紛争リスクは避けられるはずである。
以下では、どのような条項を契約書に盛り込めばよいのか、2つの案を示す。

案1(2年契約が自動更新される条項)
「賃貸人は、賃借人から契約期間満了の3ヶ月前までに、賃貸人に対して本契約の解約について何らの申し出がない場合には、本契約は賃料等同一条件にて期間満了日から2年間自動更新されることとする。以後この例による。」

これは、賃借人から解約の申し入れがない場合には、契約期間2年の賃貸借契約が自動更新されていくという条項である。

案2(法定更新で期間の定めのない契約となるが、更新料が発生する合意)
「本契約が法定更新によって更新された場合であっても、法定更新の日から2年毎に、賃借人に賃貸人に対する更新料を支払い義務が生じる。更新料の金額は更新料発生の時に適用される賃料の1か月分と同額とする。」
これは、法定更新により期間が定めのない契約となるものの、2年毎に更新料が発生するという条項である。

最後に、大家さんには、更新料をめぐり賃借人との紛争を未然に防ぐため、契約書記載の条項はできる限り具体的なものとし、解釈に争いがないようなものとしていただくことをお勧めする。

執筆:弁護士 鈴木 章浩

プロフィール
鈴木&パートナーズ法律事務所 代表弁護士) 。実家が借地上でアパート・マンション経営、幼い頃から借地借家問題に注力をしてきた経緯から、弁護士としても不動産問題を中心に扱っている。現在、不動産管理会社複数の顧問弁護士として、賃貸管理や不動産売買のトラブル予防と解決を主な業務としている。

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