※引用:北区
三菱地所レジデンスを代表とする共同企業体が開発
東京都北区にある赤羽台で、公団団地の建て替え再開発計画が進んでいる。
再開発の対象となっているのは「赤羽台団地」という公団賃貸住宅で、1962年に入居が開始されたものだ。
※引用:北区
赤羽台団地は東京23区内に建設された初のマンモス公団住宅で、建物の棟数は50棟以上、総戸数は3,300戸を超える。
建物の老朽化を背景として、団地の建物は2000年から建て替え工事が開始された。
建て替え後の団地は「ヌーヴェル赤羽台」という名称で、既に10棟以上の建物が竣工、順次入居と新たな入居者募集が進んでいる。
北区とUR都市機構は団地内の一部エリアについて、単なる団地として建て替えるのではなく、都市課題解決につながる開発へつなげる意図を持って、土地譲受事業者を公募した。
公募の結果、2022年9月29日に、土地譲受事業者として三菱地所レジデンス・住友商事・近鉄不動産共同企業体(代表企業:三菱地所レジデンス)が選出されている。
一部エリアというのは団地の敷地のうち東端で、JRの線路沿いにあたる部分だ。
※引用:北区
上記の図のうち、右端にある「旧赤羽台小学」と書かれたエリアと、Gと区画割りされたエリアが今回の開発対象となる。
事業者となった共同企業体が提案したのは、地上29階建て・地下2階建てで総戸数が550戸を超えるタワーマンションと、カフェやグローサリー(生鮮食品スーパー)などが入る生活利便施設だ。
敷地東側の線路沿い道路に向けて団地の入口となる「ゲートウェイプラザ」を作り、地域住民の交流の場とする予定。
※引用:北区
ゲートウェイプラザは、駅に一番近い広場としてイベントにも活用できるよう整備するという。
駅側から見ると敷地の方が高台になっているが、イベント時の観客席となるよう、ベンチを置くことで高低差を利用するようだ。
また、イメージ図を見てもわかるように、ゲートウェイプラザを入って正面のところにカフェやグローサリーなどの商業施設を配置し、外部からの訪問者も利用できるようにする。
そのほか、敷地の中には2つの通路を設けて東西のアクセスを容易にするとともに、400台以上の公共駐輪場を設けて、赤羽駅周辺の放置自転車に関する課題の解決を目指す。
※引用:北区
現在の計画では、2024年度中に建設工事を開始、建物の竣工予定は2028年度となっている。
赤羽駅西口のイメージ変化につながっていくか
赤羽は投資家目線で見ても、入居者目線で見ても注目を集めやすいエリアだ。
また、赤羽駅東口側にある一番街とOK横丁は多くの居酒屋が並んでおり、こちらも「安く飲める街」として知名度が高い。
一方で、西口側は駅前の商業施設を通り過ぎるとすぐに住宅街が広がっており、東口ほどの人が集まる環境ではない。
この記事で紹介した、高層住宅の足元に少し商業施設ができたからと言って、東口ほどの人が集まるとは考えにくい。
しかし、新たな団地内のスペースではイベントの開催なども意図されており、地域住民が集まる場として定着すれば、西口側のイメージも少し変わっていくのではないだろうか。
赤羽駅西口のイメージアップにつながっていくことを期待したいところだ。
取材・文:
(はたそうへい)