創成川をまたぐ新幹線札幌駅で東に目が向く
北海道新幹線「新函館北斗~札幌」間は、令和12年度末(2030年度末)の開業を目指して進捗中だ。
開通時期は、工事の遅れや事業費の増大、開通時期目標とされていたオリンピック・パラリンピック招致の見送りでまだ不透明でもあるが、開通することは間違いない。
新しくできる新幹線の札幌駅は、札幌市の中心を流れ、市を東西に分ける創成川をまたいで作られる。これまで、札幌都市圏は創成川までといった概念だったのが、再開発が進む創成川の東側に広がりを見せている。
札幌市は、創成川と北8条通、東8丁目通、国道36号に囲まれた約134ヘクタールの創成イーストエリアを「第2次都心まちづくり計画」の「ターゲット・エリア」の一つとして位置づけている。
レンガ造りが盛んな工業地帯だった創成エリアの中央には、サッポロビール工場だったレンガの建物を利用した1993年の開業のサッポロファクトリーがあり、周辺にオープンした店舗や高層ビルなど新しい建物が出来るなか、歴史を感じさせる存在だ。この新旧が混じり合う街並みが創成イーストの一つの魅力にもなっている。
開業ホテルはインバウンド客からすでに注目
そんな創成イーストエリアに、サッポロファクトリーに隣接して、2024年1月30日に開業した「ホテル創成札幌 Mギャラリー」は、世界110ヵ国5400以上のホテルを展開する仏・アコーホテルズが手掛けるホテル。「ホテルクラビーサッポロ」をリブランディングして誕生した。
アコーホテルズのプレミアムブランドだけあって、洗練された雰囲気の118室のホテルとして話題を集めている。ホテルのテーマは「21世紀に生まれ変わる開拓使時代の邸宅」 で、ヨーロッパを感じさせるデザインのなかに創成エリアの過去からの歴史が反映されている。
JR札幌駅からは車で約5分、地下鉄バスセンター前駅から徒歩5分という利便性とデザイン性の高さは、すでにインバウンド客には多いにアピールしているようである。
高層マンションの分譲もあり、都心居住の選択肢となっている創成イーストエリア。札幌市全体の人口が減少するなか、2000年に約6600人だあった人口が20年で約3倍になり2万人近い規模になっているのも注目される。新幹線の開通に向けて成長する街として目が離せないエリアである。
執筆:
(おのあむすでんみちこ)