14年連続日本人が好むロングステイ先第1位*のマレーシア
コロナによるロックダウン措置の影響もあり、不動産の開発工事は概ね6ヶ月~1年ほど遅れてたが、2022年は日系商業施設・店舗の進出が相次ぐことになり、話題となっている。
*一般社団法人ロングステイ財団調べ
ららぽーと(LaLaport)が
マレーシア首都クアラルンプール進出
最初に紹介するのは、三井不動産が運営する商業施設「ららぽーと」が、東南アジア初として1月20日にマレーシアクアラルンプールに開業した。名称は「LaLaport BBCC」(以下「ららぽーとBBCC」)。
ららぽーとBBCCは、マレーシアの商業の中心地「ブキッ・ビンタン地区」で行われている、総敷地面積約78,500㎡の大規模開発街区の中に位置する。日本国内の施設を含めても最大規模(店舗面積約 82,600 ㎡)のフラッグシッププロジェクトとなる。
本敷地内には、ららぽーとBBCCの他に、高層タワーマンションが3棟の他、ホテル、オフィス、音楽ホールなどが併設される大規模都市開発だ。BBCCとは「ブキッ・ビンタン・シティ・センター」の略称だ。
三井不動産のマレーシアにおける商業施設の開発運営は、2015年に「三井アウトレットパーク クアラルンプール国際空港 スパン」以来2つ目であり、マレーシアの国民にはMITSUIブランドがさらに浸透するものと期待される。
共同開発会社はマレーシアを代表する
エコワールド社
本街区を主体として開発するのは、マレーシアの総合デベロッパーである「エコワールド社」。タワーマンションやオフィスの開発も同時に行われている。働く人、住む人双方に利便性の高い生活環境を提供する目的でららぽーとBBCCの役割は大きい。東京に住む人であれば「ららぽーと豊洲」の都市開発を思い起こさせるだろう。
ららぽーとBBCCは、約400店舗が入居することになり日本企業も多く入居予定だ。
また、ららぽーとBBCCには日本人には嬉しい「デパ地下(デパチカマルシェ)」もオープンされるということで、新鮮な日本の野菜など、日本食材も揃えることができそうだ。
入居する主要日系テナント
・ニトリ(マレーシア初) ‐家具・インテリア
・ノジマ(マレーシア初) ‐デジタル、生活家電
・ドンキ ‐総合スーパー
・Zoff(マレーシア初) ‐メガネ など
蔦屋書店の東南アジア第一号店舗も
オープン予定
日本のブックストアチェーン蔦屋書店が2022年第1四半期に、東南アジア初となる店舗をパビリオン・ブキットジャリルにオープンする。CCC社と双日社によるフランチャイズ運営となる。
「パビリオン・ブキットジャリル」は、2021年12月3日に開業した「PAVILION(パビリオン)ブランド」にて開業する第2号店。
本施設は、総売場面積約167,225m2を誇る、マレーシア南部最大級となる地域に密着したライフスタイル提案型の複合商業施設。
パビリオンというと、前述のららぽーとBBCCがあるブキッ・ビンタン地区で運営をされるハイブランドがこぞって入居する商業施設が有名だ。
そのためローカルや現地居住者にとって「ハイブランド」イメージが強い。本屋だけではないゆとりの場を提供する蔦屋書店にとってはブランドイメージに合致しているというのも入居の理由だろう。
店舗面積は、総面積約2,650㎡以上を有しており、書籍、カフェ、文具・雑貨に加え、アクティビティエリアも備える。
蔦屋書店以外にも、本施設パビリオン・ブキットジャリルには、受賞歴のある台湾の陶器ブランドLOHAS、中国を代表する茶の専門TianYue Tea Joyなど、マレーシア小売市場に初参入する国際ブランドが入居予定となっており注目が集まっている。
東南アジアで
日本ブランドの進出が加速するか
ららぽーとに限らず東南アジア各国では、三越(フィリピンマニラ)、イオン(カンボジアプノンペン)などの大型商業施設をはじめとして、ドンキやダイソーなど日系ストアの出店が目立つ。
すでに飽和かつ人口減少の日本では成長戦略が描けない日系ブランドのレストラン・ショップにとっては、東南アジアでの日系商業施設の開発により出店しやすい機会が生まれると言える。
また、海外で居住をしたいと考えている日本人にとっても居住国やエリアの選択肢が高まるとともに生活利便性も高くなる。今後の東南アジアの日系企業の進出に注目していきたい。
執筆:風戸裕樹(かざとひろき)
執筆:
(かざとひろき)