2026年〜2027年の間に
事業完了予定
JR東日本と新京成電鉄は、千葉県にある松戸駅の改良工事を進めている。
改良工事の内容は、東西出口の拡幅工事や駅施設の改良などに加え、駅の南側に新たな駅ビルを建設するというものだ。
工事は2020年春から始まっており、2026年春までに駅内部の工事が完了、2027年春までに駅ビルの建設が完了する予定。
乗降客の通路整備がメインとなっている改良工事に加え、バリアフリー化に該当するホームエレベーターの新設工事が2020年3月に完了済だ。
また、駅内部の改良に加えて、西口では駅出口の広場に該当するデッキ部分のタイル張替えや、エレベーター・エスカレーターの新設など改良工事が進められている。

※引用:松戸市
松戸に関する動きとしては、駅の改良以外にも鉄道の延伸計画が持ち上がったことがある。
2021年時点では押上が終点となっている東京メトロ半蔵門線について、押上から北側へ葛飾区を縦断し、松戸まで延伸するというものだ。

※引用:松戸市
国土交通省は、東京オリンピックの開催を控えていた2016年に「東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会」という委員会を開いていた。
この委員会では東京のJR及び各私鉄について、路線の新設や延伸などについて協議されている。
委員会では20以上の路線や駅について協議されていたが、半蔵門線についても延伸の対象とされていた。
しかし、半蔵門線を運行している東京メトロは、自力で延伸工事を進める意思を示しておらず、2021年時点では計画について具体的な進捗がない。
路線の延伸に期待するよりは、実際に改良工事が進んでいる松戸駅周辺の活性化に期待する方が現実的と言える状況だ。
松戸駅は新京成線の中で
乗降客数が最多
駅の内外部でそれぞれ改良工事が進む松戸駅には、JR常磐線と新京成線が乗り入れている。
乗降客数を見ると、2020年度におけるJR松戸駅の乗降客数は約75,000人で、JR東日本の管轄では35番目だ。
他の駅と比較すると、津田沼・浦和・赤羽などとほぼ同数となっている。
一方で、新京成線の乗降客数を見ると、こちらは2020年度に約79,000人となっており、新京成線の中では最多だ。
JRと新京成線の乗降客数を合算すると約15万4,000人で、これはJR秋葉原駅(2020年度)の乗降客数とそれほど変わらない数字となる。
松戸市は東京都の葛飾区と隣接するエリアであり、住民には都内へ通勤・通学する人も多い。

JR常磐線は東京メトロ千代田線へ乗り入れており、大手町や赤坂といったオフィス街へ乗り換えなしでアクセスできる。
そのほか、常磐線は上野・東京・品川にも乗り入れているため、松戸駅の交通利便性はかなり高い。
バス便についても、各種路線バスが松戸駅から発車するほか、羽田空港や木更津のアウトレットへ行ける高速バスを利用可能だ。
また、駅前にはイトーヨーカドーやその他商業ビルが立ち並んでおり、生活利便性もだいぶ高いと言えるだろう。


駅の改良工事や新たな駅ビルの建設には、松戸駅および周辺の利便性をさらに向上させることが期待される。
さらに、松戸市では人口が堅調に増加しているため、賃貸住宅のニーズも拡大が見込めるだろう。

※引用:松戸市
利便性の向上や人口増加など、不動産投資先としては明るい材料の多い松戸市に今後も要注目だ。
取材・文:
(はたそうへい)