
土地の公示価格も上昇傾向にある「橋本駅」
ターミナル駅としての今後に期待が集まる
神奈川県、相模原市に位置するJRおよび京王線「橋本駅」。法政大学や東京工科大学、多摩美術大学など複数の大学のキャンパスが点在するほか、駅北口には「イオン橋本店」や「ミウィ橋本店」といったショッピングモールや高層マンションが立ち並び、駅周辺は多くの人々でにぎわっている。
この「橋本駅」でいま最も熱いトピックスが、2027年に予定されている「リニア中央新幹線」開業である。現在、静岡県とJR東海が揉めているため、2027年の開業が危ぶまれてはいるものの、東京〜大阪間の438qを67分、名古屋まで285.6qを40分で結ぶ計画だ。
大阪ー名古屋間に先んじて計画が進む東京ー名古屋ルートには、「品川駅」、「神奈川県駅(仮称)」、「山梨県駅(仮称)」、「長野県駅(仮称)」、「岐阜県駅(仮称)」、「名古屋駅」が設けられる予定となっており、この「神奈川県駅(仮称)」が、「橋本駅」南口付近に設置される予定なのだ。

相模原市はこの「リニア中央新幹線」開業に向けて、中期・長期に分けてまちづくりを行うと発表している。
「神奈川駅(仮)」が設置される予定の南口地区では、移転が検討されている相原高校用地を中心とした土地を以下の3つのゾーンに分け、整備が行なわれる予定だ。
●広域交流ゾーン
様々な交通手段による国内外からの来街者を受け入れる交通ターミナルとしての空間形成に取り組むほか、圏域全体の観光、物産、産業等に関する様々な情報発信の拠点となる機能導入を図る。(想定される施設例:駅前広場、イベントスペース、情報発信拠点(展示スペース等)、広域交流拠点のコンシェルジュ機能を有する施設など)
●複合都市機能ゾーン
オフィスなどの事業活動の拠点や生活・地域に密着した機能が複合的に集積する地区として、子どもから高齢者まで様々な世代が活動する拠点、まちづくりを育てる人々が集い、語らう場となる拠点などの機能導入を図る。(想定される施設例:オフィス、商業、飲食、福祉、医療、まちづくり活動拠点、都市型居住など)
●ものづくり産業交流ゾーン
産業の人材・情報が交流する拠点や、新たな製品・サービス、次世代の技術(宇宙開発・ロボット産業等)が創造される拠点として、圏域内外から産業・経済の交流のために利用される機能導入を図る。(想定される施設例:展示場、会議室、インキュベーション、産学連携窓口、シティホテルなど)

2013年に神奈川県内の駅が「橋本駅付近」に設置されることが示されて以降、順調に右肩上がりで推移している(土地代データより)。
「橋本駅」周辺の公示価格も上昇傾向にある。2022年の公示地価は27万5250円/uと、昨年比で3.78%上昇した。
リニア新駅開業と周辺の再開発に伴い、さらなる資産価値上昇に期待が集まる「橋本駅」周辺エリア。不動産投資という観点でも、引き続き注目していきたい。
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健美家編集部(協力:斎藤一美(さいとうかずみ))