千葉駅東口の再開発がひと段落
新複合施設が11月にオープン
JR東日本と千葉都市モノレールが乗り入れる千葉駅。京成電鉄の京成千葉駅も隣接する交通の要衝だ。JRだけでも横須賀・総武快速線、中央・総武緩行線、成田線、総武本線、外房線、内房線が乗り入れ、東京都心や千葉県内各地に向かう各路線が集結している。
千葉駅及び駅周辺には、駅ビルの「ペリエ千葉」をはじめ、西口には駅直結の複合施設「ウェストリオ」や病院などが入る「ウェストゲート千葉」、東口にはそごう千葉店などが集積する「センシティ」やショッピングモールの「シーワン」などが一体的に広がり、駅東側から千葉中央駅にかけてはオフィスビル、商業施設、金融機関などが林立する中心市街地を形成している。
そうしたなか、2016年から駅東口で始まった「千葉駅東口地区第一種市街地再開発事業」が終わりを告げ、11月に「マインズ千葉」が開業することがわかった。
「マインズ千葉」は地上9階・地下1階の複合施設で、総事業費は180億円。そのうち、1~6階と7階の半分には「ビックカメラ千葉駅前店」が出店する。
売り場面積は東京都・池袋の「ビックカメラ池袋本店」を上回る約1万3000㎡で、店内には最新家電製品だけではなく非家電製品まで幅広くそろえる方針だ。
千葉県内では柏店、船橋駅FACE店に続く3店舗目で、隣接するビルには「ヨドバシカメラ千葉店」が入るので、千葉駅東口は池袋や秋葉原、新宿、横浜などと同じく家電量販店激戦区になることが予想される。
また、ビックカメラといえば今年6月大阪高槻市に「ビックカメラ高槻阪急店」をオープンし、グループ会社のソフマップも4月に「ソフマップAKIBA駅前店」(東京都千代田区)、コジマも8月に「コジマ×ビックカメラ宇都宮テラス店」(栃木県宇都宮市)など6店舗を開店。
グループ全体で積極的な店舗展開を進めていて、今回の出店もインパクトがある。
なお、同施設の地下1階は「しゃぶしゃぶバイキング しゃぶ葉」や「Cafeレストラン ガスト」など、すかいらーくグループの飲食店が入居。9階には「サイゼリヤ」や「くら寿司」も出店するという。
美容整形外科もオープンするようだが、基本的に「マインズ千葉」はビックカメラとグルメ系店舗で占められるようだ。
千葉駅周辺では2016年に千葉パルコ、17年に千葉三越など、大型商業施設の撤退が相次いだ。
跡地にはタワマンが整備される予定だが、「マインズ千葉」や既存商業施設との相乗効果で、にぎわいは取り戻されていくに違いない。
千葉市では「千葉駅周辺の活性化グランドライン」として、駅周辺を「東エリア」「西エリア」「北エリア」「駅周辺共通」にわけて再開発を推進してきた。「マインズ千葉」は東エリアの開発のひとつというわけだ。
千葉市の人口は高度経済成長期を経て急増し、2020年には約98万人に達した。直近は98万人を割り、今後も減少する見通しだ。
こうした課題に直面するなか、再開発を通じたターミナル駅周辺の利便性向上にかかる期待は大きい。同じような悩みを抱える自治体の参考にもなるだろう。
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健美家編集部(協力:
(おしょうだにしげはる))