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川口市・旧そごう川口店の建物を三井不動産が取得。今後新たな商業施設に改修へ

都市計画・再開発(地域情報)/横浜・川崎・千葉・埼玉/首都圏 ニュース

2023/10/09 配信

JR川口駅東口の様子
JR川口駅東口の様子。中央左の建物が旧そごう川口店。右の建物は「かわぐちキャスティ」という複合商業施設だ。

9月13日の市議会で市長が明らかに

埼玉県のJR川口駅前にある旧そごう川口店の建物について、三井不動産が所有権を取得することがわかった。

2023年9月13日に開催された川口市議会:9月定例会の中で奥ノ木市長が明らかにした。

奥ノ木市長によると、9月12日にそごう・西武と三井不動産など関係各社の担当者が奥ノ木市長のもとを訪れたという。

訪問に際して、すでに建物の売買契約を締結して引渡しに向けた調整を行っていること、商業施設としてリニューアルオープンするべく、三井不動産が改修工事をする予定であるなどの報告があったとのこと。

なお、各メディアの報道によると、三井不動産は「整備の詳細については検討中であり、まずは引渡しに向けた調整を進めたい」旨のコメントを発表しているという。

そごう川口店は1991年にオープンし、長らく川口駅前の顔として営業を続けたが、2021年2月末に閉店していた。

建物の規模としては、地上11階・地下2階建てで延床面積が約7万3,000㎡の大型施設だ。景観上のインパクトも大きい。

一方で、閉店後は一部の店舗を除いてほとんどのフロアが使われていなかった上に、そごう・西武からは2年以上にわたって特に何の発表もなかったため、地元では不安も募っていただろう。

2020年には、川口市・地元の商工会議所および商店街連合会の3者からそごう・西武に対して、活用方針の決定を促す申し入れが行われていた。

地元としては旧そごう川口店を川口駅前の賑わい創出に関する中核して捉えているだけに、奥ノ木市長も事態の進展に対する今後の期待感を表明している。

川口駅東口のペデストリアンデッキ
川口駅の東口はペデストリアンデッキで様々な周辺建物とつながっており、歩行者が周辺施設に直行できるのが特長的だ。

さらに、旧そごう川口店の建物から見て東にある商店街の樹モール(じゅモール)と、さらにその周辺との回遊性向上を目指したいとも奥ノ木市長は発言している。

樹モールの周辺では、野村不動産が2023年5月に「樹モールプラザ」というマンション直結の複合施設をオープンしており、スーパーマーケットや複数の店舗が営業中だ。

樹モールプラザ
商店街の樹モールに面した場所に建設された樹モールプラザ。右に写っているタワーマンション直結の商業施設となっている。

※引用:樹モール 川口銀座商店街

奥ノ木市長は、樹モールの周辺で今後新たな再開発を検討していくことも答弁の中で示唆しており、実現すれば川口駅東口エリアのさらなる賑わいを期待できるだろう。

統計がとても優秀でイメージも良い川口市

旧そごう川口店の閉店は、当時不況やコロナの影響というイメージと共に大きく報道されたが、人口などの統計を見ると、川口市はとても優秀なエリアだ。

川口市の人口推移
足踏みする時期もあったが、長期的にはきれいな右肩上がりで人口増加を続けているのが川口市の特長だ。

※引用:川口市

ところどころで足踏みする時期はあるものの、人口と世帯数は順調な増加を続けており、賃貸入居のメインターゲットとなる20歳~34歳の世帯が特に増え続けている。

駅前の商業施設が充実していけば、さらなる人口流入を期待してもいいだろう。

また、ARUHIが発表している「本当に住みやすい街大賞」では複数年にわたって関東地方のランキング上位に入るなど、エリアのイメージも良い。

難点を挙げるとすれば、埼玉県内と言えども東京都心に近いせいで物件価格が安くないことだろうか。

しかし、懸案であった旧そごう川口店の今後について、明るいニュースが入ってきたことは間違いなくプラスに作用するだろう。粘り強く物件を探してみるのも、1つの選択肢ではないだろうか。

取材・文:秦創平(はたそうへい)

秦創平

■ 主な経歴

フリーランスライター。
不動産業界歴約12年を経て2019年からフリーランスのwebライターとして活動を開始。営業マン時代にはセミナー講師の経験も多数あり。
国内・海外を問わず不動産投資に関する記事が専門で、現在では毎月数十本単位の記事を執筆中。特にデータを用いた市場分析が得意で、海外マーケットに関するリサーチ記事の執筆も多数請け負っている。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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