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茨城県ひたちなか市・ひたちなか海浜鉄道が延伸・新駅を整備。着工から早ければ5年後に完成!

都市計画・再開発(地域情報)/横浜・川崎・千葉・埼玉/首都圏 ニュース

2024/02/18 配信

2期にわけてひたちなか海浜鉄道を延伸。2期に分けて線路と新駅を整備

茨城県の太平洋沿い中央、県庁所在地の水戸市に隣接するひたちなか市。人口は約15万5000人で、水戸市、つくば市、日立市に次いで県内第4位、高齢化率は低いほうから第5位と、活気のあるエリアだ。

市の玄関口であるJR常磐線の勝田駅からは、乗り換えなしの直通で上野駅、東京駅、品川駅にアクセスでき、北関東や東北エリアへのアクセスもよい。画像は国営ひたち海浜公園。
市の玄関口であるJR常磐線の勝田駅からは、乗り換えなしの直通で上野駅、東京駅、品川駅にアクセスでき、北関東や東北エリアへのアクセスもよい。画像は国営ひたち海浜公園。

勝田駅は水戸駅、取手駅、土浦駅に次いで県内で乗降客数が多い。駅の東口には市街地が広がり、飲食店やスーパー、市役所、総合病院、マンションなどが集積。

西口の目の前には日立製作所系列の広大な施設が広がり、10分ほど歩くと住宅街となる。駅周辺には大型商業施設のほか、公園や図書館、子育て支援施設も充実している。観光名所として知られる国営ひたち海浜公園の近隣には、広い駐車場を備えた大型商業施設も建ち並ぶ。

そんな同市の公共交通で忘れてならないのが、自治体と茨城交通による第三セクターが運営する「ひたちなか海浜鉄道」だ。2008年に茨城交通の鉄道部門を新設分割して誕生し、同社から継承した勝田駅から阿字ヶ浦駅までを結ぶ湊線を経営している。

湊線は路線距離14.3㎞の鉄道で、1913年の開業当初は茨城交通が運営していた。最盛期は年間200万人の利用者がいたが、高度経済成長期やバブル崩壊を経て、1998年には100万人を割ることに。

2005年12月に同社はひたちなか市に対して、赤字で経営が厳しいため2008年3月に廃線にする意向を示したが、最終的には第三セクターとして路線は維持されることとなった。

その後は列車増発や最終列車の繰り下げ、新駅の設置、割安な年間通学定期券の発券などに取り組み、実績は徐々に回復。2017年度に利用者は100万人台に回復した。なお、2022年度は約111万人にのぼり2年連続で過去最高を更新している。一方、収入の中心となる観光利用はコロナ禍前の水準まで戻らず、収支は1400万円の赤字だった。

そんな同線だが、路線を伸ばし国営ひたち海浜公園の南口に新駅を設置する計画を固めたという。

延伸するのは阿字ヶ浦駅から先の約3.1㎞。2021年1月に国から認可を受けていたが、コロナ禍による景気低迷や物価高騰による建設費の増加などを受け、2年連続で工事認可申請を延期し、計画の見直しを進めていたという。

その結果、まずは第1期として南口付近に新駅を設置して阿字ヶ浦駅から同区間までの1.4㎞を先行して整備・開業し、これに次ぐ第2期では当初の計画である大型商業施設が隣接する公園の西口付近まで、約1.7㎞の区間を整備する方針だ。なお、西口の駅にはバスターミナルも併設する予定で、物産品販売や飲食を提供する観光拠点も整備するという。

延伸の計画図。まずは阿字ヶ浦駅からひたち海浜公園南口までの約1.4㎞をつなぎ、その後に西口までの1.7㎞をつなぐ計画だ。 画像出典:国土交通省
延伸の計画図。まずは阿字ヶ浦駅からひたち海浜公園南口までの約1.4㎞をつなぎ、その後に西口までの1.7㎞をつなぐ計画だ。
画像出典:国土交通省

地方鉄道の多くは赤字路線で、経営環境は厳しい。そうした中、ひたちなか海浜鉄道の取り組みは異例ともいえる。

ただし、ひたち海浜公園は年間で約200万人が訪れる観光スポットであり、今後はインバウンドの需要増が期待できる。

終着駅となる海浜公園西口の周辺にはアウトレットモールやホームセンター、家電量販店などの大規模ショッピングセンターもあり、買い物に便利だ。同社としては勝算があるのだろう。なお、第1期工事は2024年3月までに工事施行認可を国に申請、着工してから早ければ5年で完成するという。

延伸区間の沿線には工場や工業団地の整備計画

ひたちなか市には日立製作所のグループ企業が多く、地域雇用を下支え。さながら、日立製作所の企業城下町といって差し支えない。

一方、近年は海側に位置する「ひたちなか地区」に多くの企業が進出し、今後も大規模工場や工業団地が整備される計画だ。これらのエリアは延伸区間の沿線に当たるので、将来的には今以上の通勤需要が期待できるだろう。

今回の延伸計画は観光だけではなく工業のさらなる発展に寄与するなど、ひたちなか市の経済発展とも無関係ではない。ひたちなか海浜鉄道にとっても、赤字路線から黒字路線への転換、さらなる業績向上にひと役買うのではないだろうか。

健美家編集部(協力:大正谷成晴(おしょうだにしげはる))

大正谷成晴

■ 主な経歴

フリーランスの編集・ライター。
不動産投資、株式投資、投資信託、FXなどマネー関連、ビジネス全般、働き方、副業、クレジットカード、医療・介護など、幅広いジャンルで取材・執筆を行っている。

■ 主な著書

  • 『決定版 1万円からはじめるFX超入門』(かんき出版)

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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