駅ビルの中には商業施設の「アトレ」も
JR東日本は、東京の中野駅で進めている新駅舎と駅ビルの開発概要について発表した。
JR・中野区・東京地下鉄(東京メトロ)の三社で協力して「中野駅西側南北通路・橋上駅舎等事業」を推進するという。
中野駅は東京メトロ東西線の始発駅なので、JRと中野区だけではなく東京メトロもこの事業に参加している。
2023年現在、中野駅の駅舎は中野通りの東側に位置しており、改札口は1箇所だけだ。
だが、今後は中野通りの西側に駅舎を建設し、新駅舎の上に商業施設のアトレが入る形となる。
新駅舎の方では南北の通り抜けが可能な自由通路が設けられるので、歩行者は中野通りまで出なくても良くなる。
そのほか、新駅舎には各ホームに対応したエレベーターが設けられるということで、バリアフリー対応も進むようだ。
新駅舎の規模は延床面積が約2,700㎡、その上に乗る商業施設の規模は延床面積が約16,900㎡となっている。
延床面積が10,000㎡を超える規模の商業施設はそう多くないため、完成すればそのインパクトは大きいものになるだろう。
駅舎と商業施設は5階建てで、2階が駅舎及び店舗、3階・4階が店舗、5階が後方施設となっている。
中野駅の周辺には、北口にアーケード商店街のサンモール中野があるほか、南口には商業施設のマルイもある。駅ビルができると、中野駅周辺の利便性はさらに上がることになるだろう。
2023年10月時点では、新駅舎と自由通路の開業予定のみが発表されており、商業施設の開業時期は別途発表されるとのこと。なお、新駅舎と自由通路の開業時期は2026年の予定だ。
駅周辺でも多くの開発計画が進行中
JRが発表したプレスリリースには「駅前広場を整備する中野区や周辺再開発事業者とも連携しながら(以下略)」と書かれている。
中野区は2022年4月に「中野駅駅前広場デザイン等整備方針」を策定しており、資料を見ると、今後「新北口交通広場」の整備が進むとわかる。
※引用:中野区
現地ではかなり前からバス・タクシーの乗場などとして活用されており、骨格はすでにできていると考えて良いのではないだろうか。
ただ、妙に広い割にはデッドスペースが多いような印象もある状態となっていたため、スペースの有効活用が進むという点で、今後に期待がかかる。
さらに、駅のすぐ側では、中野駅前のシンボル的な存在であった中野サンプラザが2023年7月に閉館しており、中野区役所の庁舎と合わせて新施設に建て替えられる。
新施設の開業は2028年度末までの予定だ。中野サンプラザの建て替えに関しては、こちらの記事で詳しく解説している。
JR中野駅前が大きく変貌。中野サンプラザと中野市役所の建て替えが本格化
そのほか、新駅舎・駅ビル予定地の西側では「パークシティ中野」という新街区の開発が進んでいる。
こちらも約2ヘクタールの広大な敷地に全3棟の建物が建つ、大規模な再開発だ。建物の竣工予定は2025年12月。
パークシティ中野の詳細については、こちらの記事で解説している。
中野駅前で進行中の大規模再開発。街区名称が「パークシティ中野」に決定
駅ビルに入る商業施設の開業時期はまだわからないが、中野駅周辺は今後の5年間で大きく変わっていくだろう。周辺エリアの不動産投資市場にも好影響を与えると期待したい。
取材・文:
(はたそうへい)