• 完全無料の健美家の売却査定で、できるだけ速く・高く売却

×

  • 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集

501万円で不動産管理会社をM&Aした経緯。3つあるM&Aの種類

koziさん_画像 koziさん 第47話 著者のプロフィールを見る

2024/1/15 掲載

今回は、私の会社が去年、M&Aで不動産管理会社を購入し、管理会社を変更したことについて、書かせていただきます。

■不動産管理会社をM&Aで購入したきっかけ

昨年の初めごろから自分で行っている宅建法人で、自分の物件の賃貸仲介や管理も行えないかと考えていました。ただ、私の宅建法人は私も含めてですが、売買や売買仲介がメインで従業員も賃貸仲介や物件管理の経験がありませんでした。

賃貸仲介や物件管理を本格的に行おうとすると、経験のある従業員を雇用して専任で任せる必要があります。

私の物件の管理をお願いしている管理会社には、管理費や仲介手数料などで毎年数百万、多い年には1千万円以上を支払っていました。自社物件の管理をお願いするために、経験のある従業員を雇用することは可能ではありました。

しかし、自社物件だけで経験のある人を雇用して賃貸仲介や管理を行うのは、それなりにリスクがあるとも思いました。そこで、賃貸仲介や管理を行っている管理会社をM&Aで取得すればいいのではと思い付きました。

賃貸仲介や管理を行っている管理会社をM&Aで取得すれば、既に賃貸仲介や管理を行っており、ノウハウや実績もあるので、自分の物件の賃貸仲介や管理にも取り組んでもらいやすいと思ったのです。

M&Aサイトで身売りしている管理会社を探す

そこで、登録していたM&Aサイトで身売りしている賃貸仲介・管理専門の管理会社を探しました。見てみると、思ったより多くの身売り先を探している不動産会社が見つかりました。

私は早速、M&Aサイトで気になった幾つかの不動産管理会社にメッセージを送り、面談の申込みをしました。

お話を聞いてみると、中には不動産管理会社といっても従業員は代表者一人という会社や、かなりの債務超過で倒産寸前の会社、従業員は引き継がず、お店と宅建業の免許だけを売却したいという会社もありました。

M&Aでは、会社の財務状態をきちんと確認しておくことが大切なので、そのヒアリングも行いました。なかなか、自分が思うような不動産管理会社のM&A案件は見つかりませんでした。

少し時期を置いてから、またM&Aサイトで不動産管理会社のM&A案件を探してみました。すると、気になる不動産管理会社のM&A案件を見つけました。既に10人以上の交渉申込が入っています。

他の会社と交渉が進んでしまっている可能性があると思いましたが、ダメ元でメッセージを送り、面談の申込みをしました。すると、「面談したい」という返事をいただきました。早速、オンラインで面談を行いました。

面談相手の不動産管理会社の方と話しているうちに、意外なことがわかりました。その会社は私の所有物件の近くで店舗を構えており、私の物件の仲介や案内を何回もしたことがあると言うのです。

なんと、この不動産管理会社は、私が物件の管理を委託している管理会社のFC加盟店の一つでした。

■M&Aの条件交渉

こんな偶然は滅多にないと思い、詳しい話を聞いてみました。
身売りをする理由は、管理物件や賃貸仲介の顧客(物件オーナー)を近隣の不動産会社に取られてしまい、ジリ貧の状態で会社が債務超過になっているためということでした。

従業員たちには会社を辞めてもらって、お店と宅建業の免許だけを譲渡することも考えていると言います。また、私が面談するより前に既に複数の法人からM&Aの条件提示がされているという話も聞きました。

ただ、まだ不動産管理会社の代表者が希望する内容を提示した法人はないとのことでした。社長さんが躊躇している他の会社に提示された条件というものを聞いてみると、次のようなものでした。

・賃貸仲介や管理だけでなく、売買仲介も行うこと
・既存顧客(物件オーナー)にリフォームの営業をすること
・今の不動産管理会社の従業員は代表者一人だけが残って、他の従業員は買収する法人の不動産店舗に勤務すること

そこで私は、次のような内容をM&Aの条件として提案しました。

・代表者の方も含めた全ての従業員の雇用を継続します
・今までどおり、賃貸仲介や管理専門の事業を続けて下さい。そして、私の所有している幾つかの物件の管理と賃貸仲介をお願いします

後日、不動産管理会社の代表者から、私の提示した条件内容で法人ごと身売りしたいという連絡をいただきました。

■上記の不動産管理会社をM&Aした理由と取得金額

私が今回、この不動産管理会社をM&Aした理由は主に以下の4つです。

①この不動産管理会社が私の所有している物件の仲介や案内をしており、物件のことも良く分かっていること

②代表者も含めた従業員全員が宅建士の資格を保有しており、賃貸仲介や物件管理の経験が10年以上あること

③債務超過ではあるが、有利子負債は日本政策金融公庫からの借入100万のみで、残りの負債は代表者が法人に貸付けている役員借入金の数百万円だけであったこと

④既件の物件管理や賃貸仲介の売上と合わせて、私の所有している物件の管理と賃貸仲介を行うことにより、売上が上がり利益も黒字化することが可能であること

この不動産管理会社をM&Aした取得金額ですが、501万円です。
内訳ですが、代表者が保有していた法人の株式を1万円で譲渡を受け、残りの500万円は代表者の役員借入金の返済資金として、私の法人が不動産管理会社へ増資を行いました。

それにより、不動産管理会社の債務超過も解消されました。

■M&A案件の分類3つ

M&A案件は3つに分類されると私は考えています。

1)エグジット案件

一つ目が「エグジット案件」です。いわゆる法人の代表者や創業者が会社が軌道に乗っている状態の時や、後継者がいない時に手放す案件です。エグジット案件での条件交渉は多くの場合、譲渡金額のウエイトが高くなります。

2)選択と集中(損切り)案件

二つ目が、「選択と集中(損切り)案件」です。複数の事業をやっている法人や複数店舗を持っている法人が、不採算事業や不採算店舗を売却するという案件です。

また、複数の事業をやっている法人が主軸の事業に経営を集中するために他の事業を売却するケースもこれにあたります。

この選択と集中(損切り)案件も、条件交渉としては、譲渡金額のウエイトが高くなることが多いです。既存従業員の継続雇用や既存取引の継続などのウエイトが高くなるケースもあります。

3)再生案件

三つ目が、「再生案件」です。既存の代表者や従業員だけでは事業を継続するのが難しい場合がこれにあたります。既存のメンバーでは赤字解消や業績回復させることができない案件です。

この再生案件の条件交渉は、譲渡金額よりも既存の事業継続や既存従業員の継続雇用、既存取引の継続などのウエイトが高くなります。

私が今回M&Aした不動産管理会社の代表者も、今までどおりの賃貸仲介や管理を専門で事業を行いたい、そして従業員は全員継続の雇用を希望するということでしたので、再生案件に分類されます。

今回は、私が管理会社をM&Aした経緯や、M&Aの分類について紹介しました。次のコラムでは、この不動産管理会社をM&Aして管理会社を変更したメリットや、管理会社を変更したことによって気づいた点などを記載させて頂きます。

 

無料会員登録

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

アクセスランキング

  • 今日
  • 週間
  • 月間

プロフィール

Koziさん

Koziさん

不動産賃貸業
IT系企業のサラリーマン
都内に妻と子供と3人暮らし

プロフィールの詳細を見る

経歴
  • □1980年
    神奈川県川崎市の武蔵小杉の地主の家に生まれる

    □1999年(19歳)
    不動産賃貸業に関わり始める

    □2002年(22歳)
    和光大学卒業

    □2004年(24歳)
    公認会計士、不動産鑑定士の試験に合格
    (他に宅地建物取引士、行政書士、賃貸経営管理士等の資格も持つ)
    IT系企業に入社

    □2008年(28歳)
    叔父の不動産を引き継ぎ2015年に法人化
    会社員を続けながら、不動産事業にも取り組む

    □2018年(38歳)
    企業主導型保育事業を開始

    □2021年
    所有物件数15棟(レジデンス、店舗、グループホーム、保育園)
    年商7億円(保育事業の収入含む)

閉じる

ページの
トップへ