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売りたくない「良い物件」を売ってみる

極東船長さん_画像 第35話

平成24年、初めての高層賃貸マンションを新築しました。10階建で、世帯数は2LDKと3LDKを合わせて34世帯もある物件です。総事業費は5億弱。当時のオイラの実力からみると、かなりのキャパオーバーと言える大きな案件でした

このマンションを建てるまで、紆余曲折がありました。行動し続け、もがいているうちに、それまで点と点だったものが繋がりはじめて、人のご縁もあり、建てる事ができました。

この物件も当然、融資を受けて建設したわけですが、その元手となった自己資金は、それまで所有していた古い物件を何棟か売却して造ったものでした。

その少し前の平成22年〜23年頃は4層RCマンションを建てたり、中古の鉄骨物件を2棟買ったりと、新規物件を取得しつつ、1棟目や2棟目に取得した古い木造アパートの売却を進めており、その資金が生きた形です。

■ 市場価格の半分しか評価してくれない銀行への怒り

木造アパートの売却を進めた理由のひとつに、以前にある物件で融資を申し込みした際に、融資担当者から木造アパートの評価について言われた言葉がありました。

その担当者は、オイラの2棟目の木造アパート( 平成10年に築10年のアパ―トを利回り12%で取得し、10年のローン期間で購入したため平成20年の年末で借金が無い状態になっていました )について、こう言ったのです。

「 銀行が担保として評価するのは固定資産評価の7掛けで、この物件の担保価値は、2,000万円程度です」

毎年500万の家賃が入り、土地の実勢価格も2,800万はある物件です。市場では4,000万ほどの流通価格なのに、銀行から見たら半分でしか評価されない事に、オイラは憤慨しました。

( これが築古木造アパートメインのポートフォリオだと融資が伸びない要因の一つです )

そして、それならば実際に現金に換えて、その銀行の預金通帳に積んでやろうという大人気ない気持ちで売ることにしたのでした。

■ 愛着と未練を振り切って、売却へ

早速、懇意にしていた会社に売却のお願いをしたのですが、媒介契約を2度更新し、半年経過しても売れません。そこで、3回目の媒介契約の更新せず、このまま持ち続ける方に考えが変わりだしました。

希望の価格で売れないなら売却せずに家賃を受け取り続けようという気持ちになったのです。ところが、皮肉なことに気持ちが変わった頃に「 買主が現れた 」と媒介契約が切れてしまった会社から連絡がありました。

既に2年前に借金が終わっていて、毎月40万前後のお金を生んでくれるオイラにとっては「 お宝不動産 」( 沢さんから引用 )のような物件でしたし、やっぱり持ち続けようと思ったところだったので、オイラの心には大きな迷いが生じました。

当時はこの物件を含めると2,000万円以上の税引き前CFになっていました。オイラは当時、「 不動産で毎月100万円のお金を使えるようになる為に、その2倍のCFを得たい 」と考えていました。

その目標がようやく、達成できそうなタイミングでした。銀行に対する意地( 笑 )のような形で売却を決意したもの、そのCFを減らすのはどうなのかなという若干の不安もありました。

また、さらに言えばこの2棟目アパートは、購入から二回も外装塗装を施していました。購入8年目には家賃保証を付けてくれていた売主の〇オ〇レスから、全室空室で返されることになり、その後、必死になって満室にしたこともあります。

そんな理由もあり、愛着と未練は相当なものでした。売る気が失せた時期でもあり、買主が見つかったと連絡を受けても直ぐにはもう一度売る気にはならなかったのです。

しかし、冷静に数字で判断すると、「 一度現金化して次の投資へ使う方がより効率的だ 」と頭が段々と判断をするようになりました。加えて、この物件は個人所有で10年以上経過していますので、税率も分離課税の20%になっていました。

心は売りたくないと思っているのですが、頭は売りだと判断しています。その心と頭の綱引きの結果、「 投資家としては売りが正解 」という答えが出ました。

■ 売却後、半分が空室になったアパート

買主は直前に地元の資産を売却し、代替え資産を求める現金買いの法人の代表者でした。

売却決済時に、これまで手をかけてきた経緯と、今後どのように運営すると満室経営が出来るかを伝えましたが、買主様には無用のお節介だったようです。

なぜそれがわかるかという、売却後、この物件は3度も管理会社を変更し、現在はポストを見る限り、半分近く空いている状態だからです。( 勉強のために売却後も定点観測をしています )。

少なくともオイラが運営していた頃は入居付けにはあまり苦労しなかった物件だったので、どうしてそうなったのかと気になっていました。

売却当時の管理会社に聞いたところ、新しい所有者は、管理担当者からのリフォーム提案には聞く耳を持たず、広告費も出さず、家賃も落とさなかった為、決めれるものも決めれなくなってしまったということでした。

その方は札幌から少し離れた地方都市で賃貸物件を持っていた人で、地元ではあまり苦労せず賃貸経営をしていたようです。その物件が売れたお金でオイラの物件を代替えで購入し、地元で通用したやり方を札幌でも踏襲したのでしょう。

現金での購入でしたので、強気の賃貸経営が出来たのかもしれません。利回りも売却時で14%ありました。購入から4年程度で差し引き土地代程度まで資金回収が進むことになります。

リスクは小さいので、賃貸経営には力を入れなかったとも考えられます。築年も現在で築29年になりますので、もしかしたら自然退去を経て、全空にして更地売却、もしくは新築計画があるのかもしれません。

外から見ただけでは本当の事は分かりませんし、持ち主の心も分かりようもありません。ただ、上記のような建て替えや売却の計画だとしても、オイラならまだまだ満室を維持するように色々な方法を試み続けると思います。

「 不動産投資は100人100様 」がここにもあります。

■ 物件は購入よりも売却の方が難しい

話を戻します。オイラ的には一時的にキャッシュフローは細くなりはしましたが、自己資金となるお金が通帳に残り、マンション新築につながったことは、いい流れといえました。

また「 売りたくない物件を売る 」という経験を積むことができました。おかげで、その後は数字で判断し、ドライに物件の売却判断が出来るようになったと感じています。

物件は、購入するよりも売却の方が心理的には難しいものです。だからこそ、売却を経験することで学びを得て、投資家として成長できるのだと感じています。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 極東船長さん(きょくとうせんちょう)

極東船長さん

船長のブログ
極東船長の子供たちに伝えたいこと徒然

北海道の東の町在住
10棟300室の大家

■ 経歴

□1958年、北海道生まれ

高校卒業後、家業である漁業を継ぎ乗船、24歳から船長になる

□1993年(35才)
船の転覆を機に陸の仕事に就く。
収入が激減し、投資の勉強を開始。

□1995年(37才)
1棟目、札幌市内の中古APを購入(1DK×8戸、築5年)⇒売却

□1998年(40才)
2棟目、札幌市内の中古APを購入(1K×14戸、築10年)⇒売却

□2004年(46才)
3棟目、新築APを札幌市内に建てる(1DK×15戸、土地から取得して新築)⇒売却

□2005年(47才)
4棟目、苫小牧市内の中古APを購入(1DK×10戸、築7年)⇒売却

□2005年(47才)
5棟目、苫小牧市内の中古APを購入(1K2戸×2DK×4戸、築10年)⇒売却

□2006年(48才)
6棟目、札幌市内に新築APを建てる(1LDK×8室、新築)

□2007年(49才)
7棟目、道東某市内に中古APを購入(1DK×12室、築3年)

□2007年(49才)
8棟目、道東某市内に中古APを購入(1DK×20室、築4年)

他にも都内区分、中国区分、苫小牧の中古AP等、様々な物件の売買を続けながら、徐々に規模を拡大。

□2009〜2017年(51〜59才)
札幌市中央区にRCマンション11棟を新築(うち3棟売却済)

□2018年(60才)
所有物件は個人と法人合わせて20棟450室

家賃年収は4億強、諸経費控除後の税引き前CFは1億強、税引き後CFで8千万円

※物件は常に売買しているため、タイミングによって変わります。

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