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消費税還付、海外不動産に規制!? 「税制改正」予測を踏まえた年末までにすべきこと

渡邊浩滋さん_画像 第57話

毎年12月の中旬頃に来年度の税制改正大綱が発表されます。11月末頃に、消費税還付を規制する改正、海外不動産の節税スキームを規制する改正の検討をしているというニュースが立て続けに入ってきました。

年末までにやるべきことと合わせて、改正に向けての対策を解説していきます。

1.消費税還付の規制

賃貸住宅の建物に係る消費税還付をするためには、金の売買を繰り返し行い、課税売上高を増やす方法が取られています。このスキームによる還付を防ぐ改正が行われるということになりそうです。

スキームについて詳しい解説は、こちらをご覧ください。
知らなかったではすまされない。「 消費税還付 」の税務リスクl

今年の夏頃に、国税庁より、以下のような改正意見があがっていました。

「 課税売上割合の計算に含めると事業者の事業実態からかい離することとなる場合には,当該資産の譲渡に係る売上高を課税売上割合の計算から除外する。若しくは,事業者が算出した課税売上割合が事業実態からかい離する課税売上割合と認められる場合の事後的否認規定を措置する。」

これはあくまでも意見であり、実際にこのように改正されるかどうかはわかりません。気になるのは、事後的否認規定を措置されると、過去に遡って否認できることになるということです。

おそらく、取得から3年目の課税期間に課税売上割合が著しく変動している場合の調整計算で、金の売買による取引を課税売上と認めず、還付金を返納させることが狙いと考えます。つまり、過去の金の取引について、後に、もの言いが入るということです。

憲法第84条には、「 あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする 」とあります。

国民が余地できない法律の適用ができないこと( 租税法律主義と言います )から考えると、この改正がされる前までは遡ることはできないと予測できます。つまり、この改正が発表される前の金の売買については、否認できないのではないかと考えます。

もし今後、金の売買をする予定であれば、年内に実行する方がよいかと考えます。( なお、年内に実行すれば、確実に課税売上になることを保証するものではありませんので、ご留意ください )

2.海外不動産の規制

日本の居住者が、海外不動産を購入した場合、日本の税制が適用されます。中古の耐用年数によって、最短で4年で償却ができます。海外の方が、売買金額のうち建物金額が占める割合が高いため、多くの減価償却費が取れ、税務申告上の赤字が作れることになります。

この赤字を日本の給与所得などと相殺して、全体の所得を圧縮するスキームが増えていました。ここに規制が入る予定になっています。

詳しくは、こちらのコラムをご覧ください。
海外不動産の減価償却にメス! 今後の税制改正が予測される海外不動産の節税スキーム

ニュースによると、「 2021年以後の海外の中古物件で生じた赤字はなかったものと扱い、日本国内での損益通算には使えないようにする 」とのこと。赤字を相殺することができないだけであって、増税になることではありません。( 節税にならない分増税にはなりますが )

今後は、節税スキームでの海外不動産が売れなくなる可能性があり、価格が下がってしまうことも考えられます。そうなる前に早目に売却してしまうのも、ひとつの手だと思います。

3.その他、年末までにしておくべきもの

今回の改正ではありませんが、2018年から配偶者控除の適用要件が変わっています。本人( 被扶養者 )の合計所得金額が900万円を超えると配偶者控除が少なくなります。1,000万円を超えると配偶者控除が全く受けられません。

この影響で、2018年度の申告では、前年の所得と変わらないのに増税になっている方が多く見受けられました。

・合計所得金額が900万円の場合の配偶者控除(一般)は、38万円
・合計所得金額が901万円になると配偶者控除(一般)は、26万円
⇒控除額が12万円異なる

あと少し経費を入れれば、大きく税金が減る可能性があるのです。合計所得金額がいくらになるのかを意識して、経費を今年使うべきか、来年使うべきかを判断するとよいでしょう。

その上で、経費を使うのであれば、来年以降の収入につながるような経費を使いましょう。たとえば、物件のリフォームや新たな設備を設置するなどです。

価値が上がるようなリフォーム( リノベーションなど )や新たな設備の設置は、資本的支出として資産計上しなければならず、全額経費にすることができなくなります。( 減価償却を通じて、経費にしていきます )

合計所得金額を意識した場合には、全額を経費にできるような修繕をしたいものです。全額経費にできる基準に当てはめて修繕するかどうかを判断するとよいでしょう。

《 リフォームが全額経費になる基準 》

○どんな修繕でも( 資本的支出に該当しても )20万円未満ならすべて修繕費
○3年以内の周期で修繕・改良等が行われているものはすべて修繕費
○金額にかかわらず明らかに修繕といえるものは全額修繕費
○区分不明なものは、60万円未満または取得価格の10%以下ならすべて修繕費

《 新たな設備が全額経費になる基準 》

◯1個につき10万円未満のもの
◯青色申告者の場合1個につき30万円未満のもの( 総額300万円まで。2020年3月31日までに取得したもの )

賃貸経営に対する節税スキームがどんどん規制されていきます。スキームに頼らず、経営を良くする方向に舵を取っていく時代になるのではないかと思います。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 渡邊浩滋(わたなべこうじ)さん

渡辺税理士

税理士・司法書士・大家
渡邊浩滋総合事務所代表

サイト「大家さんの知恵袋」

■ 経歴

大学在学中に司法書士試験に合格

大学卒業後総合商社に入社。法務部にて契約管理、担保管理、債権回収などを担当

商社を退職後、税理士試験に合格
その頃、実家のアパート経営(5棟、全86室)が危機的状況であることが発覚。 経営を立て直すために自ら経営を引き継ぎ、危機的状況から脱出する

資産税専門の税理士法人に勤務した後、2011年12月、独立開業

税理士の視点と大家の視点からアパート経営を支援するために活動し、税理士・司法書士のワンストップサービスを提供している

2011年、「行動する大家さんの会」を設立

2013年、「一般社団法人 大家さんの道しるべ」代表理事就任

資格専門学校の講師、賃貸住宅フェアでの講演、セミナー講師等、幅広い分野で活躍中

2017年からは日本全国の大家さんを救うべく、フランチャイズ展開を開始。
同じ志を持つ税理士を求めている。

■ 主な著書


大家さん税理士による 大家さんのための節税の教科書(ぱる出版)


大家さんのための超簡単!青色申告(クリエイティブ ワークステーション)


「税理士」不要時代(経営者新書)


税理士大家さん流 キャッシュが激増する無敵の経営 (ぱる出版)

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