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ユニット交換しなくても新品のような風呂に。「安く、短期できれいに」を叶えるエコバスリフォーム

賃貸経営/リノベ・修繕 ニュース

2023/08/28 配信

左がヌリフォーム、右上がパネリフォーム、右下が床ハリフォームのいずれも施工中の様子
左がヌリフォーム、右上がパネリフォーム、右下が床ハリフォームのいずれも施工中の様子

水回り、特に風呂の改修には費用がかかる。だが、古い物件の場合、古さが如実に現れ、入居者に嫌われてしまうのも風呂場。交換以外の手で、安く、短期できれいに改修できないか。

そんな思いを叶えてくれるのが吹き付け塗装や浴室用のパネルやシートを使って施工するエコバスリフォームだ。どんな物件に向いているのか、話を聞いた。

メリットがもっとも大きいのは
築古RCでユニットバスが入らない物件

風呂を交換せずに新品同様に生まれ変わらせるエコバスリフォーム。「困っている」ともっとも相談が多いのが築古の、ユニットバスが一般化する前に建設されたRC造の集合住宅。

RCに在来工法のコンパクトな風呂が設置されていた物件の改装例。上が改装前、下が改装後
RCに在来工法のコンパクトな風呂が設置されていた物件の改装例。上が改装前、下が改装後

「築40年以上で建物はRC造だけれど、風呂は在来工法で作られており、サイズが幅1mなどとコンパクトで入るサイズのユニットバスが入らないというケースです。改修しようとすると壁を壊してスペースを広げなければならなくなりますが、壁の隣に洗面所、キッチンなどがあると、そこにも手を入れることになり、100万円単位の費用が必要になります。

こちらも同様に上が改修前、下が改装後。どれも見違えるように変わっている
こちらも同様に上が改修前、下が改装後。どれも見違えるように変わっている

それだけ費用をかけて10数万円の家賃が取れるなら別ですが、5万円、6万円という家賃のエリアで何百万円もの費用をかけるのは収支が合いません」とエコバスリフォームを展開する株式会社バスシステムデザイン研究所代表取締役社長の日吉孝夫氏。

大手のハウスメーカーが建てた物件で、オーナーに経済的な余裕がある場合には「改修しなければ決まりません」と説得され、費用をかけて入れ替えをするケースもあるものの、多くの所有者はそこまでの費用はかけたくないというのが本音だろう。

オーナーとの直接取引なら
定価の6掛けというケースもあり

そこでエコバスリフォームである。

「浴槽はそのままで床、壁、天井に化粧パネルを貼るパネリフォームセットなら施工費込で1014~1216サイズで65万円、1418~1616サイズで73万円(いずれも諸経費別途)で見違えるように新しくできます。

ユニットバスの交換が最低でも150万円ほどかかること、変形サイズでは入るユニットバスがないことを考えると、かなり安価にきれいになります。

そのメリットを買われ、UR賃貸とは15年来の付き合いがあり、時に入れ替えをすることはあっても基本はエコバスリフォームで対処しています。月間100室くらい、年間にすると1000戸オーバーを手がけています。

また、この額でも高いと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは工事込の参考価格になります。一般的な経年劣化の浴室やオーナー様との直接のやりとりで効率よく工事を進める場合には、この価格の6割程度ということもあります」。

ユニットバスの部分修復なら
数万円からできることも

ユニットバスからユニットバスへの交換は在来工法の風呂からユニットバスへの改修に比べれば100万円以内と比較的安く済む。だが、大体の場合、全部交換するまでではないこともある。

「かつてはユニットバス15年説というものがありました。15年以上経つと水漏れして大変なことになるからその前に交換しなくてはいけないというものです。でも、実際にはそんなことはありません。補修しながら使えば、30年、40年持ちます。

弊社は創業して24年経ちますが、創業期は築20~30年程度の浴室改修が主でしたが、現在は築30~40年の浴室がメインになっています。

扉の交換。上が改修前、下が改修後。扉一枚で印象が変わる
扉の交換。上が改修前、下が改修後。扉一枚で印象が変わる

ただ、部品などが生産中止になっていたりして、そのために全体を交換しましょうという話になることがあります。でも、冷静に考えてみてください。20年以上経っていてドアがないからと言って全部を交換する必要がありますか? ドアだけを変えれば良いではありませんか。そうすれば数万円くらいで済みます」。

一般のリフォーム会社の場合、部分的に補修するよりも、「この際ですから全部交換しましょう」と提案されることがあるが、一部だけがダメになっているならそこだけの改修に留めておいたほうがはるかに安く済む。

ドアだけ交換する、床だけ替える、割れた部分や穴の開いた部分だけを補修する、どうしてもカビが取れない部分だけきれいにするなどの手はいくらでもあるのだ。

浴槽の改修。左の3点は割れていた浴槽を撤去、新しくしている。右はひび割れ部分を改修した例
浴槽の改修。左の3点は割れていた浴槽を撤去、新しくしている。右はひび割れ部分を改修した例

同社では過去40年間に及ぶ浴室メーカーごとのユニットバスの部材や素材の情報を把握しており、それによっておこる変色、亀裂、破損、剥離、錆びやカビ等といったさまざまな不具合と対処法を数万件という豊富な施工実績データとして蓄積している。同社は複数のユニットバスメーカーの指定メンテナンス会社でもあるのだ。

こちらは錆びの補修。左はホーロー浴槽の錆び、右の3点はユニットバス壁株の錆びの補修
こちらは錆びの補修。左はホーロー浴槽の錆び、右の3点はユニットバス壁下部の錆びの補修

「賃貸マンションで安価なユニットバスを入れている場合、壁や天井のパネルには塩ビ鋼板を使うことが多いのですが、これは10年、20年経つと隙間部分からコーキングが劣化、中の鋼板が腐食してきます。ユニットバス壁の下部などに錆びが出るのがその現象。その補修などものすごい数をやってきています」。

知らないと大変!と思ってしまうが、実はよくある劣化というわけだ。

「車の場合、一部が凹んだからと言って買い換えて車自体を交換することはありません。それを考えるとユニットバスも同じ。適切な補修で長く使い続けるほうが経営上も、地球環境的にも良い選択のはずです」。

不人気3点ユニットをデザインでカバー、
快適で広さを感じる空間に

ユニットバスでは不人気の3点ユニットバスの改修もよくある案件。

3点ユニットの改修例3例。塗装をしたり、ワンポイントでシートを貼ったりでこれだけ変わる
3点ユニットの改修例3例。塗装をしたり、ワンポイントでシートを貼ったりでこれだけ変わる
左は3点ユニットのトイレを撤去、穴を塞いだもの、右は少し広めのユニットバスの改修
左は3点ユニットのトイレを撤去、穴を塞いだもの、右は少し広めのユニットバスの改修

「もし、スペースがあるようならトイレを移設、バスルーム内の穴を塞いで改修するという手もありますし、そうでなくても鏡を横長の広いものに変えたり、照明を埋め込み式に交換、壁のデザインを変えたりすることで実際の面積は変わらないものの、広さやゆとり、くつろぎを感じるような空間に変えることはできます」。

日吉氏によると風呂は昔から機能的には変わっていないが、デザインは変わってきているそうで、その点を押さえた改修にするだけでも印象は大きく変わるのだとか。古いアパートの改修でも床を貼替えるだけ、壁を塗るだけなら10万円前後でも印象を大きく変えられることがあるそうだ。

もうひとつ、覚えておきたいのは貼る、塗るだけのリフォームはやり替えがきくという点。

上、下ともタイルが剥がれていた部分にシートを貼って改修した例。タイルだと同じものが無ければ補修しても目立ってしまうことも
上、下ともタイルが剥がれていた部分にシートを貼って改修した例。タイルだと同じものが無ければ補修しても逆に悪目立ちしてしまうことも
シート材も各種出ており、インテリアに合わせて選べるようになっている
シート材も各種出ており、インテリアに合わせて選べるようになっている

「東リと一緒に作った風呂場の床材があるのですが、それを貼るだけでタイルが剥がれて汚らしくなった床がきれいに蘇ります。水垢がとれなくなった場合も貼るだけで済みます。タイルや石だと貼替できませんが、この床材は貼替も可能。床だけの補修もよくやります。一度貼ったものを再度貼り直すこともできます。

デザイン性の高いインクジェットシートを利用、浴室を部屋のように仕上げた例
デザイン性の高いインクジェットシートを利用、浴室を部屋のように仕上げた例

最近では床材、壁材の種類が増えており、デザイン性の高い施工も可能。民泊、ゲストハウスにするなら絵画のような壁面の、絵になるバスルームを作ってそれを物件の売りにする手もあるでしょう」。

アスベスト規制で処分費用高騰、
交換よりも補修という流れに

近年、アスベストに関する規制が強化されているが、それもエコバスリフォーム利用の追い風になっている。既存建物を少しでも壊して改修する場合にはアスベストが使われているかどうかの調査が必要で、そこでアスベストが使われていた場合に処分費がかかり、処分後の報告も必要。時間も手間もかかるようになっているのだ。

大手ホームセンターに置かれているエコバスリフォームの資料類。壊して改修ではなく、あるものの上から改修がトレンドになりつつあるのだ
大手ホームセンターに置かれているエコバスリフォームの資料類。壊して改修ではなく、あるものの上から改修がトレンドになりつつあるのだ

「一昨年、大手ホームセンターで我々のエコバスリフォームを扱いたいというオーダーがありました。そこで関西・関東を中心にリフォームコーナーに弊社専用のワゴンを設置して、エコバスリフォームの紹介モニターやパンフレットなどを置いています。

同社はこれまでユニットバス交換、キッチン交換一式でいくらという売り方をしていましたが、壊してみないとアスベストの存在は分かりません。そこで壊して交換ではなく、壊さずに改修というやり方に転換しているのです。

このビジネスをスタートさせた時にはSDG’sを意識していたわけではありませんが、時代が追い付いてきたというべきでしょうか。考えてみるとバスタブに使われているFRPは燃やせないので埋立てが必要ですが、埋め立て用地も減ってきています。使えるモノは使い続ける時代ということでしょう」。

アスベスト規制を受けて産廃事業者の処分費用の値上げも続いている。捨てざるを得ない状況であれば交渉の余地はなく、今後も処分費用の値上がりが続く可能性もある。

「コロナ禍では大がかりな工事がしにくくなったということもあります。我々の改修は音も出ませんし、なによりも大量の廃材が出ません。大がかりな道具、材量の搬入などもありません。そのせいか、この3年ほどで年間12数%くらいずつ売り上げが増加。認知度上昇を実感します」。

築古の、水回りに難を抱えている物件なら検討してみる価値は十分にあるのではなかろうか。

健美家編集部(協力:中川寛子(なかがわひろこ))

中川寛子

株式会社東京情報堂

■ 主な経歴

住まいと街の解説者。40年近く不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービス、空き家、まちづくり、地方創生その他まちをテーマにした取材、原稿が多い。
宅地建物取引士、行政書士有資格者。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。

■ 主な著書

  • 「ど素人が始める不動産投資の本」(翔泳社)
  • 「この街に住んではいけない」(マガジンハウス)
  • 「解決!空き家問題」「東京格差 浮かぶ街、沈む街」(ちくま新書)
  • 「空き家再生でみんなが稼げる地元をつくる がもよんモデルの秘密」(学芸出版)など。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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