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「消防点検」怠ると怖いこれだけのリスク。簡単・適正に点検をするには?

不動産投資全般/商品・サービス ニュース

2019/11/20 配信

皆さんがお持ちの物件では、「消防点検」をきちんと定期的に実施しているだろうか? 消防点検とは、建物の規模により設置されたスプリンクラーや防火扉、火災報知器、消火器など様々な消火設備を点検するもので、消防法により以下の通り定められている。

1.半年に1回の点検実施の義務
2.1年に1回または3年に1回の消防署への報告書提出の義務

しかし、「実施しています」と即答できる物件オーナーの方は少ないのではないだろうか?例えば、上記2の「消防用設備等点検報告率」は、全国平均でも49.8%に留まり、30%台に落ち込む県も少なくない。

総務省消防庁予防課設備係 「消防設備点検報告率」(2017年3月31日現在)より
総務省消防庁予防課設備係 「消防設備点検報告率」(2017年3月31日現在)より

消防法の規定では、点検結果の報告を怠ったり、虚偽の報告をした場合「30万円以下の罰金又は勾留措置」(消防法 第44条第11号代45条第3号)とあるものの、実質的には数も多く全ての違反に罰則が適用されていないのが現実だ。

だが、たとえ罰則を求められないからといって、「消防点検を放置することは、オーナーにとってリスクになる」と話すのは、インターネットを利用した消防点検の普及を行っている株式会社スマテン CEOの都築啓一氏だ。

「1つは、消防点検をきちんと行っていなかった場合、万が一の際に火災保険が下りない可能性があること。そして過去には、点検がなされていなかった建物での火災死亡事故の際に、遺族から訴訟を起こされた例もあります」

せっかく火災保険に入っていても、消防点検がもとで保険が適用されないのでは意味がない。この点、物件オーナーはしっかりと認識しておきたいところだ。

悪徳業者を掴まずに、スマートな点検依頼を実現

ではなぜ、これほどまでに消防点検の実施率が低いのか? そこには、点検の業者選びの煩雑さが1つの要因であるという。

消防設備点検会社というのは現状、全国的な大手ブランドは存在せず、地場密着型の小規模事業者になる。そのため、複数物件を持つオーナーは、各地域で優良な点検会社を探す必要があった。

昔ながらの企業が多いことからHPで簡単に探せるといった状況でもない。そのため、管理会社経由で点検会社を探してもらうと、下請けも含めて複数事業者のマージンが発生しコストも膨らみがちとなる。

さらに、業者によっては対応を疑問視しなければならない会社も少なくない。例えば、以下のような企業が存在しているという。

1.点検は格安で実施するものの、その後改修工事を持ちかけ、割高な改修工事費用を請求する業者
2.格安で点検を請け負うものの、きちんと点検もせず、点検シールだけを貼って済ます業者

「実際に我々が点検にいくと、点検シールは貼ってあるものの消防設備の不備が多くみつかることも。点検をせずにシールだけ貼っているような状況が推察できます。値段を聞いてみるとそういった業者は明らかに価格が安すぎます」(都築氏)

今回お話をうかがった株式会社スマテン CEOの都築啓一氏
今回お話をうかがった株式会社スマテン CEOの都築啓一氏

手間とコストをITの力で大幅削減
そこで、都築氏が考えたのがインターネットを使った「スマテン」というサービスだ。点検・改修を行いたい建物オーナーや管理事業者と消防点検資格者・消防設備士をマッチングさせるプラットフォームである。

スマテン」の仕組み 消防点検を依頼したい人と点検者をダイレクトにマッチングできる
スマテン」の仕組み 消防点検を依頼したい人と点検者をダイレクトにマッチングできる

オーナー側は業者探し、見積依頼、日時調整などをWeb上で数分で完結することができ、業者探しの手間を大幅に省くことができる。

一方点検する側はスマホアプリで簡単に点検票を作成できるため、これまで1カ月~3カ月かかっていた書類手続きも1週間~3週間ほどで済ませることが可能になる。

コスト的にみても、ダイレクトマッチングを実現しているため、管理業者や下請けなど複数社を経由していたケースと比較するとコスト削減が見込めるわけだ。

「スマテンでは、クオリティも適正化する工夫をしています。サービスに登録する点検業者や作業員には、必ず有資格者である点を確認。点検作業の抜き打ち検査やバディを組む作業員同士での確認なども徹底しています」(都築氏)

また、一般的に複数物件を管理する場合には、点検時期の管理が煩雑になりがちだったが、そこもスマテンのサービスとして、アラート機能などが盛り込まれている。点検時期を忘れる心配もなくなり、複数物件の管理負荷も低減できるという。

頼側のワークフロー これまで手間だった作業が簡略化できる
頼側のワークフロー これまで手間だった作業が簡略化できる

命を守るためにも、「点検」の普及を

先日、沖縄・首里城が一夜にして焼失した事故は記憶に新しい。この事故では、法律上や点検に不備があったわけではないが、スプリンクラーが設置されておらず、初期消火が機能しなかったことが悔やまれる。

「死傷者が出なかったことは不幸中の幸いですが、火災の恐ろしさを改めて認識する事故でした。せっかく消防設備を備えていても、いざというときに正常に作動しなければ意味がありません。点検は、火災を拡大させず、また人の命を守るのに重要という意識を持つべきです」と都築氏は訴える。

そもそも都築氏が本サービスを構想したのは、東日本大震災での復興支援に向かい、被災地が焼け野原になっている様を目の当たりにしたことがきっかけだったという。

「消防点検の普及率があがり、初期消火が実現すればそれだけ守れる命がある」。いざというときに入居者の命を守るためにも、適正な点検を不要な労力をかけず、適正コストで実施していきたいものだ。

■取材協力 株式会社スマテン

健美家編集部(協力:福島朋子)

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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