南カリフォルニアの宝石
ラホヤのオープンハウス
南カリフォルニアのラホヤ(La Jolla)といえば、スペイン語の宝石を意味する地名のように、美しい海を望む観光地にして、高台に向けて豪邸が立ち並ぶ高級住宅街。夏の休暇でサンディエゴを訪れ、ロサンゼルスの空港までドライブして戻る途中に、立寄ろうと思っていた場所なのだが、偶然に見つけたのがオープンハウスの看板。
ラホヤは、砂浜では野生のアザラシが日向ぼっこをする風向明媚な土地で、オーシャンフロントには洒落たブティックが並びヨーロッパの別荘地のような洗練された雰囲気もある。一方で、日本からの直行便が飛ぶサンディエゴの国際空港から車で約30分という利便性の高い場所でもあって、自己居住としてもセカンドホームとしても対応できる立地である。
ラホヤの 2023年7月の平均不動産価格は、大手仲介不動産サイトをいくつか見るとRealter.comが約280万ドル、Zillowが約213万ドル、というところでざっと3~3.5億円という感じだろうか。新築という珍しさもあって見に行ってみようかということになった。
しかして、そのお値段は$399.5万ドル(約5億8000万円)!ほぼ間取りが同じ新築が2軒。片方は延べ床面積3060スクエアフィート(約284㎡)、もう一つは2843スクエアフィート(約264㎡)。なかなか強気なお値段である。
片方はあと6週間で完成で、もう一軒は完成済みで家具を入れたショーケースで見せている。
ちょっと中を覗くと、不動産会社COMPASSのエージェントであるCamilleさんが「さあどうぞ中もご覧になって」ということで案内してくれた。
有効活用できる地下室と
海の見えるルーフトップ
間取りは4ベッド3.5バスルーム。1階にはキッチンダイニングと一段下がってリビングとアウトドアリビング。インテリアもモダンなデザインで、想定購入者層は30代~40代な感じ。
建物の売りは、地下室にも水回りを備えているので、予備の部屋としていろんな用途に使えることと、海が見えるルーフトップ。収納やボイラー以外で、使いこなせる地下室のある物件がこの周辺はあまりないそう。ルーフトップは、防水床でコンセントとガスも引かれていて、BBQパーティなどもできる。
子どもが増えた時の想定なのか、土地柄、ゲスト用の部屋という想定なのか4ベッドルームあるので、それぞれの部屋は小ぶり。メインベッドルームも小さい感じがしたが、続くバスルームは、開口をとって床置きバスタブもあった。
8月は、ラホヤにカリフォルニアのベイエリアや他からも富裕層が多数バカンスにやってくる。「見学に来る人は米国だけでなく、先週はスイスからのお客様もいました」とCamilleさん。「金利も安かったコロナの時期は、Contingency(コンティンジェンシー:というキャンセル可能設置期間)ほとんどなしとか、オファーを10万ドルのせなどというのもよくありました」というバブルな景気だったそう。
「最近は、さすがにそれはありませんが、このあたりは物件在庫が少ないので、まだ値段は下がってません。まあ、金利が上がってくるこれからは分かりませんが」と現状を話す。
景気後退懸念が弱まるアメリカ。旅行中も確かにホテル料金や飲食などは高くなったと感じた。まだまだバブルにいて、このロケーションこのデザインに一目惚れで、ポンと買える顧客に来てもらいたいというところだろう。場所は「744 Bonair Street, La Jolla.」8月30日現在、価格はまだそのままで市場に出ている。
執筆:
(おのあむすでんみちこ)