※引用:東急不動産
18階建ての大型複合施設
東急不動産・竹中工務店・イトーヨーカ堂・アインファーマシーズ・キタデンの5社は、北海道札幌市のすすきの駅前で、複合施設の開発を進めている。
5月8日に各社連名のプレスリリースで複合施設の名称を「COCONO SUSUKINO」(ココノススキノ)に決定したと発表した。
複合施設の場所は「すすきの交差点」に面したところで、すすきのの玄関口ともいえるところだ。
※引用:東急不動産
もともとは「ススキノラフィラ」という商業施設が建っていた。ススキノラフィラは1974年に「札幌松坂屋」として開業。
1979年にイトーヨーカ堂の出資を受けて「ヨークマツザカヤ」となった後、1994年に「ロビンソン百貨店札幌店」となり、2002年からイトーヨーカドーなどが出店する専門店街のススキノラフィラとして営業していた。
しかし、建設から40年以上が経過して建物が老朽化したため、2020年5月17日に閉店。建て替え工事が行われた次第だ。
COCONO SUSUKINOの建物規模は、敷地面積約5,157㎡、延床面積約53,038㎡、地上18階・地下2階建てとなっている。
※引用:東急不動産
地下2階・地下1階はスーパーマーケット・食品物販エリアで、中層階がすすきの駅との接続する。地上1階も物販・飲食エリアだが、市電やバスの乗客が利用できる待合室も設けられる。
2階~4階には物販・サービス・飲食などの多彩なテナントが入り、フードホールや居酒屋店舗の並ぶ横丁が導入される。
※引用:東急不動産
5階~6階にはシネコンのTOHOシネマズ すすきの(仮)が入り、TOHOシネマズによる北海道初の直営劇場となる。
ただのシネコンではなく、ハイエンドシアターやサウンド特化のシアターなど、特長的なスクリーンも導入されるようだ。
7階以上のフロアは、東急グループのホテル会社が運営するSAPPORO STREAM HOTELが入る。客室数は436室で、フィットネス施設や温浴施設なども備えるという。
プレスリリースによると、観光客のみならず地元住民もターゲットとなっている。
なお、記事冒頭のイメージ図にも描かれているが、外観にはブラックニッカの広告と相対する形で、北海道最大の広告用ビルボード(イメージ図の黄色と水色の部分:3枠)が設けられる。
赤い縦長の部分はデジタルサイネージ(画像広告)で、こちらも北海道最大の大きさだ。
前身のススキノラフィラと比べれば、ブラックニッカの広告と相まって、かなり印象的な建物になるだろう。建物の竣工・開業予定は2023年の秋となっている。
狙い目は市電沿いのエリアか
北海道というと、大量の海外資本が入っているため不動産市場でバブルが起きているとイメージする人もいるのではないだろうか。
実際のところ、今年の3月に発表された公示地価を見ると、商業地の変動率ランキングTOP50のうち、約7割は北海道のエリアが占めている。
すすきのも含まれる札幌市中央区もランキングに入っており、再開発建物が完成するとなれば、コロナによって下火となった活気が戻ってくることも期待される。
となると、すすきのなどの都心へ簡単にアクセスできる、札幌市電沿いのエリアなどは狙い目となるのではないだろうか。今後のマーケットの動向に期待したいところだ。
取材・文:
(はたそうへい)