交通整備・土地活用などの課題解決に伴う
JR「千里丘」駅西地区の再開発
大阪府の摂津市北部に位置するJR「千里丘」駅西地区が、大和ハウス工業、JR西日本不動産開発、フージャースコーポレーション、関電不動産開発で構成される4社の共同企業体のもと、再開発が進められている。
計画地は、JR京都線で「新大阪」駅から約10分、「大阪」駅から約14分、府道大阪高槻京都線および府道正雀停車場線に囲まれた交通の要衝に位置。しかし、地区内には狭隘道路に囲まれた木造住宅の建ち並びや駐車場利用など、良好な土地活用が図られていない状況で、駅前の交通混雑が生じている。
これらの課題解決に向け、2019年3月に「再開発基本方針」を策定。駅前広場整備を含む再開発事業による交通結節機能の強化、計画的な土地の高度利用による災害に強い良好な住環境形成、都市機能の充実による駅前にふさわしい集約的な拠点形成を図ることなどを整備方針としている。
その方針に沿った市施行の再開発計画(案)の検討を進め、2020年2月に市街地再開発事業および関連する都市計画が決定。2021年6月には大阪府知事の認可を受けて事業計画を決定し、完成に向けて事業を推進している。
駅前には36階建てのタワマンや
暮らしに便利な商業施設も
2023年6月、摂津市は「千里丘」駅西地区の再開発について、大和ハウス工業株式会社、JR西日本不動産開発株式会社、株式会社フージャースコーポレーション、関電不動産開発株式会社による共同企業体と特定建築者に関する基本協定を締結し、4社共同企業体をこの事業の特定建築者に決定した。
この事業は約7,300㎡の敷地面積を1街区と2街区に分け、共同住宅や商業業務施設、駐車場の開発を予定している。共同住宅は、JR「千里丘」駅に直結した、地上36階建て、総戸数335戸の高層タワーマンションで、地震や強風に強い制振構造、摂津市の木である「クスノキ」をモチーフにした外観を採用。また、商業業務施設は、新たに設置される駅前広場やシンボルロードに面した配置を予定しており、「千里丘」駅前に新たなにぎわいを創出することになりそうだ。
「千里丘」駅周辺は
北摂エリアの中でも狙い目
大阪府内屈指のベッドタウンとして名を馳せる北摂エリアに含まれる摂津市。同じ北摂にある箕面市や豊中市、吹田市、高槻市、茨木市と比較すると、決してメジャーとは言えないものの、鉄道や高速道路が整備されているため利便性が高く、自然にも恵まれていることから、暮らしやすいのが魅力だ。
2024年4月に着工し、2027年3月にすべての工事が完了予定となる「千里丘」駅西地区の再開発事業。この事業によって利便性はもちろん、さらなるにぎわいや活気も大いに期待できる。「千里丘」駅周辺は北摂エリアの中でも狙い目の一つと言えるだろう。
健美家編集部