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新潟市中心部の鳥屋野潟南部開発。30年塩漬けのエリアで倉庫型商業施設誘致などが本格化

都市計画・再開発(地域情報)/金沢/北信越 ニュース

2023/07/01 配信

清五郎一本松から鳥屋野潟を臨む
清五郎一本松から鳥屋野潟を臨む

新潟市中心部の市街地に存在する鳥屋野潟の南部では、高度経済成長期から開発が進められてきた。

20年以上かけて、スポーツ施設・公園・生涯学習施設等の公共施設の整備がおこなわれたが、宅地開発・商業施設誘致は頓挫したままになっていた。

だが、2022年から、30年塩漬けになっていた東端のエリアで、新たな土地利用方針が策定され、商業施設誘致計画などが動き出している。

■ 鳥屋野潟開発の経緯

出典:新潟市
出典:新潟市

鳥屋野潟は、新潟駅から南へ1.5キロ、新潟市中心部に位置する面積1.4平方キロの潟である。潟とは、内湾などの一部が外海から切り離され湖となったものを言うが、鳥屋野潟のように、既成市街地に巨大な潟がある地域は珍しい。

高度経済成長期にかけて、生活廃水や農業廃水が流れ込むなどの影響により、環境悪化が問題となった。これが契機となって、周辺住民や市民組織「亀田郷土地改良区」による市・県への働きかけがあり、県と市が鳥屋野潟南部の土地を共同購入し、鳥屋野潟南部地域の開発が始まった。

1988年、県・市・亀田郷土地改良区により、鳥屋野潟南部の土地利用方針を定めた「鳥屋野潟南部開発計画」が策定された。当時すでに、鳥屋野潟周囲にはバイパスや高速道路のICが整備されていたことから、自動車アクセスによる広域的都市拠点と位置づけられた。

当初の計画では、スポーツ施設・公園・生涯学習施設等の公共施設を行政が整備すると共に、民間開発による大規模な宅地・商業施設を誘致する予定だった。

しかし、バブル崩壊以降の経済停滞の影響もあり、民間活力により整備を行う事としていた用地の買い手がつかず、商業施設用地を病院用地へと転換することとなった。病院用地では、2005年に新潟市民病院が竣工した。

また、公共施設としては、2002年開催の FIFA ワールドカップや2009年開催の新潟国体に合わせてスポーツ施設の整備が行われ、2001年には「新潟スタジアム」、2009 年には「新潟県立野球場」、2010年には「新潟県立鳥屋野潟公園(スポーツ公園)」がオープンしている。

生涯学習施設としては、1990年にコンベンションセンター、2011年に「いくとぴあ食花」がオープンしている。

■ 30年超取り残されていた住居ゾーンエリアの再開発が本格化

出典:新潟市
出典:新潟市

2022年3月、当初の開発計画から30年が経過し、新たな土地利用方針が見直しされ、取り残されていたエリアの開発がようやく動き出した。

鳥屋野潟南部の東端エリアの農地であるが、当初宅地開発が計画されていたものの、人口減少社会に対応し、都市機能や交通インフラに近接した立地の利点を生かすため、交流人口を呼び込むための施設開発も宅地開発と合わせて行うこととなった。

具体的には、隣接するスタジアムなどと連携し、来訪者がイベントのついでに立ち寄ることができるような施設や、新潟の食や港町文化などの地域独特の魅力を発信し、広域集客が期待できる観光拠点となるような施設の設置が検討されている。

また、新潟の都市中心部に立地することから、都市エリアの消費需要や地域の多様な物流需要に対応する商業施設の誘致が検討されている。市では、倉庫型集客施設の誘致を検討しているとしており、倉庫型商業施設大手・コストコが出店するのではとの観測も流れている。

2023年5月には、このエリアの農地転用に必要な、全地権者の開発合意が得られたとの発表があった。いよいよ開発が本格化する見込みである。

弁天橋から臨む鳥屋野潟
弁天橋から臨む鳥屋野潟

ここまで鳥屋野潟南部の開発に焦点を当てて来たが、鳥屋野潟は潟の外周に約2,000本の桜が咲きそろう桜の名所としても有名である。また、新潟には秋口から初春にかけて、越冬のため渡り鳥が数多く飛来する。鳥屋野潟も県内有数の白鳥飛来地であり、最大5,000羽の白鳥が湖面に浮かび、はばたく姿が見られる。

さらに高速道路ICに近接し、新潟都心部に位置することから、鳥屋野潟の公園には、このような自然目当ての観光客も多い。鳥屋野潟外周の遊歩道整備も計画されており、実現すれば更なる観光客の増加も期待されるだろう。

今後も、鳥屋野潟は日本でも稀有な都市機能と潟の自然が融合したエリアとして、唯一無二の発展を遂げていくだろう。

取材・文:佐藤永一郎(さとうえいいちろう)

佐藤永一郎

FP不動産投資よろず相談所

■ 主な経歴

筑波大学大学院修了。新潟大学大学院博士後期課程在籍。2級FP技能士。会計事務所で約10年、中小企業、不動産オーナーの節税コンサルティングや融資サポートなどに携わる。スタートアップのCFO、監査役などを経て、築古戸建ての不動産投資家として独立。不動産投資のコンサルオフィス「FP不動産投資よろず相談所(https://fprealestateoffice.jp/)」を運営している。不動産投資や税金をテーマとした執筆活動もおこなう。大学院にて所得税制を研究中。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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