コロナの影響で、商業地の下落が目立つなかで、今年3月に発表された商業地の公示地価で、23区内でNO1となった中野区。100年に1度といわれる再開発で注目度が上がっている。その再開発の目玉ともいえるのが、サンプラザの建て替え工事である。
現職の区長が、サンプラザの建て替えを白紙に戻すことを公約に当選したのが、4年前のことである。しかし当選からわずか3ケ月で、建て替え白紙を撤回し、再開発を推し進めることになった。

修繕してそのままサンプラザを使い続けるよりも、建て替えたほうが費用面でメリットがあるとのことだった。それに異を唱える対立候補の稲垣氏との一騎打ちとなる区長選が5月22日に行われた。
稲垣氏は中野サンプラザを取り壊し、ホールや商業施設が入る複合施設を整備する再開発計画の見直しを訴えた。今後の中野の成長や賑わいを左右するといっても過言ではないサンプラザ周辺の再開発。区長選の結果次第では、盛り上がる中野の再開発にストップがかかるかもしれず、その行方に関心が集まっていた。
現職区長の酒井氏が当選し、2期目に。
サンプラザ建て替え、ストップならずも説明責任が。
投開票の結果、酒井氏が5万5318票、稲垣氏が3万4564票をえて酒井氏が当選し、2期目を担うことになった。ただし見方を変えれば、サンプラザの再開発の見直しを訴える稲垣氏が区民から一定の支持をえているようにも見受けられる。これでサンプラザ周辺の再開発にストップがかかる可能性はなくなったようにみえるが酒井氏は、「説明責任を果たす」としている。

中野は新宿から中央線で1駅にもかかわらず、駅舎は2階建てと小さく、パン屋さんが1ケ所あるだけで、エレベーターさえないのである。
ベビーカーで移動する際には、子どもをいったんおろして、ベビーカーをかかえて、子どもの手を引き、エスカレーターでホームに移動しなくてはならい。車椅子の利用者にとっては、駅員のサポートなくしては階段の乗降ができない状態である。バリアフリー化が進むなかで中野駅は、大きな遅れをとっているのである。
総武線で1駅隣の高円寺や東中野のほうが駅舎が充実している。そうしたなかで現在中野周辺では、駅周辺だけではなく、駅の北側の中野体育館があった場所や、南側エリアなど複数で再開発計画が進んでいる。
新たな街のランドマークとして
存在感を増すセントラルパーク
昨今、中野駅周辺の雰囲気を変えるきっかけになったのが、駅の北西に2012年にできたセントラルパークの存在である。
キリンビールなどの企業が入るビルに明治大学と帝京平成大学の2つの大学を誘致している。広い芝生と噴水があり、週末には多くのイベントが催され、ファミリーにカップルに多くの人でにぎわいを見せ、住民の憩いの場となっている。
「子育て支援」で共働き世帯の人気UP!
「共稼ぎ子育てしやすい街ランキング」圏外から6位に躍進
酒井区長は「子育て支援」にも力を注いでいる。2022年度には保育園待機児童ゼロを達成している。ほかにも新井薬師公園をはじめ、区内の公園の古い遊具を、新しく安全な遊具に次々とリニューアルしていった。
日経デュアルの調査「共稼ぎ子育てしやすい街ランキング<東京>」では、中野区は2019年には圏外だったものの、2020年には28位、2021年には6位へと大幅にランクアップしている。
ほかにも子ども食堂の支援にも力を入れており、公園を活用したプレーパーク活動も区内で広がっている。3月で閉館する予定だった児童館の存続が決まり、日曜日が閉館となっている児童館が、今年4月から区内の4館だけ、乳幼児の遊び場として開館するようになるなど、子育て世帯にとってはありがたい動きが進んでいる。
また、近代的なデザインで10階建てと充実した中野東図書館が昨年オープンし、話題を集めている。この施設では子ども・若者支援センターやコワーキングスペースもあり、子どもも大人も親しむことができる。
進行中の再開発計画が進んでいくことで、ますます中野は便利になり、魅力を増していくのではないだろうか。
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健美家編集部(協力:
(たかはしようこ))