東西南北にアクセスできる交通の要衝
東京都西部・小平市の小川駅前で再開発計画が進んでいる。小川駅は西武拝島線と西武国分寺線が停車する駅で、JR中央線の西国分寺駅のほぼ真北に位置している。
拝島線は小平駅から拝島駅までを結ぶ路線で、国分寺線は国分寺から東村山までを結ぶ路線。どちらも西武鉄道の支線だ。
国分寺駅からは中央線で立川・八王子などの西方面、吉祥寺・新宿などの東方面へ行ける。
また、小平駅からは西武新宿線を使えば田無・上石神井などを経由して高田馬場までアクセス可能だ。
小川駅の周辺は基本的に住宅街だが、工場や学校などが多いのが特徴的だ。
駅の東には、タイヤメーカー大手であるブリヂストンの技術センターや第一屋製パンの本社と工場などがある。
ブリヂストンの関連施設は特に多く、周辺には関連会社の本社・同社が所有するグラウンド・社宅アパートが建ち並ぶ団地などが建っている。
そして、駅の西には職業能力開発総合大学・日体大系列の中学と高校・明治学院大学系列の中学と高校などがある。
さらに、駅からは少し離れるが、駅の南西には武蔵野美大のキャンパス、南東には津田塾大学や一橋大学などのキャンパスがある。
小川駅周辺エリアは案外、郊外都市とあなどれない環境が整っていると言えるのではないだろうか。
再開発の概要
再開発の対象エリアは、小川駅の西口を出てすぐ目の前の場所だ。2023年夏の時点で既に既存建物の解体工事が進んでおり、工事用のフェンスが建っていた。
※引用:小平市
敷地は広場・ビル・駐車場に分けて開発され、再開発ビルの規模は地下1階・地上27階建て。
再開発ビルの用途は商業施設・公共施設・住宅・駐車場となっており、フロア構成は以下の通り。
地下1階:駐輪場など
1~3階:商業施設
4~5階:公共施設
6~27階:住宅
住宅の予定供給戸数は219戸。いわゆるゲタ履きのタワーマンションが建つことになる。また、公共施設としては図書館などが設けられるようだ。
※引用:小平市
再開発の主なコンセプトは3つある。
- 交通結節点にふさわしい都市基盤の整備
- 地域のにぎわい・交流の場づくり
- 安心で住みよい防災性の高い住環境の創出
1点目については、小川駅が持つ交通利便性の高さを活かしたい狙いがあると考えられる。
なお、鉄道だけではなく道路に関しても、線路と並行している国道16号線が青梅街道・新青梅街道につながっているなど、小川駅の周辺は車による移動の利便性も高い。
小川駅の駅前には、東口にしかタクシー乗り場などが無いので、西口に交通広場ができれば、公共交通での周辺へのアクセスが容易になるだろう。
2点目については、敷地の北に「にぎわい広場」が設けられ、イベントなどの開催が計画されている。
※引用:小平市
3点目については、古くなった建物を新しい再開発建物に建て替えるということだろう。
2023年12月には既に建物の建築工事が始まっており、完成予定時期は2026年5月。それほど遠い未来というわけではない。
狙い通り、西東京における交通の要衝として、より多くの人を集めるきっかけになるか、再開発の成功に期待がかかるところだ。
取材・文:
(はたそうへい)