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不動産投資家も気を付けたい、ふるさと納税返礼品の所得税の取扱い。申告が必要な目安と申告時期は

不動産の税金/申告 ニュース

2023/03/21 配信

ふるさと納税2

返礼品を目当てに毎年ふるさと納税をおこなっている不動産投資家の方も多いだろう。

しかし、ふるさと納税の返礼品には原則として所得税がかかる。

返礼品が少額である場合は課税関係は生じないが、具体的に返礼品に課税が発生し、申告が必要となるのはどのようなケースなのだろうか。

ふるさと納税の返礼品の所得税の取扱いと、申告が必要な目安、申告時期についてまとめた。

■ ふるさと納税の返礼品には原則として所得税がかかる

出典:国税庁
出典:国税庁

ふるさと納税の返礼品は、一時所得に該当し、所得税の課税対象となるというのが、国税庁の見解であり、一般的な見方となっている。金銭以外の物や権利などの経済的利益についても、所得税法上の収入金額とみなされるからだ。

所得税制は原則としてすべての所得を課税対象とするため、非課税所得として規定されていなければ課税されると考えるのが妥当だろう。

ただし、返礼品は、営利事業から生じた所得や労務の提供の対価、資産の譲渡対価でもないことから、一時所得に該当することになる。

一時所得は、50万円の特別控除と、2分の1課税という優遇措置が設けられている。以下の計算式によって計算されて総合課税の課税所得になる。

  • 一時所得の課税所得=(総収入金額―収入を得るために支出した金額―50万円)×1/2

■ 返礼品の経済的利益の算定方法と申告目安

【ふるさと納税の返礼品申告判定の流れ】
【ふるさと納税の返礼品申告判定の流れ】

一時所得の課税方法にはこの特別控除が設けられているため、少額の返礼品では課税関係は発生せず、確定申告は不要となる。

それでは、いくらぐらいのふるさと納税をおこなった場合に、申告をする必要があるのだろうか。

一時所得がふるさと納税の返礼品のみである場合は、返礼品の評価額が50万円を超えた場合に申告する必要があり、総務省からの通達では返礼品の還元率は30%以内となっているから、50万円を30%で割り戻し、167万円以上の寄付額で申告が必要ということになる。

しかし、返礼品には特産品の食料なども多く市場価格を算定しにくい。納税者が確定申告する場合、一時所得の金額をいくらにすればよいのか悩むところである。

この点につき、国税不服審判所の裁決によれば、返礼品の評価額は、調達価格によるべきとされている。つまり、寄付をした自治体が調達価格を公表していれば、その価格を返礼品の額とすべきことになる。公表していない場合は、納税者自ら適正な市場価格を調べる必要がある。

なお、一時所得として課税対象となる所得がふるさと納税の返礼品以外にもある場合は、167万を超える高額の寄付をおこなっていなくても申告が必要となるので注意が必要だ。一時所得となる代表的な所得には、懸賞の賞金・賞品、ギャンブルの払戻金や生命保険の一時金などがある。これらの所得と返礼品を合わせて50万円を超えれば申告が必要になる。

■ 返礼品の到着が年をまたぐ場合の申告

出典:国税庁
出典:国税庁

ふるさと納税は、年末になってその年の所得に余裕がある際に検討するケースも多いだろう。そのような場合、返礼品の到着は翌年になることもある。

返礼品が翌年に到着した場合、その返礼品にかかる所得は、ふるさと納税の寄付をした年の一時所得に入れるべきなのか、それとも返礼品が到着した年の所得に入れるべきなのだろうか。

これについては、最近になって国税庁が質疑応答事例として回答を公表している。回答によれば、返礼品を実際に受け取った年分の一時所得に算入すべきとしている。したがって、返礼品が到着した年の所得に含めて申告をすることになる。

年末にふるさと納税をおこなう際は、翌年の一時所得の有無にも注意して検討するとよいだろう。少なくとも、生命保険の満期保険金などのあらかじめ受領時期が明確に分かっているものはチェックしておきたい。

取材・文:佐藤永一郎(さとうえいいちろう)

佐藤永一郎

FP不動産投資よろず相談所

■ 主な経歴

筑波大学大学院修了。新潟大学大学院博士後期課程在籍。2級FP技能士。会計事務所で約10年、中小企業、不動産オーナーの節税コンサルティングや融資サポートなどに携わる。スタートアップのCFO、監査役などを経て、築古戸建ての不動産投資家として独立。不動産投資のコンサルオフィス「FP不動産投資よろず相談所(https://fprealestateoffice.jp/)」を運営している。不動産投資や税金をテーマとした執筆活動もおこなう。大学院にて所得税制を研究中。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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