アロハー!
ハワイに移住してリモート賃貸経営をしている天方エバンです。もう一月も終盤ですが、本年もどうぞ宜しくお願いします。
さて、年始年末はハワイで過ごしました。今回は年末から親兄妹が日本から来てくれて一カ月以上大所帯でワイワイ過ごしました。賃借人もいれると一時期10人以上も同居していたので相当賑やかでしたよ。
ハワイではオハナ( ハワイ語で家族という意味、二世帯住居もこう言ったりします )という暮らし方が昔からあり、オハナで助け合って子育てをするというのは楽しいし、子どもの教育にもいいのかなと思った年末年始でした。
そんなホリデーモードもようやく終了し、ハワイの不動産売買のお手伝い、新規事業の準備、確定申告の準備などで忙しくさせて頂いております。年初に一件引き渡しを終え、来月にもう一件決済、そして次のオファーの準備と例年にない( 笑 )スタートダッシュです。
そうそう、テキサスのアパートにも買い付けを入れているところです。来月にはよい良い報告ができればいいなと思っています。
さて、今回は日米の不動産業界の違いについてご紹介します。僕はハワイに来て何もしない生活に飽きてしまい( もちろん生活費を稼ぐという目的もあります! )、こちらで不動産の仕事をしているのです。アメリカといっても州により法律や手順は全く違いますので、ハワイ州の仕組みを中心にレポートします。
■ 川上物件はない?
アメリカには各地にMLS( Multiple Listing Service )というデータシステムが存在し、特別な理由がない限りほぼ全員がこのシステムに物件登録をします。会費を払っている不動産協会員( 僕 )がこのシステムを閲覧することができ、その情報をお客様に提供します。
ちなみにこのシステムは非常に使いやすく、レインズの比ではありません。ハワイのシステムはスマホやタブレット対応のレスポンシブサイトで売り出し中物件、成約価格の検索だけでなく統計チャート生成なども簡単にできるようなっています。
システムにお客様のデータを登録して、条件にあった物件リストをリアルタイムに配布したり、お客様専用ポータルサイトを作成し閲覧後にフィードバックをもらう機能なども提供されています。僕は日本でも宅建業の資格を取っていて、レインズの使い勝手の悪さをよく知っているため、こちらのシステムを触った時には驚きました。
ほとんどの物件がこの中枢データベースに登録され、ZillowやTruliaなどの商業サイト、そして我々エージェント個人のサイトに有償ですがデータ提供されていますのでエンドユーザーは色々なサイトで情報を入手可能です。でも情報の出元は一つなんですね。ちなみに僕のサイトでもこの仕組みを利用して情報提供をしています。
■ 浮気はやめて下さい
アメリカはエージェント制という仕組みを取っています。売主と買主双方にそれぞれエージェントがつき、彼らが顧客の利益を最大限引き出すように熾烈な交渉を繰り広げます。ハワイで不動産を買おうと思ったらまず任せるエージェントを探すことが最初の仕事です。
不動産エージェントとは不動産取引士という州と連邦の試験に合格した資格者のことで、日本の宅建主任者にあたります。
日本では物件情報が一元管理されておらず、不動産会社によって持ち物件が異なっていたりしますから複数の業者にコンタクトをとったりしますよね。僕もそうでした。日本の方がこちらで物件探しを始める際、同じように複数のエージェントに声をかけたりすることがあります。ハワイのエージェントはこれを嫌がります。
ハワイの日本人リアルター間でもお客さんを取った取られたという話を時々聞きます。それは醜い争いになったりすることもあるようです( 笑 )。リアルターも仕事ですから真剣なんですよね。信頼できるリアルターを見つけてその方に任せる事をお勧めします。
■ ブローカー
ブローカーとは、業免許者、いわゆる不動産業者のことを指します。エージェント経験が3年以上あればブローカー試験受験資格が発生し、合格すれば自分のオフィスを開業可能です。
日本では専任の宅建主任者を立てさえすれば、勉強しなくても開業可能ですよね。一方、ハワイではブローカー、エージェントのライセンスを2年ごとに更新する必要があり、必須研修を20単位取得するなど、維持するのに結構な努力とお金が必要です。
■ エージェントの世界は厳しい
ハワイの不動産エージェントは、一部の日系ブローカーを除いて完全フルコミッションの個人事業者です。そのため、お客さんを案内する車、ガソリン代、保険はもちろんのこと、オフィスで使う席代( コピー、インターネット、電話代等 )や裁判沙汰になった際の弁護士の保険代、雑誌の広告、使用するPCなど全て自費で賄わなければいけません。
オープンハウスはタダ働きです。要するに成約して引き渡しされるまで1ドルも入りません。苦労して取引終了してもブローカーが最大7割とか持っていくんです!( ブローカーや個々の契約により異なります )。
そんな理由から、この仕事に就く人は多いですが、収入が安定せず数年で転職する人も後を絶たないそうです。大変厳しい世界で頑張っているので皆さんもリアルターに接する機会がありましたらどうぞ優しくしてください( 笑 )。
■エスクロー
日本では契約日に手付金を売主に渡したりしますよね? ハワイ州ではこれは絶対にありません。エスクロー会社という第三者を介して売主と買主が取引をします。資金もエスクロー会社の口座に入金しますので、売主が持ち逃げなどできないようになっています。
エスクローはお金の管理だけでなく、タイトル( 名義書、日本の権利証 )の調査、各チェックポイントの締め切り確認など決済日までに取引が円滑に行われるようサポートしてくれる会社でもあるのです。ちなみにニューヨークではエスクローを使わず双方が弁護士を雇って取引するそうです。
どうですか? 国が違えば制度も異なり興味深いですよね?
こんな風に大変なことも多い仕事ですが、やりがいも感じています。最近は、日本で不動産を売って売却益を得た方が減価償却目当てでハワイ不動産を求める例も増えてきました。しばらく忙しくなりそうですが、何よりも家族第一でハワイでの暮らしを楽しもうと思います。