皆さん、こんにちは。Fujiです。前回は、三為物件を購入して失敗したお話を書きましたが今回は買わずに見送った結果、失敗を免れたというお話です。
一見するとすごく良さそうな物件だったのですが、よくよく調べると購入によるリスクが大きそうだったのでとりやめました。その理由について書いていきたいと思います!
■物件の詳細
この物件は、ポータルサイトで見つけました。築浅で利回り10%、場所も神奈川県横浜市内と好条件だったので、「お!これは良さそう!」と思ってすぐに資料請求をしました。
物件のスペックは次のとおりです。
金額:3,000万円(利回り:10%弱)
世帯数:4世帯(一部屋の家賃は月約6万円)
駅距離:徒歩10分
間取り:ワンルーム(約20㎡)
※数字はおおよそ
■相場の賃料を調べて見ると…
「これは良い物件を見つけた!」と思い、早速、相場の賃料を調べてみることにしました。僕は物件の購入を検討する時は以下の内容をかなり気にします。
①利回りが相場同等以上か
②積算がある程度でているか(利回りが低ければ積算は高く、利回りが高ければ積算は低くてOK)
③賃料が適正か(相場同等以下か)
逆に言うと、それ以外はあまり気にしません。もちろん入居率や物件の劣化具合も見ますが大きな判断基準は上記の3つです。
特にこの③の賃料がポイント(ぱっと見ただけで適正かどうかわかりづらく、またお化粧しやすい数字)です。今回も入手したレントロール(賃貸借条件の一覧表)が適正かどうかを入念に確認しました。
結果、レントロールの賃料は一室6万円でしたが、同条件の部屋の賃料の相場は月約5万円でした。1万円程、相場より高い家賃で入居が決まっていたようです(相場と比較して120%相当の賃料です)。
賃料5万円で再度計算をしてみると、利回りは約8%まで下がります。同じような物件の利回り相場は9%程度ですから、8%で購入すると高く購入してしまうことになります。
■賃料調査の方法
ちなみに賃料調査をインターネットでする時は、ホームズが検索しやすくておすすめです。
参照ページ:https://www.homes.co.jp
購入検討の物件と、築年数や面積、駅徒歩等の条件を同じにして、いくらで賃貸募集がされているか調査します。
この時のポイントは、以下の2つです。
①検索条件をドンピシャで同じにするのではなく、対象物件を最低限の条件にすること
②安い順に並び替えること
一つ目の「対象物件を最低限の条件にする」というのは、あえて狭い部屋を探している人はいないので、検索条件をワンルームのみにしてしまったり、20㎡以下にしてしまったりすると、入居者の真意にあっていない相場賃料になる可能性があります。
例)対象物件の面積が40㎡なら、検索は40㎡以上にする
購入物件の間取りがワンルームなら1Kや1DKも含める
良い例:ワンルーム・1K・1DK、20㎡以上
悪い例:ワンルーム、20㎡以下
■相場より高い賃料になっていた理由
今回の物件の相場賃料をインターネットで調査したところ、月約5万円でした。次に、物件近くの不動産屋へ電話でこのあたりの賃料相場について、ヒアリングを実施しました。
こちらもインターネットで検索する時のように、築年数や間取り、駅徒歩等の条件を伝え、その場合の賃料相場を聞き出します。ヒアリングをした結果もやはり、相場賃料は月約5万円でした。
そして、これはヒアリング中に偶然知ったのですが、買おうとした物件はフリーレントを3カ月付けたり、入居者の初期費用を大家負担にして無料にしたり、家具家電セットにしたりと、賃料を高くする工夫を施していたようです。
つまり、売主は高めの家賃で入居を決めて利回りを高く見せて、早期売却を狙っていた可能性がありました。謄本を見ると、実際に購入してから1年くらいでの売却でした。
私は、これでは退去が発生した後で家賃が下がる可能性があり、そうなれば想定したキャッシュフローも得られないだけでなく、将来の売却時に損をする可能性が高いと判断し、購入を見送ることにしました。
■レントロールをそのまま信じてはいけない
1円でも家賃を上げるため、高く売却するために試行錯誤するのは悪いことではありません。不動産業は慈善事業ではなくビジネスなので、そういうものだと思います。
ただ、そのことを知った上で物件を購入するのと、知らずに購入するのでは話が大きく変わってきます。
ですので僕自身は、レントロールを鵜呑みにするのではなく、必ずインターネットでの1次フィルターと、ヒアリングから得た1次情報を確認して、購入の判断をするということを徹底しています。
今回はレントロールを調査した結果、購入を見送った時のお話を書かせていただきました。少しでも皆さんの参考になれば幸いです。