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振り込まれない250万円。新・中間省略の取引でお金を持ち逃げされた話

不動産投資の失敗例告白/横浜のリーマン大家さん_画像 不動産投資の失敗例告白/横浜のリーマン大家さん

2019/5/5 掲載

しがないサラリーマン大家です。昨日の「 知らないうちに二重売買契約を締結させられていた話 」に続き、今日も不動産投資における失敗談を告白します。

今回は、「 新・中間省略の取引でお金を持ち逃げされた話 」です。相手は初対面ではなく、これまで何度もやりとりのあった業者さんでした。皆さんもお気を付けください。



■ 二重売買契約をした業者さんから持ち込まれた3棟目

念願だった1棟物を2棟も同じ業者から購入した私。S銀行からフルローンを引くために、その過程で二重売買契約や入居率偽装を行ってしまったことは、昨日、書いたとおりです。

2棟目を購入してしばらくしたある日、また同じ業者さんから連絡がありました。この頃になると、この業者さんとも付き合いが長くなっており、独立後の業況や事業の拡大の話などもちらほらと聞くようになっていました。

ホームページを作りたいという話を受けて、ちょっと手伝ったこともありますし、次の仲介手数料が入るまでの運転資金を用立てて貰えないかと懇願され、断り切れずに業者さんが所有しているBMWを担保にお金を貸したこともありました。

自分なりのリスクヘッジとして、最悪戻ってこなくてもいい金額だけ貸したのですが、この時は少し色を付けてお金を返してくれました。( 本当はお金を貸すべきではないと思います。反面教師として見てください )。

この時のことを一応恩義に感じてくれていたのか、はたまたカモと思ったのかは、今となっては知る由はありません。ただ、このやり取りの後、あちらはより頻繁に連絡をくれるようになり、物件の提案も増えました。


写真はイメージです

そんな折に、この業者さんから悪くない物件の提案を受けました。1棟目、2棟目と同じ地域のアパートで、稼働率はやはり高くない状態です。所有者は不動産屋さんで、家賃を下げてまで埋める気はないと放置していたため、稼働率が低いということでした。

「 あと1棟売らないと苦しいんです 」「 希望価格を言っていただければ、その金額に合わせて交渉してきますから 」

社員さんも抱え、資金繰りが苦しい様子が何となくわかりました。そこで、けっこうきつめの指値で買付を入れたところ、希望価格とほぼ変わらない金額で交渉成立。相場より割安に購入できたことが嬉しかったです。

今回も「 覚書+カーテン 」を使ってS銀行で融資を進めるとのことでしたが、その前の2回よりは気持ちの部分での抵抗が薄れていました。そして3回目の審査でも、S銀行から問題なく内諾をもらえました。

■ まさか! S銀行もグルだった!?

金銭消費貸借契約の日。例によって当日の朝、宅建主任者以外の誰かが読む重要事項説明書を聞いて、覚書も含め署名押印した後、S銀行へ。契約の為の応接室に通され、業者さんが銀行の担当者に契約書を渡します。それを見た銀行の担当者の方が一言。

「 金額、違いますよね? 」

血の気が引きました。とうとう、バレてしまった。ここまで悪事を働いた罰が当たるんだ…。ところが、業者さんは平然と言います。

「 あ、間違えました、こっちですね 」

更にもう一枚出てきた書類。私はそれに署名押印したことがありません。何の書類なのかはよく見えませんでしたが、銀行の担当者はそれを見て「 あ、そうですね、こっちです 」と言っています。

このやりとりを聞いて、私は銀行もグルであることに気づきました。 「 まさか、銀行まで不正に手を染めているとは… 」。銀行は公的機関のような固いイメージだったため、人生で何度もないようなものすごいショックを受けました。

これはあくまで予想ですが、銀行内部で使う契約金額は、次のように、実際の物件価格、契約書の金額よりもさらに高いものになっていたのではないでしょうか。

銀行向け出し値:3,000万
契約書定義金額:2,500万
実際の売却金額:2,000万
※金額は実際の取引とは異なります

そして、私と不動産会社の間では、今回の取引は、次のように進められる手はずとなっていました。

・「 第三者の為の契約 」( いわゆるサンタメ )の形式をとっているため、私から見た売主は不動産業者。
・実際の売買代金は2,000万、頭金は払っていないため、当日2,500万と諸経費を支払う必要がある。
・他方、融資金額は2,500万。契約書上は2,500万で、その金額の10%が頭金として支払われており、残り90%が売主である不動産業者に支払われる、と銀行は把握している。
・そうなると、2,500万の90%である2,250万を不動産業者に支払う必要が生じる。
この時、実際の売買代金は2,000万だが、銀行の目があるので一旦は業者に2,250万を支払い、後で余計に支払った250万を返金してもらうことで、取引完了。

当日はこの流れに従い、私は不動産会社に2,250万を振り込みました。この時は、不動産に関わる人は、銀行も含めてみんな悪いやつばかりだし、私も使える技は何でも使おう、毒を食らわば皿までだ、と言う気持ちになりつつありました。

■ いつまでも振り込まれない250万円

差額の250万円は業者さんから次の日に私の口座に振り込んでくれるということで、その日は解散しました。ところが、予想もしないことが起きました。

翌日、口座を見ましたが250万が振り込まれていません。業者さんに電話すると、時間ギリギリで振り込んだから翌日着金かもしれない、と言っていました。

翌々日、口座を見ましたが250万が振り込まれておりません。業者さんに電話すると、確認して折り返すとのこと。

更に次の日、口座を見ましたが250万が振り込まれておりません。業者さんに電話すると、「 間違えて別の口座に振り込んでしまったようだ 」「 組み戻しの手続きを取るから少し時間がほしい 」と言います。



もしかして、資金繰りがきつくて別のことに使ってないか? という疑いの気持ちが芽生えます。しかし、万が一誤解だった時のことを考えると関係が崩れると思い、喉元まで出かかった言葉を飲み込みました。

その後は「 相手に連絡が取れずお金の組み戻し処理ができない 」「 戻り次第返金する 」を繰り返すも、返金される気配がありません。そのうち、電話にも出なくなりました。

その業者と共通の知人である不動産業者さんに連絡が取れるかどうか聞いてみたところ、「 うちもお金を借りたまま返してくれず、困っている 」「 連絡が取れなくなった 」ということでした。

やられた・・・。

内容証明を送りましたが、会社はもう移転していてそこにはありませんでした。電話には出る気配なし。興信所など使って追いかけたところで、資力がないため返金は極めて難しいでしょう。

やり取りしていた社員さんと個人的に連絡を取りましたが、その社員さんも給与未払いで酷い目に遭ったと憤っておりました。250万円はもう戻ってくることはなさそうです。

せめてもの救いは、その250万を購入価格の一部と考えたとしても、それなりに割安で3棟目を入手できたことくらいだと思います。それにしても後味は悪いですが・・・。

■ どんなに魅力的な取引でも、違和感があったら止めるべき

この出来事があったことで、やっぱりこんな取引をしていてはダメだ、というまともな感覚が戻ってきました。その後、時間はかかりましたが、不正を犯して入手した3棟はすべて売却しました。とんとんで終えられたのは本当に幸いでした。

当たり前ですが、これ以降は不正な手段を使わずに物件を購入しています。最初の1棟でおかしいと思った時に、理性が欲望に打ち勝っていれば、こんな経験はしなくて済みました。

心がだんだん麻痺して、不正行為に自分から目をつぶるようになったタイミングでのしっぺ返し。不正行為は必ず、どこかで誰かが見ているのだろうと思います。

今回、健美家さんとひょんなことでつながりが出来まして、失敗談コラムを書かせていただきました。恥ずかしい失敗であり、本当ならこんな公衆の面前で告白したいことではありません。

それでも書かせていただいたのは、私の情けない経験が、これから不動産投資を始めようとしている方への警鐘になれば、少しは罪を償えるかもしれないという思いからです。

読者の皆様へ私からメッセージがあります。心に違和感が生じたら、その取引がどんなに魅力的であっても止めた方がいいと思います。悪事は、必ず巡り巡って自分を苦しめます。

誘惑の多い業界ですが、最後に決断するのは自分。誰かのせいにしても、犯した傷は消えません。悪いことをしなくても成功している先輩大家さんの方が圧倒的に多いのです。是非、自分に正直に生きていただければと思います。



プロフィール

■ 横浜のリーマン大家

shippai

198×年生まれ
サラリーマン大家

□201×年
金持ち父さんにあこがれて不動産投資を始めることを決意
本やセミナーで勉強する

□201×年
3棟続けて、同じ不動産会社で二重売買契約を結び、S銀行から融資を受けて手出しナシで物件を購入

□201×年
不動産会社に大金をだまし取られる

□201×年
二重売買契約で購入した3棟を売却

□2019年
現在はまっとうなやり方で不動産投資を行っている

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