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サブスク別荘で多拠点居住ビジネス。地方の空き家・遊休施設を収益化しながら交流人口も増加

賃貸経営/空家・遊休地活用 ニュース

2023/11/07 配信

イメージ写真

空き家問題解消に向けての取り組みが全国で相次いでいる。今年9月28日には、不動産事業者や金融機関、不動産情報サイトなど11団体が集まり「全国空き家対策コンソーシアム」が設立された。

代表理事には、解体工事の一括見積もりサービスを提供するクラッソーネ(名古屋市)の川口哲平社長が就いた。参画する11団体は、それぞれの知見・ノウハウを生かして良質な資産としての再生・利活用を目指すとともに、投資マネーを呼び込むことで空き家を流通させることにつなげていく。

そうした中で、空き家の有効活用として注目されるのが、二地域居住や多地域居住である。各自治体は、移住促進策に力を入れがちだが、人口減少下でのパイの奪い合いにすぎない。

過疎化が加速する地域と、そうではない地域との格差が広がるだけであるため、移住・定住を目指すよりも二地域・多地域居住で関係人口を増やすことで広く地域を活性化させていく。

2021年3月におよそ600の地方公共団体と関係団体・関係事業者、国土交通省などが連携して「全国二地域居住等推進協議会」が設立されたことで、その意識は高まっている。

空き家の提供件数が増加中

平日は東京で過ごし、週末は地方で田舎暮らし。そんな都心と地方を行き来する生活は、一部の富裕層が地方に別荘を持つというイメージが根強かったが、一般のサラリーマン世帯でも実現可能な時代になっている。なにも地方に別荘を購入せずにサブスクリプション(定額利用)できるようになった。

多拠点居住プラットフォームを提供するアドレス(東京都千代田区)では、空き家や別荘などを持つ物件オーナーからサブリースして多拠点ニーズに定額制で応えている。

同社は10月12日、業務データと利用者アンケートを分析し、多拠点生活者の動向が社会的課題にどのように関わっているのかを「社会的インパクト評価レポート2022-23」として発表した。

その中で「多拠点生活者の増加」については、前年同月比で約160%と1.5倍以上の増加率だ。空き家をアドレスのプラットフォームを通じて再利用するニーズも高まっているとし、今年8月末時点で昨年の218件から295件と再利用された物件は77件の増加となり、空き家・空き室の提供を希望する件数は1344件になったとしている。

アドレスと契約したオーナーの1部屋当たりの平均初期投資額は5万3533円であり、1部屋当たりの月次収益は2万5292円という。会員の平均利用物件数は17.3件となり、総予約数に占めるリピート率は62.65%と半数以上を占めている。

鉾田市
「OURoom」が茨城県鉾田市で展開するサブスク別荘の写真(ニュースリリースより)

体験後9割以上がサブスク継続

地方で空き家を〝サブスク別荘〟として提供し、収益化を図る動きは広がりつつある。東京から車で1時間30分~2時間の距離は、移動時間のかからないとして多拠点居住として人気を集めている。茨城県大洗町で別荘サブスクリプションサービス「OURoom(アワールーム)」を運営する、わづくる㈱は11月下旬に同県内の鉾田市と水戸ののに地方暮らしが体験できる拠点をオープンする。地元の遊休別荘などを利用するもので、リノベーションを施して「OURoom 鉾田 UMIBE」と「OURoom 水戸 HOTORI」として展開する。

鉾田市内では、海辺の物件サーフポイントや釣りスポットとしての需要を見込んでいる。室内の広さは32㎡で最大4人が泊まれ、室内ガレージ(30㎡)やテラス(25㎡)も備えている。水戸市内は湖畔の物件で室内の広さが130㎡で最大6人が泊まれる。双方ともリビング・カウンターキッチン・寝室を備えて、基本アメニティとしてバーベキューセットを完備する。

同社では、昨年10月に大洗第1弾として地方での暮らしを体験してもらったところ、会員の9割以上がサブスク契約を半年以上続けていることから、今回2カ所を新規にオープンすることになったという。

入会費や退会費はなく、月額会員費は1000円(固定費)となり、宿泊費・清掃費は滞在した分のみ支払うという使う分だけの別荘が地方に持てるサービスだ。

今後の展開として、茨城県と山梨県を中心に拠点展開を拡大するとともに、神奈川県や千葉県、長野県、静岡県を新たに進出する候補地としている。

地方の遊休物件をサブスクにより、キャッシュフローを生み出す。人口の奪い合いから交流人口を増やす方法として注目が集まっている。

健美家編集部(協力:若松信利(わかまつのぶとし))

■ 主な経歴

学生時代から不動産に興味を持ち個人的に不動産関連の記事を多数執筆。大学卒業後、不動産関係情報誌に20年以上勤務。現在は都内のIT会社に勤め、副業でいくつか投資関連の記事を担当・執筆する40代サラリーマン。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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