COP26も終わったが、地球温暖化を食い止めるためのカーボンフリー対策が益々重要になっている。
その一環で、石炭や石油を燃やして二酸化炭素を大量に排出する火力発電から、太陽光や風力発電所の拡充が必要になっている。
そんな太陽光発電所を保有し、運用しているのが、「インフラファンド」だ。
インフラファンドはJ-REIT(ジェイリート)と同じか、それ以上に分配金の利回りが高いため、個人投資家にも人気が出てきている。分配金をもらうことで、FIRE生活の一助になるからだ。
なお、J-REITはオフィスビルや商業施設、住居など不動産を保有し、運用しているファンドだ。
インフラファンドはインフラ施設のうち、主に太陽光発電所を保有しているファンドが大多数だ。
インフラファンドは現在、7銘柄が上場している。
どの銘柄も分配金利回りは5〜6%と高く、投資口価格(株価のようなもの)は10万円前後と買いやすい金額だ。

このうち、今月11月決算が、
タカラレーベン・インフラ投資法人
エネクス・インフラ投資法人
ジャパン・インフラファンド投資法人。
来月12月決算が、
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人
東京インフラ・エネルギー投資法人。
つまり、7銘柄のうち5銘柄が11月、12月に集中している。
今回紹介する注目銘柄は、エネクス・インフラ投資法人だ。
分配金が年1回から年2回に変わる予定のエネクス・インフラ
11月中に買うか、配当落ちの安値を狙うか?
エネクス・インフラ投資法人のスポンサーは、伊藤忠商事グループの伊藤忠エネクス株式会社。東証1部上場のエネルギー商社だ。
サブ・スポンサーは、三井住友信託銀行、株式会社マーキュリアインベストメント、マイオーラ・アセットマネジメントPTE.LTDの3者だ。
取得物件数は8物件、取得総額は592.16億円。インフラファンド7銘柄のうちでは、まだ小規模なファンドだ。
しかし、スポンサーの伊藤忠エネクス株式会社は、太陽光発電所以外に、水力や風力発電所を有している。
他のインフラファンドの保有施設は、ほとんどが太陽光発電所だけだ。
エネクス・インフラ投資法人はスポンサーからのパイプラインから、他リートに先駆けて水力や風力発電所を取得する可能性が有り、注目される。


そして現在、エネクス・インフラは11月決算期の年1年決算だ。
ところが今年7月15日に、「これまで年1回だった分配金の支払いを年2回とするため、同リートの決算期を毎年 11 月末日の年1回から、毎年5月末日及び 11 月末日の年2回にする予定」と発表した。

変更するには同リートの規約変更が必要で、来年2月に開催予定の第3回投資主総会で「規約変更が承認されること」が条件となる。
とはいえ、今年11月1日のプレスリリースでは、「第3回投資主総会で本件規約一部変更議案が承認されることを条件として」、「2022 年5月期と11 月期の運用状況及び分配金の予想」を発表した。
2022 年5月期の予想分配金は3,000円、同11 月期も3,000円だ。 ちなみに、今期2021年11月期の予想分配金は6,000円。
1年分の分配金を2回に分けただけ、とも言える。
しかし、今月26日までに同リートを購入すれば、「今から7か月間の間に1年6か月分の分配金をもらえる権利が手に入る」という事でもある。そういう意味ではお得だろう。
もしくは、11月27日以降は「配当落ち」して価格下落が予想されるため、わざと安値を狙って購入するという方法もある。
なお、インフラファンドの分配金はJ-REITよりも「利益超過分配金」が多く含まれている。
太陽光発電所など発電所の土地値は安いため、建物などの減価償却費比率が高いためだ。
「利益超過分配金」をどれぐらい含めるか、は各投資法人の考え方による。インフラファンド自体のメリットとリスクについては、前回の記事を参考にしてほしい。
なお、投資判断は自己責任で。
健美家編集部(協力:野原ともみ)