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J-REITの分配金でFIRE生活★10月決算はいちごオフィスリートと星野リゾート・リートに注目!

不動産投資全般/Jリート・小口化商品 ニュース

2023/10/08 配信

株式投資で配当金生活を楽しむように、J-REIT(ジェイリート)で分配金(株式投資の「配当金」と同義)を毎月もらおうというシリーズ。

実物の不動産投資に近く、もっと手軽なJ-REIT に投資して、FIRE生活(経済的自と早期リタイア)への1歩にしよう!

10月決算のJ-REITをいま買うと、3ヶ月後の翌年1月に分配金がもらえる。そして、J-REITは年2回決算だから、翌年4月決算後の7月にも分配金が受け取れる。

いちごオフィスリート投資法人のホームページから
いちごオフィスリート投資法人のホームページから

※いちごオフィスリート投資法人のホームページから。

10月決算の注目銘柄はいちごオフィスリート投資法人と星野リゾート・リート投資法人

J-REIT の10月決算期は8銘柄ある。

NTT都市開発リート投資法人
ケネディクス・オフィス投資法人
いちごオフィスリート投資法人
スターツプロシード投資法人
星野リゾート・リート投資法人
トーセイ・リート投資法人
積水ハウス・リート投資法人
投資法人みらい

10月決算銘柄
10月決算銘柄

※証券コード、銘柄名、投資口価格、予想分配金利回り。「投資口価格」とは、J-REITの場合の「株価」に相当する。投資口価格と予想分配金利回りは2023年10月6 日終値現在。

J-REIT(ジェイリート)とは、証券市場に上場している金融商品「不動産投資信託」のこと。J-REITを購入すると、株を買うぐらいの小口資金で大規模大家さんの仲間になれる。

J-REITの分配金利回りは2~5%台と、株式投資よりも高配当なものが多い。

そして、10月決算の注目銘柄はいちごオフィスリート投資法人と星野リゾート・リート投資法人だ。

2銘柄

中規模オフィスが強みの「いちごオフィスリート」
今春の難題も切り抜け、今後の発展に期待

いちごオフィスリート投資法人はオフィス特化型リートだ。

オフィスビルの中でも、安定的で収益成長が見込める首都圏を中心に、「中規模オフィス」に特化している。

取得価格合計は2,121億円で、中堅クラスのJ-REITだ。

スポンサーは東証一部上場の不動産運用事業を主力とする「いちご株式会社」。

商号の「いちご」は、千利休が説いた茶人の心構え「一期一会(いちごいちえ)」から来ている。

同社の強みは、古いビルを壊して新たに建て直す形ではなく、既存の建物を活かして改修・再生し、収益を上げていく方法だ。

いちごオフィスリートの保有物件も、効率良く改修・再生できる中小型ビルがメイン。

同リートは、2005年にFCレジデンシャル投資法人として上場したが、2011年にいちご不動産投資法人と合併した。

2015年に、総合型リートからオフィス特化型リートへと投資方針を変え、商号も今の「いちごオフィスリート投資法人」に変更した。

さて、同リートが保有する中規模オフィスの利点は、大規模なオフィスに比べて流動性が高い点だ。

「2023年4月期(第35期)決算説明資料」より
「2023年4月期(第35期)決算説明資料」より

また、大企業よりも圧倒的に数の多い中小の事業者を対象テナントとしているため、潜在的なテナント層が厚い。

その上、高品質を維持して運営されている良質な中規模オフィス物件が少ない。そのため、同リートが効果的なバリューアップ工事を行う事により、収益性が向上していく可能性が高いのだ。

「2023年4月期(第35期)決算説明資料」より
「2023年4月期(第35期)決算説明資料」より

また、同リートは「いちごレイアウトオフィス」などの工夫をしている。

本来は借主側が行うオフィスの内装工事を、貸主側が事前に行った上、デザイン性の?い机や椅子等の可動式什器も用意された「セットアップ型オフィス」だ。

いちごレイアウトオフィスの例(同リートのホームページより)
いちごレイアウトオフィスの例(同リートのホームページより)

どのビルにも構造の関係で、使い勝手が悪い不整形なスペースがあるだろう。

そのスペースをセットアップ型オフィス等に改修することで、スタートアップ企業などが初期費用を抑えてオフィスを借りることができる。

可動式什器のため、社員が増えた際の対応も簡単だ。

小さな工夫の積み重ねが、稼働率と収益アップに繋がっている。

ところで、同リートは今年春に大きな問題に直面した。

2023年3月、スターアジア投資法人を傘下に持つスターアジア・グループから臨時投資主総会の開催を請求されたのだ。

理由は、「いちごオフィスリートの運用報酬が高すぎる」ため、運用報酬体系の改定と、ガバナンス強化として追加の役員選任を求められた。

運用報酬体系については、他のJ-REITの場合は資産規模に連動している。J-REITが成長するにつれ、報酬が高くなる形だ。

ところが、いちごオフィスリート投資法人は2020年11月から「完全成果報酬」型の運用報酬体系に変更した。オフィス賃貸の収益や物件売却の譲渡益等が大きくなると、報酬自体が多くなる仕組みだ。

そして、6月23日に臨時投資主総会が開催された。いちごオフィスリート投資法人が提案した議案、報酬体系の引き下げ等、が全て可決され、スターアジア・グループ側の議案は否決された。

また、臨時投資主総会が開催されるまでの間、いちごオフィスリートのスポンサー側が同リートの投資口を買い進め、保有割合を高めた。

スポンサーが投資口を多く買った事や、第35期(2023年4月期)の分配金が物件売却益の影響で4,224 円と通常より高かった事等から、同リートの投資口価格は2023年4月に10万円を超えた時があった(現在は9万円前後)。

臨時投資主総会を無事に切り抜けた事で、問題は一旦収束した。

しかし、スターアジアは2019年に「さくら総合投資法人」を傘下の「スターアジア投資法人」に吸収合併させることに成功した。今後がどうなるか、は気になるところだ。

とはいえ、大規模オフィスが苦戦するなか、潜在テナント層の厚い中規模オフィスに焦点を絞り、改修して価値を上げていく方法は継続され、安定的な分配金を生んでくれるだろう。

いちごオフィスリート投資法人
予想分配金:第36期(2023年10月期) 2,116円、第37期(2024年4月期) 2,059円
保有物件数:88
取得価格合計:2,121 億円(2023年9月30日現在)

コロナ禍でも盤石だった星野リゾート
コロナ後も、真似されない独自性と強みで進む

星野リゾート・リート投資法人はホテル特化型リートで、2013年に上場した。観光に特化したJ-REITとしては日本初だ。

スポンサーは、星野 佳路氏率いる株式会社星野リゾート。同社は、ホテル事業の3つの機能「開発」「所有」「運営」を分散させる事が成功の要因だと考えた。

そのため、物件の所有は星野リゾート・リート投資法人、運営は株式会社星野リゾート、開発は(株)星野リゾートと日本政策投資銀行(DBJ)の共同ファンドで行っている。

同リートの保有物件のうち、星のや16.0%、リゾナーレ5.2%、界14.5%、星野リゾート・その他6.4%、都市観光45.2%、その他12.7%だ(2023年7月1日現在)。

同リートのホームページより
同リートのホームページより

賃借人別では、星野リゾートグループが81.8 %と最大だ。オペレーター別でも、同グループが42.1%を占める。

同リートのホームページより
同リートのホームページより

今期(2023年10月期)の予想では、星野リゾートによる運営物件はコロナ禍前よりも賃料水準が上昇している。しかし、星野リゾート以外の運営物件はまだ回復途上のようだ。

同リートは、資産規模を現在の約2,000億円から3,000億円へ、そして運営の50%以上を星野リゾートグループが担う事を目指している。

2023年4月期(第20期)決算説明資料より
2023年4月期(第20期)決算説明資料より

コロナ禍の試みでは、星野 佳路氏が「マイクロツーリズム」を提唱し、「自宅から1~2時間で行ける範囲で、地元を再発見する旅」が功を奏した。

特に、星野リゾートの高級温泉旅館ブランド「界」が健闘した。自宅からほど近い温泉でゆっくり過ごしたいという層を取り込むことに成功したからだ。

そして、アフターコロナで旅行需要が戻ってきた観光業にとって、いま最大の課題は「労働力不足」だ。

星野リゾートでは、コロナ禍でも業績が好調だった事や新規開業する施設が多数あったため、採用は通常通りに行っていた。

ところが、2022年末から旅行業界の採用が活発になり、星野リゾートからの転職者が増え、2023年初から労働力不足になったという。

理由は、本来は航空会社や旅行会社を希望していたのにコロナ禍で採用がなく、宿泊事業である星野リゾートに入社した層が、採用を再開した航空会社等に転職を希望したからのようだ。

観光業界の労働力不足は、2025年まで続く可能性がある。せっかく回復した旅行需要を取りこぼさないためには、宿泊施設への「集客力」とともに、「リクルーティング力」と「運営体制の柔軟さ」が重要と星野氏は考えている。

2023年4月期(第20期)決算説明資料より
2023年4月期(第20期)決算説明資料より

そして、「所有」を担う星野リゾート投資法人も、長期的な競争戦略を立て、他社が真似しづらい「独自路線」を開拓し、その強みを維持していく方針だ。

その一環として、宿泊施設のある「地域の魅力を体験できる」仕組みや、「連泊」を推進して環境負荷を下げる等に取り組んでいる。

星野リゾート・リート投資法人
予想分配金:2023年10月期(第21期)8,400円、2024年4月期(第22期)8,600円
保有物件数:69
取得価格合計:1,986億円(2023年7月1日現在)。

10月決算銘柄を買って分配金をもらうには、権利付き最終売買日である10月27日15時までに購入しておく必要がある。

最後に、投資は自己責任でお願いしたい。

健美家編集部(協力:野原ともみ(のはらともみ))

野原ともみ

Twitter:@noharatomomiJ

■ 主な経歴

会社員をアーリーリタイアし、現在は不動産賃貸業、ライター業、イベント企画・運営業、J-REIT投資などをのんびり行っている。趣味は旅行と料理。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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